グループ魂やドラマでも活躍する皆川猿時さんと、ドラマ『俺の家の話』での好演も印象に残る荒川良々さん。2人が揃えば、笑わない訳が無い!ということで、大人計画が今の世の中に溜まったストレスを吹き飛ばしてくれる作品『3年B組皆川先生〜2.5時幻目〜』の観劇リポートをお届けします。(本多劇場・2021年6月)

おじさんおばさんも観客も、みんな皆川先生の生徒に!

作・演出を細川徹さんが務める本作は、乃木坂46の清宮レイさん以外「おじさんとおばさんしかいません」(細川さんコメントより)。元2.5次元俳優で、焼き鳥屋をやりながら借金を抱える皆川が、借金を返すために問題児ばかりの3年B組の担任の先生になる、というストーリー。特に荒川さんは3年B組のボスで、ATMをATMごと(!)盗むなどやりたい放題です。池津祥子さんはアイドルを目指すために学校を辞めようとし、上川周作さんは常に自殺しようとし、杉村蝉之介さんは学費を払えない。次から次へと起こる問題に右往左往する皆川さんに、観客からは笑いが止まりません。

更に、荒川さんから観客に「起立!」と号令が。最初は困惑して皆立たないのですが、荒川さんの強引さに押されて結局みんなで「起立!礼!」をします。そのほかにも観客が巻き込まれる演出が。前説で皆川さんが仰った通り、観客が「積極的に参加」する演劇なのです。コロナ禍で舞台と客席は距離ができてしまいましたが、それを飛び越えて観客と共に進んでいく演劇。それを体感できたことに嬉しさを感じました。

なぜか物語は2.5次元ミュージカルへ!

そんなこんなで学園物語をしていた本作ですが、皆川さんが元2.5次元俳優の役ということもあり、3年B組のみんなで2.5次元ミュージカルをやることに。パンフレットには「協力」にミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会の名前もあり、まさに刀剣乱舞のパロディのような展開に笑いが止まりません。「おじさんおばさん」たちが頑張ってダンスする中、キレキレのダンスを魅せてくれる乃木坂46の清宮レイさんに癒されます。

2時間ずっとくだらないのだけれど、こんなに何も考えずに笑ったのは久しぶりだなぁ、と思わせてくれた作品でした。なんだか色々なことに深く悩んだり、モヤモヤしたりしてしまいがちな昨今。「こんな時代だけど、明るく行こうや」と3年B組のメンバーに言われたような明るい気持ちになって、劇場を後にしました。

Yurika

7月4日まで本多劇場にて上演されており、6月26日にはライブ配信も予定されています。また、22歳以下は3,800円で観劇できるヤング券も発売されています。重い作品は苦手だけれど、演劇には少し興味がある。そんな方も気楽な気持ちで、観劇してみてはいかがでしょうか?チケットぴあでのチケット購入はこちら