宝塚歌劇団には、組ごとに「トップスター」と呼ばれる男役がいます。トップスターは常に公演での主役を務め、組のメンバーを引っ張っていく、いわば組の“顔”です。ファンからの人気も高いため、宝塚歌劇団を背負う立場ともいえるでしょう。そんなトップスターは、どうやって決められているのでしょうか?歴代トップスターの顔ぶれにも注目しながら、トップスターの事情に迫ります。
宝塚歌劇団の「トップスター」とはどんな人?
宝塚歌劇団の各組において、男役の最上位にあたるのがトップスターです。娘役の場合は「トップ娘役」と称され、男役・娘役の「トップコンビ」が組の“顔”となります。
トップスターは、それぞれ組の持ち味を活かしながら自身の得意分野を磨き、さらに成長していきます。演技に定評のある方もいれば、圧倒的な歌唱力を誇る方もいて、そのトップスターにしかない個性が人気の秘訣です。トップスターには、就任から退団に至るまで「主役を務める」という大きな使命があるんですね。
また、公演が決まれば制作発表会に出席したり、メインビジュアルのポスターを撮影したりと、宣伝にも力を注ぎます。華やかに輝く宝塚歌劇団の舞台は、トップスターの存在なくして語れません。
現在の各組のトップスター・トップ娘役は、公式サイトに掲載されていますよ。気になるトップスターの公演に足を運んでみてはいかがでしょうか?
トップスターはどうやって決まる?
宝塚歌劇団のトップスターは劇団側が決定しますが、「これを満たせばトップになれる!」という明確なルールはないようです。とはいえ、過去のトップスターの経歴から、ある程度の傾向が見て取れます。
トップスターは芝居で主役を演じ、ショーではソロのダンスを披露するなど、マルチな才能を求められます。そのため、歌唱力に演技力、ダンス、容姿といった点で優れた魅力を持つ男役が、トップスターに選ばれやすいといえるでしょう。
また、男役として経験値を積んでいることも、トップスターを決める基準のひとつです。特に3つの舞台で主演を果たしていることが、トップスターに近づく条件となります。
・新人公演…本公演と同時期に、入団7年目までの新人のみで演じられる舞台
・宝塚バウホールでの公演…宝塚大劇場に隣接するバウホールにて行われる舞台
・東上公演…関西・関東の各劇場にて上演される舞台
新人時代に主役に抜擢され、小中規模の劇場でもメインを張れるようになれば、トップスター候補としての期待も高まるでしょう。
宝塚歌劇団の歴代トップスターといえば?
宝塚歌劇団の歴史は、トップスターの代替わりと共に紡がれてきました。歴代のトップスターたちは、退団後もドラマや映画、舞台で活躍しています。
著名な元トップスターといえば、天海祐希さんや真矢ミキさんが挙げられるでしょう。男役ならではの凛とした美しさはそのままに、様々な役を演じられていますよね。天海祐希さんなら、『女王の教室』のインパクトは忘れられません。真矢ミキさんの『踊る大捜査線』での女性キャリア役も印象的でした。
ちなみにトップ娘役なら、黒木瞳さんや檀れいさんが有名です。トップスターという存在は、宝塚歌劇団を去ってもなお、人々を魅了し続けています。
筆者は元花組トップスター、明日海りおさんに惹かれて、宝塚歌劇団の舞台を観るようになりました。同じような経験を持っている方も多いのでは?トップスターの吸引力、恐るべしです…!