大好評を博した『ピピン』が3年ぶりに帰ってくる!作品の魅力再演の見どころをお伝えします。
若き王子の自分探しの旅
舞台は紀元前8世紀の神聖ローマ帝国。若き王子ピピンは、大学で優秀な学問を修め、父チャールズの治める国に戻ります。チャールズは戦を控えており、父に認めてもらいたいピピンは戦への同行を志願。しかし、戦の空虚さに気づいたピピンは、「特別な何か」を探し求めて旅に出ます。そんなピピンの物語を、リーディングプレーヤー率いる劇団の一座が上演をしていくという劇中劇の構成になっています。
50年経っても劣らぬ作品の持つ魅力
1972年にボブ・フォッシーの演出で誕生した『ピピン』はトニー賞5冠に輝いた名作です。ボブ・フォッシーは『CHICAGO』や『キャバレー』の振付・演出をつとめ、その特徴的でカッコいいダンススタイルに、今もファンが絶えません。1972年当時はベトナム戦争の渦中であり、反戦のメッセージも込められていたことが伺えます。
2013年のブロードウェイでの再演は、シルクドゥ・ソレイユ出身アーティストのサーカスアクロバットなどのスリリングで斬新な新演出が加わり、多くの観客を魅了しました。日本では1976年に帝国劇場で初演。2019年版の上演では、ブロードウェイの2013年上演版のクリエイティブチームが集結したことでも話題になりました。
魔法にかけられるようなパフォーマンス
再演で注目したいのは、2代目ピピンの森崎ウィンさん、そして、2019年に本作で読売演劇大賞優秀女優賞を受賞し、再演もリーディングプレイヤー役で続投となったCrystal Kayさんを始めとする俳優陣。
舞台では通常、舞台と観客の間には見えない壁があり、それを「第四の壁」といいます。日本初演では、その壁を壊して、観客に俳優たちが直接語りかけてくる演出があり、作品に入り込みやすかったのも『ピピン』の魅力です。
そして、ボブ・フォッシー特有のダンススタイルを引き継いだ、チェット・ウォーカーの振り付けや、目の離せないアクロバット。エンターテイメントの要素が多く、ミュージカルファンに限らず、多くの方が楽しめます。
『ピピン』は2022年8月30日(火)~9月19日(月・祝)に東京公演が 東急シアターオーブで、2022年9月23日(金・祝)~27日(火)は大阪公演が オリックス劇場で行われます。チケット購入は公式HPから。一般発売は6月11日(土)からになります。
キャストも新たにパワーアップして帰ってきた『ピピン』カンパニー。『West Side Story』に『ジェイミー』そして本作とミュージカル主演続きの森崎ウィンさん。どんなピピンを観られるのか、楽しみです。