ジャニーズきってのエンターテイナー・グループ「ふぉ〜ゆ〜」。福田悠太さん、辰巳雄大さん、越岡裕貴さん、松崎祐介さんの4人で結成されたグループで、数々の舞台にて主演を務め、堂本光一さん主演の『Endless SHOCK』にも毎年出演しています。彼らの魅力がたっぷり詰まったミュージカル『SHOW BOY』は中川翔子さんらを新たに迎えた再演。心からワクワクできるザ・エンターテイメントな舞台の魅力をリポートします。(2021年7月・シアタークリエ)
エンターテイメントが詰め込まれた豪華客船にいざ乗船!
物語の舞台は豪華客船「SHOW BOAT」。ふぉ〜ゆ〜の4人それぞれがキャバレーやバー、カジノなど様々な場で繰り広げる物語が、次第に絡み合っていきます。面白いのは、ショーの開演1時間前から5分前までを4回繰り返して行くという小説のオムニバス形式のような構成であること。それぞれの物語の始まりには時計やキャラクターたちが映像として映し出されるのも物語を分かりやすく観客に伝えてくれます。
ディーバが倒れ、代役を立てることになったキャバレー。支配人(中川翔子さん)がショーの準備を進める一方で、裏方(福田悠太さん)は主演ダンサー(高田翔さん)が指名したエンジェル(高嶋菜七さん)を探し回ります。
カジノで持ち金を全て失ってしまったギャンブラー(越岡裕貴さん)、警察に追われている中国人マフィア(松崎祐介さん)、マジシャンの見習い(辰巳雄大さん)もそれぞれの事情や悩みを持ちながら、ドタバタ劇を展開。その中でふぉ〜ゆ〜の魅力であるキレのあるダンスがたっぷりと堪能できる他、タップダンスやボイパ、マジック、ピアノなど彼らの多彩な芸に驚かされます。また、支配人を務める中川翔子さんの歌唱力もお見事。可愛らしい姿ながら、姉として支配人として、ショーを成功させようともがく姿はつい応援したくなります。
人生はショータイム!様々なミュージカル作品をオマージュ
4つのストーリーとプロローグ・エピローグの計6つの章からなる本作は、それぞれに名作ミュージカルや名作映画のタイトルが付けられています。『ショウボート』、『キャバレー』、『ペーパームーン』、『お熱いのがお好き』、『スティング』、『俺たちに明日はない』、『ショウほど素敵な商売はない』。ミュージカルや映画好きの方ならば、一度は聞いたことのあるタイトルたちではないでしょうか。時にそのタイトルを感じるオマージュもあり、各作品のファンも楽しめる作品となっています。
華やかなネオン煌めくステージで、「人生はショータイム」だとキャストたちが歌い踊るシーンはまさにエンターテイメントの極みが詰め込まれた華やかで幸福感のある空間。暗い時代にスポットライトを照らしてくれるような明るい気持ちになって劇場を出ることができます。マフィアが何度も言う「ヤルシカナイネ!」もまるで観客に言い聞かせてくれているよう。今の時代だからこそ、多くの人に心躍るショーの魅力を届けてくれる作品です。
『SHOW BOY』は7月27日までシアタークリエにて、その後大阪と愛知公演が予定されています。詳細は公式サイトをご確認ください。(7月5日現在、東宝ナビザーブにてまだチケット購入可能な日程がございます)