カッコつけて傷ついて恋をして…思春期の甘酸っぱさとほろ苦さが詰まったミュージカル『グリース』。今年で初演から50年を迎えるとは思えない、いつまでも色褪せない名作です。
大人になりきれない甘酸っぱさに胸キュン必須!
『グリース』は50年代アメリカで青春を謳歌するティーンネイジャーの物語。グリース(整髪油脂)でばっちりキメたリーゼントやふんわり広がるワンピース、そしてノリノリのロックンロール・・・古き良き時代の魅力的なビジュアルと世界観は作品の代名詞とも言えるでしょう。
物語の主役は、旅先でひと夏の熱い恋に落ちたサンディとダニーのカップル。新学期、サンディは偶然、転校生としてダニーの通う高校に現れ、2人は感動の再会を果たす・・・と思いきや、ダニーはなんだかつれない様子。所属する不良グループの仲間たちの手前、品のあるサンディに一途な素振りを見せるのが恥ずかしくて、素直になれないのでした。
すれ違いながらも互いのことが頭から離れない2人のじれったい関係はまさに王道のラブコメ。どうにかサンディの気を引こうと、彼らしくないスポーツに挑戦してみるダニーや、彼を冷やかす友人たちが女の子を助手席に乗せて車を乗り回し、タバコをふかして強がっている様子に「まったく男子ってしょうもないなぁ」とあきれながらも、なんだか可愛くてキュンとしてしまいます。
舞台も映画も大ヒット!青春ミュージカルの金字塔
本作が初演されたのは1971年6月、シカゴの小さな劇場でのことでした。すぐにオフ・ブロードウェイ、ブロードウェイへと進出してロングランを達成し、一躍人気ミュージカルの仲間入りを果たします。
人気をさらに高めた映画版(1987年)では、ジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン=ジョンが主役カップルを好演し、大ヒット。その世界興行収入は約4億ドルにものぼりました。こうして世界中で知名度を上げた『グリース』はその後も各地で再演を繰り返しています。 向こう見ずで見栄っ張りな高校生の恋愛模様と友情。その輝きと危うさを描き込んだ本作は、時代を越えて熱い支持を得る、青春ミュージカルの金字塔です。
2021年10月から12月まで、東京・北千住シアター1010、日比谷シアタークリエほかで上演が決定しました。主演は『刀剣乱舞』や『レ・ミゼラブル』で注目を集め、甘いマスクとバレエ仕込みのキレある踊りで観客を魅了する三浦宏樹さん、そして『モアナと伝説の海』の吹き替えで鮮烈デビューし、人気ミュージカルへの出演で着実にキャリアを重ねる屋比久知奈さんが務めます。 周りを固めるキャストもミュージカルで頭角を表す若手俳優が集結。若さはじける新生『グリース』の開幕が待ちきれません!