韓流ぴあPresents/Kミュージカルシネマにて2021年12月25日~27日に日韓同時配信された『モーツァルト!』。2020年8月のソウル公演千秋楽で収録された公演本編に加えて、キャストやスタッフのインタビューとバックステージも公開されました。

日本でも韓国でも大人気のミュージカル『モーツァルト!』

1999年のオーストリア初演以来、世界中で上演されている人気ミュージカル作品『モーツァルト!』。脚本・作詞はミヒャエル・クンツェ、作曲はシルベスター・リーヴァイ。『エリザベート』『レベッカ』で知られる名コンビですね。日本では2002年に初演されてからこれまでに、井上芳雄さん、中川晃教さん、山崎育三郎さん、古川雄大さんらが主役のヴォルフガングを演じています。

韓国でも、2010年に初演されてから5回再演され、昨年10周年を迎えた超人気作品。なんと韓国の初演は、韓国のプロデューサーが帝国劇場で日本版を観て関心をもったことがきっかけだそう。2016年、韓国で5回目となる再演では、日本版の演出家・小池修一郎さんが演出をされたことでも話題を呼びました。

韓国版の魅力は歌唱力と見ごたえあるカーテンコール

スピード感ある韓国語ではセリフが音にハマりやすく、メロディとセリフがしっくりくるのが特徴的。ヴォルフガング役を務めたのは、新人賞を総なめした2010年の初演から10年ぶりに『モーツァルト!』に帰ってきたキム・ジュンスさん。ハスキーな歌声にさらに磨きがかかり、圧倒的な存在感を放っていました。

また印象的だったのは、男爵夫人役シン・ヨンスクさんのソロ曲『星から降る金』。優しさや愛情だけではなく、伸びやかさと力強さが相まって胸に突き刺さりました。終わってからずっとOSTを聴いてしまうぐらい耳から離れません。更に、カーテンコールでは『星から降る金』をキャスト全員で披露。カーテンコールで楽曲を披露するのは韓国ミュージカルあるある。会場が一体感に包まれ、とても心地よい瞬間でした。

スペシャルエディションは最高のプレゼント

今回のオンライン配信では、普段見ることのできない会場入りやバックステージの様子、キャストからのコメントも満載。コロナ禍で迎えた千秋楽の緊張感、期待と達成感に満ちあふれたキャストの表情をみていると、観客として演劇を待ち続けてよかったと思わせてくれる内容でした。そこにファンがいる限り舞台に立ち続けたいという俳優と、作品を作り続けたいと願う裏方、1人1人の思いが重なり、大きな感動を生むのですね。オンライン配信ではありましたが、精一杯の拍手を送りたいです。

Chizu

なかなか渡韓できない状況なので、2020年千秋楽のアンコール配信とはいえ今回の配信は、韓ミュファンとしてはかなり嬉しいオンライン観賞となりました。リアルタイムオンライン配信の韓国ミュージカルも増えてきているので、日本だけではなく海外ミュージカルの情報もキャッチしていきたいです。