桐野夏生さんの名作小説『リアルワールド』が世界初舞台化されます。本作では、世界的名優のジョン・マルコヴィッチさんが脚色・演出を手掛け、三浦透子さん、富田望生さん、川床明日香さん、影山優佳さんなどが出演。ある殺人事件をきっかけに逃亡する少年と、彼に関わる女子高生たちの孤独や心の闇が鮮烈に描かれます。
世界的名優ジョン・マルコヴィッチが桐野夏生作品を世界初舞台化
ジョン・マルコヴィッチさんは、文芸作品からアメコミ(アメリカン・コミックス)まで幅広いジャンルの話題映画に出演してきた名優です。1984年の映画『プレイス・イン・ザ・ハート』でデビューし、『シェルタリング・スカイ』『危険な関係』『二十日鼠と人間』『ある貴婦人の肖像』『コン・エアー』『マルコヴィッチの穴』など、名作への出演が世界的に知られています。
2027年1月29日に日本公開が決定した最新映画『ワイルド・ホース・ナイン』では、第83回ヴェネチア国際映画祭で最優秀男優賞を受賞するなど、70代を迎えた今でも俳優として活躍し続けています。さらに近年はプロデューサー、演出家、デザイナー、実業家としても活動中です。
そんなジョン・マルコヴィッチさんが、桐野夏生さんの名作『リアルワールド』を脚色・演出し、世界初舞台化することになりました。桐野小説の大ファンで、翻訳されている作品は全て読んでおり、いつか舞台化したいと願っていた長年の夢がついに実現します。
学生時代に演劇を専攻し、映画俳優として知られる以前はシカゴの劇団「ステッペンウルフ」で活動していた彼が、自らの原点ともいえる演劇の世界で、しかも日本という新たなフィールドで、人間の闇を抉り出す桐野作品をどのように立ち上げるのか注目が集まっています。
『リアルワールド』のストーリー
ある夏の日、母親を殺した高校生の少年「ミミズ」は、隣の家に住む女子高生「トシちゃん」の自転車と携帯電話を盗んで逃走する。それをきっかけに、4人の女子高生〜トシちゃん、ユウザン、テラウチ、キラリン〜はそれぞれに、逃亡する少年との危うい関係へと引き込まれていく。殺人事件を追う女性警官の捜査の手はトシちゃんの周囲に迫る。
誰にも言えない秘密。各々が抱える孤独、苛立ち、満たされない思い。なぜ大人たちは、彼女たちの心に気づけなかったのか。なぜ彼女たちは、少年を拒むことができなかったのか。
親と子、大人と若者、社会と個人。その間に横たわる深い断絶。そして、日常のすぐそばに潜む人間の心の闇を鮮烈に描く、息詰まるひと夏の物語。
負の感情が人間関係の中でふと顔を覗かせ、高校生たちを闇に引き込む
物語のはじまりとなる、事件が起きた家の隣に住む女子高生・山中十四子役に三浦透子さん。映画『ドライブ・マイ・カー』(2021年)で第45回日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞した後、舞台『ロスメルスホルム』(2023年)では第58回紀伊國屋演劇賞個人賞、第31回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞しました。キャラクターの芯を吸収し、透明感のある自然体で表現することに長けている俳優だと思います。
エキセントリックで好き嫌いが激しく、男らしい気風の良さをもつ傍ら、センシティブな秘密を抱えている貝原清美役に富田望生さん。ドラマ『だが、情熱はある』(2023年)や舞台『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(2025年)などに出演してきました。個性豊かな愛されキャラクターを多々演じている印象ですが、今回は暗さの強い役柄とどのように向き合うのでしょうか?
クールで頭脳明晰、物事を客観的にとらえる性格でありながら、周囲から浮いてしまう一面や、家族関係に苦悩する背景を持つ寺内和子役に川床明日香さん。映画『長崎-閃光の影で-』(2025年)や舞台『春よ来い、マジで来い』(2026年)で経験を積み、2027年初夏に初主演映画『うるさいこの音の全部』が公開予定です。芯の通ったひたむきな演技力で、寺内和子の闇を自分のものとすることでしょう。
育ちがよく可憐な美少女ですが、その清楚な外見とは裏腹に、私生活では遊び人という二面性を持つ東山きらり役に影山優佳さん。ドラマ『るなしい』や舞台『シークレットステージ』(2026年)など、近年は俳優としての輝きも一層増している存在です。「可憐な美少女」という外見は影山さんに近しいものを感じますが、だからこそ「二面性」や「人間の性」を思慮深く表現してくれるのではないかと思います。
有名進学校に通う高校3年生の男子ですが、学校では落ちこぼれのダサくて陰気な少年で、夏休みに自宅で母親を撲殺して逃走し、女子高生たちの「ゲーム感覚の冒険」に巻き込まれていくミミズ役として、金田昇さんと樋之津琳太郎さんが役替わりで出演します。そして、事件を追う警察官など、物語に登場する複数の大人を奥貫薫さんが務め、人間の胸の底から湧き上がる感情の数々を舞台上に描き出します。
『リアルワールド』は2027年1月12日(火)〜31日(日)まで東京芸術劇場 プレイハウスで上演されます。その後、2027年2月13日(土)・14日(日)にメディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場) 演劇ホールで宮崎公演、2月20日(土)・21日(日)にサントミューゼ(上田市交流文化芸術センター) 大ホールで上田公演、2月27日(土)・28日(日)に東海市芸術劇場 大ホールで愛知公演、3月6日(土)・7日(日)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで兵庫公演、3月20日(土)・21日(日)にあきた芸術劇場ミルハス 中ホールで秋田公演が実施予定です。公式HPはこちら
わたしは影山優佳さんのファンなのですが、最近舞台での活躍が増えてきていてうれしいです。今作で彼女が演じるのは「清楚な外見とは裏腹に、私生活では遊び人という二面性を持つ」という役柄。普段の影山さんからはイメージできないがゆえに、どんな舞台になるのか今からワクワクしています!知的なイメージもある彼女が、人間の生々しい闇や二面性を舞台上でどう表現するのか、ファンとして見届けるのがとても楽しみです。



















