人は二度死ぬという言葉を聞いたことはありませんか?一度目は肉体が死んだ時、二度目は忘れ去られて魂が死んだ時と言われています。人の記憶は日々薄れていきますが、亡くなった家族や仲間を思い出すことはその人が心の中で生き続けている証なのかもしれません。
日本で2018年3月に公開されたディズニー/ピクサー作品の『リメンバー・ミー』は、記憶や家族の大切さをテーマに描いたミュージカル映画。第90回アカデミー賞®、長編アニメーション賞&主題歌賞をW受賞し、日本ではU-NEXT2018年7月度の最新映画ランキング1位を記録しました。
01 まるでテーマパーク!?ワクワクする死者の国
『リメンバー・ミー』はメキシコのお祭り「死者の日」をモチーフに、主人公のミゲルが死者の国を冒険する物語。「死者の日」は日本のお盆に近いですが、花を飾ったりパレードをしたりと死者を明るく迎える祭日です。
主人公は、ミュージシャンの夢を持ちながら家族から音楽を禁じられている少年ミゲル。先祖である天才ミュージシシャン、デラクレスのお墓からギターを盗んだことで死者の国へと迷い込みます。ミゲルは元の世界に戻って音楽を続けることを許してもらうため、ガイコツのヘクターと一緒にデラクレスを探すことに。辿り着いた先には意外な真実が待ち受けていました。
ミゲルとヘクターが冒険する死者の国はとてもカラフルでテーマパークのよう。この美しい背景にワクワクするのも『リメンバー・ミー』の見どころのひとつです。
02 初対面なのに息ピッタリ!ミゲルとヘクターの友情
ミゲルが死者の国で出会ったお調子者のガイコツのヘクター。ミゲルがデラクレスを探す手助けをする代わりに、元の世界に戻ったら自分の写真を祭壇に飾って欲しいと交換条件を出します。
なぜならヘクターには一目会いたい家族がいるから。死者の国では生前の自分のことを覚えている人がいなくなると、ガイコツの姿もろとも消えてしまいます。二度目の死となり、死者の日に家族と会うこともできなくなってしまうのです。それを防ぐ方法は二つ。現実世界の祭壇に自分の写真を飾ってもらうか、自分のことを思い出してもらうかでした。
デラクレスのパーティーに参加するためコンテストでの優勝を狙う二人が「ウン・ポコ・ロコ」を軽快に歌うシーンは、初めて心が通じ合った姿に胸が熱くなります。声優を務めた石橋陽彩くんの透き通った歌声と藤木直人さんの優しい歌声のハモリがとても心地よく、聴き逃せません。
03 二度目の死が迫った家族を思って歌う「リメンバー・ミー」
この作品のタイトルにもなっている曲「リメンバー・ミー」はさまざまな場面で登場します。その中でも強く心に残るのが、ミゲルがひいおばあちゃんのママココに歌う「リメンバー・ミー」。これは、死者の国でママココの記憶から消えかけている家族を思い歌ったものです。
高齢でほとんど反応のないママココに一度は諦めかけたミゲルですが、最後の思いをかけて泣きながら歌う姿は涙なしでは見られません。このミゲルの健気な姿に、家族の絆や大切さを改めて考えさせられた方も多いのではないでしょうか。またこの作品の日本でのタイトルは『リメンバー・ミー』ですが、原題は『Coco』となっています。そのことを頭に置きながら再度見返すと、切ない思いや深い愛情に涙が溢れます。
映画『リメンバー・ミー』の魅力について紹介しました。『リメンバー・ミー』では他にもたくさんの曲が登場します。大切な人を忘れないというメッセージだけでなく、音楽が人生を豊かにすることを伝えてくれる作品です。『リメンバー・ミー』を見て、今は会えない大切な人のことを思い出してみませんか?