テレビで聞いた印象的な音楽が頭から離れない。誰でも一度はそんな経験をしたことがあるのではないでしょうか?実はCMやテレビ番組のBGMには、有名な舞台音楽がよく使われています。今回はテレビで聞く機会が多い舞台音楽を5つ厳選しました。耳に残ったあの曲と、劇場や映画の中で再会するかもしれませんよ。
「私のお気に入り」/『サウンド・オブ・ミュージック』
「そうだ、京都行こう」のキャッチコピーで親しまれるJR東海による京都の観光客誘致キャンペーンのCMソングです。ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』で主人公のマリアが雷を怖がる子供たちを落ち着かせるために歌うナンバーですが、京都のCMソングとしての印象のほうが強いかもしれません。
ゆったりとしたジャズの調べが、優美な京都の風景を連想させますね。この曲は1993年から現在に至るまでテレビCMに起用されており、日本で一番長くCMソングとして知られているミュージカルソングと言えるでしょう。
「チキ・チキ・バン・バン」/『チキ・チキ・バン・バン』
「チキ・チキ・バン・バン」は、同タイトルの子供向けミュージカル映画の劇中歌です。テレビ番組や車のCMによく起用される愉快な曲で、音楽の授業で歌ったことがある人も多いのではないでしょうか?
歌の中で繰り返し歌われるチキ・チキ・バン・バンとは、発明家の主人公のポッツが改造して作った不思議な軽自動車のこと。船になったり空を飛んだりして、子供たちを楽しい冒険へいざなう魔法の車なのです。作曲を手掛けたのは、『メリー・ポピンズ』で知られているシャーマン兄弟。主人公のポッツ役は、同作でバートを演じたディック・ヴァンダイクです。
「オールウェイズ・ラブ・ユー」/『ボディガード』
恋人同士が抱き合うようなテレビ番組のロマンスシーンでよく使われる曲が、「オールウェイズ・ラブ・ユー」。1992年公開の映画『ボディガード』で、主演のホイットニー・ヒューストンが主題歌として歌い、グラミー賞を受賞した熱いラブソングです。2012年からは同映画のミュージカルが上演され、演劇ファンにも親しまれる名曲となりました。
日本では2022年1月21日より、ミュージカル『ボディガード』が上演予定。もちろんあの「オールウェイズ・ラブ・ユー」も、劇中歌として歌われますよ。
「凱旋行進曲」/オペラ『アイーダ』
「オーオーオオオオーオーオー♪」というサッカーの応援歌で有名な曲は、オペラ『アイーダ』の「凱旋行進曲」です。エチオピアの王女アイーダとエジプトの将軍ラダメスの許されない恋を描いた当作は、ミュージカル作品としても親しまれています。エチオピアを制したエジプト軍の凱旋のシーンで流れる「凱旋行進曲」がなぜサッカーソングとして定着したかというと、元サッカー日本代表選手の中田英寿さんがこの曲を気に入り、日本のサッカー界に広めたのが始まりだそうです。
「蒲田行進曲」/オペレッタ『放浪の王者』
「蒲田行進曲」は、バラエティ番組や電車の発車ベルのメロディーとしてよく耳にする昭和の歌謡曲。実は原曲がプラハ出身の作曲家であるルドルフ・フリムルが手掛けたオペレッタ(喜歌劇)の劇中歌です。映画や戯曲などで流れる場合が多く日本発祥の歌だと思うともいると思いますが、意外にも海外から輸入された曲でした。
テレビ番組や町中でよく聞く舞台音楽を5つご紹介しました。日常でよく聞く曲も、元をたどれば舞台で使われている曲が意外と多いんです。テレビで聞いて印象に残っていた曲と舞台や映画の中で出会えたら、曲への理解が深まって新しい発見がありそうですね。