ミュージカル『星影の人』-沖田総司・まぼろしの青春-は、1976年に宝塚歌劇団雪組で初演され、以降は同団を代表する日本物ミュージカルとして愛されてきました。

本作の初演から50周年を迎える2026年、『ロミオ&ジュリエット』や『1789-バスティーユの恋人たち-』などのミュージカルで主演を務めた実力派・岡宮来夢さんを沖田総司役に迎え、新たな舞台作品としてよみがえります!

新選組の天才剣士・沖田総司の恋物語を新演出で

沖田総司といえば、幕末に活躍した天才剣士として広く知られています。そのドラマチックな生涯から、文学や映画などさまざまな作品で取り上げられてきた人物でしたが、恋物語についてはほとんど語られてきませんでした。

そんな沖田総司の恋に焦点を当てたのが、ミュージカル『星影の人』-沖田総司・まぼろしの青春-です。

今回の上演では、演出家・内藤裕子さんによって“池田屋事件”のエピソードが加えられ、新しい作品としてよみがえりました。

池田屋事件とは、沖田総司が所属する“新選組”の存在を世間に轟かせた出来事です。新選組は会津藩お抱えの剣豪集団で、当時幕府を脅かしていた尊王攘夷派の志士たちに対抗するために結成された部隊でした。

1864年、新選組は京都・三条の旅館池田屋に集結していた攘夷派の志士たちを襲撃しました。一説には、志士たちが京都に放火し、そのすきに天皇を長州に連れ去ることを企てていたとされ、これを未然に防いだ新選組は一躍名を上げたのでした。

潤色・演出・作詞を手がける内藤さんは、過去に『ソハ、福ノ倚ルトコロ』で第57回紀伊國屋演劇賞の個人賞(作・演出)、そして『カタブイ、1972』では第26回鶴屋南北戯曲賞・第10回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞を受賞する実力派です。

そんな内藤さんが追加した池田屋事件のエピソードによって、本作の物語はより深みを増すのではと期待が高まります。

岡宮来夢、華優希ら若手キャストが幕末を生きる

本作の主人公である沖田総司を演じるのは、高い歌唱力と演技力で活躍する岡宮来夢さんです。

ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』ではロミオ役、『1789-バスティーユの恋人たち-』ではロナン役を演じた岡宮さん。どちらの役も、許されない立場での恋に苦しみながらも厳しい運命に立ち向かっていく人物です。

そんな岡宮さんが演じる沖田総司も、病魔という抗えない運命と向き合います。この悲しくも美しい役柄を、どのように演じてくれるのか非常に楽しみです。

総司と心を寄せあう芸妓・玉勇を演じるのは、華優希さん。元宝塚歌劇団花組トップ娘役で、舞台『千と千尋の神隠し』『キングダム』など話題作に出演したほか、ミュージカル『モーツァルト!』では、ヴォルフガングの妻コンスタンツェ役を演じました。

総司と対峙する長州藩の桂小五郎役には、笹森裕貴さんがキャスティングされています。

笹森さんはミュージカル『ロミオ&ジュリエット』でロミオの友人・マーキューシオ役を演じていた経験もあります。作中では複雑な立場におかれていそうな桂小五郎役ですが、笹森さんがこの役をどう表現するのか楽しみです。

そのほか、総司が所属する新選組の副長・土方歳三役には、岐洲匠さん。土方の意向に懐疑的な考えを見せる総長・山南敬助役には田村心さん。総司に運命を告げる医師の娘・早苗役には愛加あゆさんなど、重厚な歴史物でありながら、みずみずしい実力派が顔をそろえました。

<STORY>
幕末の京都。市中見回りに奔走する新選組が凄腕の剣客集団として名を高める一方、政局の中心から追放された長州藩士たちは、燻る思いを胸に雌伏の日々を過ごしていた。

そんな中、新選組一番隊組長の沖田総司(岡宮来夢)は、突然の雨に降られ、芸妓の玉勇(華優希)から傘を借り受ける。
総司の優しげな風情と、組随一の剣客という評判の落差に驚く玉勇。偶然の再会から、二人はやがて心を寄せ合うようになる。

無敵の強さを誇る新選組だったが、副長・土方歳三(岐洲匠)が厳しい局中法度によって組をまとめ上げる中、総長・山南敬助(田村心)はその方針に懐疑的になるなど、綻びを見せ始めていた。
片や総司は長州藩の桂小五郎(笹森裕貴)と対峙するも、手負いの桂を前に剣を抜くことはなかった。二人はかつて、道場で手合わせをした仲だったのだ。

やがて新選組が長州側の間者を捕縛したことにより、両者の対立は決定的となる。池田屋での激しい斬り合いの最中、吐血して倒れる総司。自身の病状を問う彼に、医師・横井良玄の娘である早苗(愛加あゆ)は毅然と答える。残された時間は、あと二、三年だと――。

さまざまな作品に描かれ続ける沖田総司

江戸末期に生まれた沖田総司は、新選組の中でも「最強格」として恐れられた天才剣士でした。しかし、生まれた年ははっきりせず、本人の写真も残っていません。同じく新選組の近藤勇や土方歳三などと比べると、その生涯は謎に包まれています。

諸説ありますが、池田屋事件の後に肺結核を発症し、その後27歳頃(25歳頃という説も)に亡くなったと言われています。

冗談が好きでいつも笑顔を絶やさず、子どもが好きだったという沖田総司ですが、剣の稽古の際には非常に荒々しい人物だったという評判も。短命だったこと、生涯や容貌に謎が多かったことなどから、沖田総司に光を当てた多くの文学や映画、ドラマなども生まれました。

演劇作品では、本作のほかにも劇作家・つかこうへいさんによる『幕末純情伝』、ミュージカル『薄桜鬼』沖田総司 篇など、さまざまな姿で描かれた沖田総司像が存在しています。

ミュージカル『星影の人』-沖田総司・まぼろしの青春-は、以下のスケジュールで全国5都市を巡演します。

【東京公演】
2026年11月19日(木)から24日(火)
東京国際フォーラム ホールC

【大阪公演】
2026年12月3日(木)から7日(月)
SkyシアターMBS

【長野公演】
2026年12月12日(土)・13日(日)
長野市芸術館 メインホール

【静岡公演】
2026年12月19日(土)・20日(日)
富士市文化会館ロゼシアター 大ホール

【愛知公演】
2026年12月25日(金)から27日(日)
御園座

公式HPはこちら

糸崎 舞

儚い生涯を終えた沖田総司の恋という、非常にロマンチックな題材が魅力的な作品です。 初演から50年を経て、男女混合キャストで描かれる総司の青春がどう立ち上がるのか、今から楽しみでなりません。