「ストリップ・クラブ?」「口には気をつけて。うちはストリップなんかしないの」。映画の冒頭、バーレスク・ラウンジというロサンゼルスのクラブに不意に立ち寄った主人公のアリは、クラブの受付とこんな会話を交わします。その会話の通り、際どい衣装を着たダンサーたちがショーを繰り広げるこの映画は、ただセクシーさが売りの映画ではありません。今日はその『バーレスク』の魅力に迫ります!

この声で夢への扉を開けてみせる

主人公アリは、歌手になる夢を追いかけてアメリカのアイオワからロサンゼルスへと飛び出します。なかなかチャンスを掴めず落ち込んでいたところで出会ったのが、このバーレスク・ラウンジ。初めて踏み入れるバーレスクの世界は、あまりにセクシーで、煌びやか。アリはすぐにこの世界の虜になり、舞台に立つことを夢見てウエイトレスとしてクラブで働き始めます。彼女が本当に小さなチャンスを何度も掴んでトップスターへとかけ上がっていく様子はアメリカン・ドリームの象徴のようであまりに痛快で心地良く、また煌びやかなショーの裏側の愛憎劇もこの物語に深みを与えています。

何と言ってもこの映画の見どころはクラブでのショーシーン。アリが一瞬で魅入られたのも頷けるほど、華やかで官能的な世界がそこにはあります。

『バーレスク』の世界を格段に引き上げるパワフルな歌声

それもそのはず、主人公アリ役に抜擢されたのは、なんと世界的に有名な女性アーティストのクリスティーナ・アギレラ!映画冒頭から披露されるそのあまりにもパワフルな歌声は、私たちを掴んで離しません。

2010年の映画公開当時、すでにビルボードチャートで1位をとるような本格派シンガーだった彼女は、劇中でもその歌声を遺憾なく発揮し、煌びやかな舞台の上でセクシーかつ力強いダンスを見せてくれます。圧倒的なその実力に、ショーシーンは何度も見返したくなってしまうほど!

まっすぐ観客席に届く歌声に裏打ちされるように、アリはどこまでも素直で強い女性です。「好きだから」というただそれだけの理由で最初は突き進んでいた彼女が、最後は信念を持って周囲を説得し、状況を打開していく様子には、今求められている「強い女性」像がすでに描かれているようにも思います。

Asa

主人公アリのほかにも、バーレスク・ラウンジの経営者であり、伝説的スターでもあるテスを演じているのは歌手であり女優としても活躍するシェール。彼女の劇中での熱唱も必見です!『バーレスク』が魅せる一夜限りの夢を、見てみませんか?