楽器を用いず、あらゆる音色を口だけで表現するアカペラ。日本国内ではアカペラ大会のテレビ番組などの影響もあり、五人から六人の形態が一般的となっていますが、欧米では「アカペラ部」として十数人の大所帯でハーモニーを奏でる形態も大人気です。2012年に第1作が公開され、社会現象を引き起こした映画『ピッチ・パーフェクト』シリーズは、仲間との絆さえあればどこにいても音楽を創り出せるアカペラの魅力がたっぷりと詰まった作品です。
見せどころはアカペラバトル「リフ・オフ」!
主人公のベッカは、音楽プロデューサーになることを夢見る女子大学生。孤独を好む彼女ですが、その歌唱力を買われ女子アカペラグループに勧誘されます。ベッカは嫌々ながらも個性豊かな仲間たちと全国大会を目指すことになりますが、その道中で大学アカペラ界の様々な慣習に鍛えられます。中でも印象的なのは「リフ・オフ」と呼ばれる、グループ同士のアカペラバトル。「80年代女性アーティストの曲」「セックスがテーマの曲」「ジョン・メイヤーの元カノが歌う曲」などといったお題に沿う選曲で即座にハーモニーを作り出し、相手グループの見せ場を奪わなくてはなりません。主人公たちと一緒に選曲を考え、ハラハラしながらもアカペラを見守る楽しさはこの作品でしか味わえないでしょう。
社会現象を引き起こした代表曲”Cups”
1作目のオーディションシーンでベッカが歌う”Cups”という曲は、公開当時社会現象を引き起こしました。原曲は”When I’m Gone”という1931年のフォークソングですが、作中のベッカはこの曲を子供の手遊びのようにアレンジし、コップ一つでリズムを刻みながら歌いあげます。コップが手元にあれば誰もが簡単にカバーできる曲として、世界中でカバー動画やアレンジ動画が誕生しています。
様々なジャンルの名曲がアカペラアレンジで楽しめる『ピッチ・パーフェクト』シリーズは、特に洋楽好きの方には是非おすすめしたい作品です。パワフルな歌声とアカペラステージならではの振り付けや演出にも注目してみてください。
『ピッチ・パーフェクト』シリーズは3作品あり、Prime Videoなどで視聴可能です。彼女たちのパフォーマンスに元気をもらってみてはいかがでしょうか。