とにかくハッピーなミュージカルを楽しみたい方におすすめ!『ロシュフォールの恋人たち』は、1967年に公開された、フランスのミュージカル映画です。『ラ・ラ・ランド』の監督デイミアン・チャゼルは、本作のジャックドゥミ監督のファンで、大きな影響を受けたと言います。今回は、今も多くの人を魅了して止まない本作の魅力をご紹介します。

小さな港町で繰り広げられる恋模様を描いたハッピーミュージカル

『ロシュフォールの恋人たち』は、フランスの港町ロシュフォールが舞台の物語。ジャック・ドゥミ監督と音楽家のミシェル・ルグランによるミュージカル映画です。

デルフィーヌ(カトリーヌ・ド・ヌーヴ)とソランジュ(フランソワーズ・ドルレアック)の双子の姉妹は、パリでの成功と理想の恋人との出会いを夢見ています。デルフィーヌは偶然画廊で自分にそっくりの絵画を見つけ、その作者こそが理想の恋人だと想いを募らせます。ソランジュは、歳の離れた弟ブブを迎えに行った時に偶然出会った男性に惹かれてしまいます。

双子の母親のイボンヌは、以前婚約していた恋人と別れてしまいましたが忘れられず、ロシュフォールに戻ってきてカフェを営んでいます。そのカフェにやってくる水兵のマルクサンスは、理想の女性を追い求めています。彼の描いた理想の女性像の絵画は画廊に展示されています。デルフィーヌが見つけた絵画の作者はマルクサンスだったのです。

それぞれの想いが交錯する様子を、ジャズのメロディー、軽快で優雅なダンスシーン、ポップでカラフルな衣装と美術が彩ります。

衣装や街並みのポップでカラフルな色使い

とにかく色使いがお洒落なのが本作。主にワントーンで揃えられた衣装のコーディネートは、人々が集まるとカラフルで華やかになります。衣装も、フランスの60年代のワンピースや帽子、靴など、とても可愛く、ファッションだけでも楽しめます。特に、主役の双子を務めるカトリーヌ・ド・ヌーブとその実の姉のフランソワーズ・ドルレアックの2人が色違いで身につけている衣装はどれもとても可愛く、ときめきます!

そして、俳優たちの色とりどりの衣装と調和したパステルカラーの街並み。本作の撮影用に、実際の街の建物を白く塗り直し、ドアや雨戸は明るい色で塗り替えたんだそう。

作曲家ミシェル・ルグランによる、一度聞いたら頭から離れない楽曲

作曲家のミシェル・ルグランは、1950年代にジャズや映画音楽の分野で活躍しました。ジャック・ドゥミ監督とは本作の他に、『シャルブールの雨傘』も共に手掛けています。どの曲もドラマチックで耳に残る楽曲で、彼の手に掛かれば男女の喧嘩ソングもお洒落に。中でも、一番印象的なのが『双子姉妹の歌』。

ピンクと黄色の、色違いのワンピースと大きな帽子で、自分達双子のことを歌い踊る姿がとてもチャーミングで大好きです。気づいたら口ずさんでしまっていること、間違いなしでしょう。アメリカのミュージカル映画の華やかな楽曲とはまた違い、お洒落で明るく、フランス映画らしいジャズの楽曲だと思います。

ジーン・ケリー、ジョージ・チャキリスを筆頭に繰り広げられるダンスシーン

なんと本作には、ミュージカル映画『巴里のアメリカ人』や『雨に唄えば』で知られるジーン・ケリー、そして『ウエストサイドストーリー』(1961)でシャーク団のリーダー、ベルナルドを演じたジョージ・チャキリスの2人が出演してます。

二人が演じるのは、全国各地で公演をしているキャラバンの旅芸人。物語冒頭での華やかなダンスシーン。『ラ・ラ・ランド』の「Another Day Of Sun」を彷彿とさせます。2人が自分達自身のことを歌い踊る『町から町へ』は、『双子姉妹の歌』と、旅芸人二人組で歌うことや、自己紹介していく歌詞が対になっていてお洒落です。

ロシュフォールの恋人たち』は何度見ても楽しめる可愛らしいミュージカル映画です。ぜひ、『ラ・ラ・ランド』と共に観てみてください!Amazon prime videoで視聴可能です。

ミワ

特にファッションが好きで何度も見てしまいます。カラフルな世界観に元気をもらえます。