観光地や文明などで取り上げられることの多い、世界3大シリーズや4大シリーズ。実はミュージカルにも、世界4大ミュージカルというものが存在するのをご存じでしょうか。今回は、世界4大ミュージカルと言われている作品について紹介します!

一度は観て欲しい!間違いない王道のミュージカル『レ・ミゼラブル』

ミュージカルの金字塔とも言われる『レ・ミゼラブル』。「ミュージカル作品を観劇する中で絶対外せない!」「これだけは必ず観る!」というレミゼ愛の強いファンの方も多いのではないでしょうか。パンを盗み19年もの間投獄されていたジャン・バルジャンは、司教に救われたことがきっかけで人のために生きる人生を歩み始めます。そんなジャン・バルジャンを執拗に追いかけるジャベール警部を始め、周りを取り巻く人々の様々な愛を描いた作品です。

体中に衝撃が走る役者の気迫や、心を揺さぶられる歌声とオーケストラ。貧困や愛がテーマになったストーリーには、大切な人のことが浮かんで涙を抑えられなくなるかもしれません。世界での初演はパリで1980年、日本では1987年から続くロングラン公演となっており、世界4大ミュージカルに選ばれるのも納得の作品です。

世界180都市以上で上演!屈折した愛に切なくなる『オペラ座の怪人』

劇団四季の作品の中でも人気の高い『オペラ座の怪人』。美しい音楽と、豪華な舞台セットでオペラ座の世界観に引き込まれます。劇中でも有名なシャンデリアのシーンは、一度観ただけでも強く記憶に残るのではないでしょうか。

『オペラ座の怪人』はガストン・ルルー原作の作品。オペラ座の地下に住む怪人ファントムと、オペラ座の歌姫クリスティーヌの悲恋を描いた物語です。誰からも愛されずに育ったファントムは、クリスティーヌの恋人ラウルの命と引き換えにクリスティーヌが自分から離れないように要求します。屈折した愛でありながらも、ファントムに感情移入してしまう作品です。世界での初演は1986年のロンドンのウエストエンド。日本初演は1988年で通算上演回数7000回以上、世界でも180都市以上で上演されている代表的なロングラン公演作品のひとつです。

推し猫に会いに行けるミュージカル!客席を使った距離感にハマる『キャッツ』

劇団四季のミュージカル『キャッツ』は、名前を知らない人はいないほど日本でも馴染みのあるミュージカル作品。都会のごみ捨て場に集まった24匹の猫たちが新しい人生を生きられるジェリクルキャッツに選ばれるため、舞踏会に参加してダンスや歌を披露します。24匹の猫の中から推しの猫を見つけて夢中になれるのも『キャッツ』の醍醐味。ステージが180度回転したり、客席を使った演出があったりと、子供から大人まで楽しめる作品です。

世界初演は1981年ロンドン。日本での初演は1983年11月11日ですが、この日は『ミュージカルキャッツの日』に認定されています。2019年3月には日本通算公演1万回を達成。2020年1月には映画も公開され、現在もロングラン公演が続く大人気作品です。

我が子に命をささげる究極の愛を描いたミュージカル『ミス・サイゴン』

東宝ミュージカルの中では、『レ・ミゼラブル』と合わせて人気の『ミス・サイゴン』。ベトナム戦争末期、サイゴン陥落によって引き裂かれた娼婦キムとアメリカ兵クリスの悲恋を描いた作品です。純粋なキムが一途にクリスを思い、我が身を削ってでもクリスとの子供・タムを守ろうとする姿に愛の深さを感じ涙が溢れます。救われないストーリーに苦しい気持ちになりますが、美しい音楽と歌声には心が洗われるのではないでしょうか。

世界4大ミュージカルのひとつである『ミス・サイゴン』ですが、元々は世界3大ミュージカルとして注目されていた他の3作品の中に後から加わった作品とも言われています。世界での初演は1989年9月、ロンドンのウエストエンド。日本での初演は1992年4月で、エンジニア役の市村正親さんが初演から出演し続けているのも有名なエピソードです。

かずちぃ

世界4大ミュージカルの作品は、実は全てキャメロン・マッキントッシュがプロデューサーという共通点があります。日本でも長期にわたり上演されており、多くの人に愛されている作品なのではないでしょうか。いつの間にか世界4大ミュージカルを制覇していたという方もいるかもしれませんね。どのミュージカルを観るか迷った時には、是非世界4大ミュージカルの中から選んでみてください。