イギリスやアメリカで大人気の公開オーディション番組「ゴット・タレント」。ダンサーである蛯名健一さんが日本人初の優勝を果たしたことで知っている方も多いのではないでしょうか。ダンサー、シンガー、マジシャンからコメディアンまで様々な人がスターになること、そして賞金100万ドルを目指して行うオーディション番組となっています。今回は世界で人気の「ゴット・タレント」で披露されたミュージカルソングをご紹介します!

“この番組のあるべき姿”!手話と全身で披露した「This Is Me」

会場に登場したのは、小さな姉弟。脳性麻痺で一生コミュニケーションが取れないと言われた弟・クリスティアンと、諦めずに手話を教え続けたジェイドです。次々と現れる子供や大人たちとミュージカル『グレイテスト・ショーマン』の「This Is Me」を歌と手話で披露。クリスティアンも嬉しそうな表情で手話をする姿に、会場からは拍手喝采が。レインボーを顔に塗り、「居場所がある」「私は私」と歌う彼ら。全身で表現された芸術に会場は一体となり、涙を流す審査員もいました。

辛口審査員として知られ、ワン・ダイレクション生みの親でもあるサイモン・コーウェルは、「この番組のあるべき姿であり、忘れてはならないパフォーマンスだ」と述べました。さらに、審査員の1人であるデヴィット・ウォリアムスが無条件で生放送の準々決勝への進出が確定するゴールデンブザーを押し、会場はゴールドの紙吹雪と歓喜の涙に包まれました。

可愛らしい12才の少女が歌う圧巻の「Defying Gravity」

2016年に12才の少女ボウ・デルモットが披露したのは、ミュージカル『ウィキッド』の名曲「Defying Gravity」。ステージに出てきた時は緊張しているように見えた彼女でしたが、楽曲がかかると一変。情緒豊かに難易度の高い楽曲である「Defying Gravity」を歌い上げ、その強い眼差しにはかっこよさを感じます。

会場からは途中から拍手喝采が止まず、審査員も鳥肌が立っている様子。会場からは「Push Golden Buzzer!」の掛け声が止まらず、ついにゴールデンブザーが押されることに。ボウ・デルモットはその後アルバムデビューを果たし、ミュージカル『レ・ミゼラブル』の名曲「I Dreamed A Dream」(夢やぶれて)や映画『君の名は。』の「スパークル」をもとにした楽曲「Sparkles」などが収録されています。

ゴット・タレントが生んだスター!スーザン・ボイルの「I Dreamed A Dream」

『レ・ミゼラブル』の「I Dreamed A Dream」(夢やぶれて)と言えば、スーザン・ボイルを思い出す方も多いのではないでしょうか。彼女もゴット・タレントに出場し夢を掴んだ1人です。スコットランドの労働者階級の大家族で育った彼女がゴット・タレントに挑戦したのは47才のとき。彼女が美しく「I Dreamed A Dream」を歌い上げた動画は瞬く間に世界中に広がり、社会現象に。アルバムの発売や彼女の半生を描いたミュージカルまで誕生しました。日本にも来日し、紅白歌合戦に特別応援歌手として歌ったこともありました。何歳になっても、どんな人でもいつだって夢を掴める。スーザン・ボイルは、ゴット・タレントの代名詞とも言える人物となりました。

Yurika

ミュージカルソングは歌唱力だけでなくその人自身の意思や物語を感じることができ、さらに感動が増すのでしょう。今後のゴット・タレントでも、ミュージカルソングを通して新たなスターが生まれるのが楽しみです。