『ネバーランド』で、不滅の名作「ピーターパン」の誕生秘話を描いたマーク・フォスター監督。彼が2018年にメガホンを撮った映画『プーと大人になった僕』をご紹介します。本作は、ディズニー・アニメーション『くまのプーさん』のクリストファー・ロビンとプーの「その後」を描いた作品。大人になっても、忘れてはいけない本当に大切なコトとは——。ブロードウェイ上演も!不滅の名作・ピーターパンの誕生秘話を描く映画『ネバーランド』
プーさんの優しさが心に響くファンタジードラマ
クリストファー・ロビンと親友のプーや仲間たちとの幸せなひとときから、物語はスタートします。ある日、寄宿学校にいくことになったクリストファー・ロビンは、みんなにお別れを告げ100エーカーの森をあとにしました。
長い年月が経ち、大人になったクリストファー・ロビン(ユアン・マクレガー)。仕事や家族との問題に悩み落ち込みます。そんな彼の前に、突然現れたプー!プーに再会したクリストファー・ロビンは、忘れてしまった本当に大切なモノを徐々に思い出していくのです…..。
“何もしない”は 最高の何かにつながる
「何もしない」というセリフは、原作でも良く出てくるプーさんの名言です。劇中でも、たびたび出てくるこのフレーズは、映画のキーポイントにもなっています。何もしなくてよかった子どものクリストファー・ロビンは、大人になるにつれて何かをしないといけないことばかりに。忙しく時間に追われて生きていくことが多い現代で、「何もしない」をすると、本当に大切なものが自然と見えてくるかもしれません。
思い悩んだ時にこそ、大切な子ども心
『ネバーランド』の主人公であるピーターパンの生みの親ジェームズ・バリや、本作の主人公クリストファー・ロビンも、劇中でのターニングポイントは、思い悩んでいる時でした。ジェームズ・バリは、傷ついた少年に想像する力や信じる力の大切さを教えることで、自身も情熱を取り戻していきます。
クリストファー・ロビンは、子どもの時のごっこ遊びを体感していくことで、純粋な気持ちを取り戻していきました。悩んだ時、子どものころの好きだった本や遊び、想い出などを思い返してみてはいかがでしょうか。忘れかけていた大切な何かが、きっとそこにあるはずです。
「今日」という日
物語の終盤で、プーさんがクリストファー・ロビンに「今日は何の日?」と尋ねるシーンがあります。クリストファー・ロビンは、「今日だよ」と答えました。それを聞いたプーさんは、「僕のだいすきな日!」と言うのです。
クリストファー・ロビンとプーさんの素朴な会話に、思わずハッとしてしまう場面。過去に囚われたり、未来を見過ぎてしまったり、大人になると忘れてしまう目の前にある「今日」という日。なによりもまず、「今日」を大切にしていきたいものです。
「何もしない。をする」というプーさんの名言。どういう事なんだろう?と思っていましたが、ストーリーを見ていくうちに、その意味や大切さがじんわりと自然に心に入っていきました。クリストファー・ロビンを演じたユアン・マクレガーは公式インタビューで「この役を通して描かれたプーの哲学は、自分のために時間を使うこと。働きづめじゃなく“何もしない”をすることだ。だから僕もこの映画の撮影後はプーの忠告どおり休んだよ。何ヵ月も“何もしない”を楽しんだんだ」と話していました。疲れたとき、ぜひ「何もしない」をしてみてください。