英国ナショナルシアター厳選の傑作を各国映画館で鑑賞できるという、ナショナル・シアター・ライブ(NTLive)。今回は、ナショナルシアターライブについてと、2022年下半期公開作品について見ていきます。

日本にいながらにして、英国の傑作舞台を鑑賞できる「ナショナル・シアター・ライブ」

ナショナル・シアター・ライブ(NTLive)は、イギリスの劇場ナショナル・シアターが、世界で観られるべき傑作舞台を厳選し、こだわりのカメラワークで収録。各国の映画館で上映するという、画期的なプロジェクトです。2009年にイギリスで第1弾となる『フェードル』が上映され、今では40カ国を超える地域で展開されています。どれも作品への評価が高いことが特徴で、NTLiveファンは増え続けており、世界のNTLive観客の総計は55百万人を突破しました。

ナショナル・シアター・ライブ(NTLive)は、イギリスの劇場ナショナル・シアターが、世界で観られるべき傑作舞台を厳選し、こだわりのカメラワークで収録。各国の映画館で上映するという、画期的なプロジェクトです。2009年にイギリスで第1弾となる『フェードル』が上映され、今では40カ国を超える地域で展開されています。どれも作品への評価が高いことが特徴で、NTLiveファンは増え続けており、世界のNTLive観客の総計は55百万人を突破しました。

現在アマゾンプライムビデオで配信中のドラマ『フリーバッグ』の元となった、ヴィッキー・ジョーンズ演出『フリーバッグ』もNTLiveで上演されていたもの。皮肉屋で常識外れのシングル女性が主人公の、心に刺さるストーリーです。

ドラマは、2019 年のエミー賞(アメリカの優れたドラマや番組が受賞するもので、演劇界のトニー賞にあたる)で11 部門にノミネート。ドラマで知名度が上がった舞台版の映像上映は、日本のNTLive ファンからも期待の声がとても多かった作品です。舞台版は一人芝居で演じられていました。

日本にNTLiveが初上陸したのは、2014年の、ダニー・ボイル演出、ベネディクト・カンバーバッチ&ジョニー・L・ミラー主演の『フランケンシュタイン』。NTLivの魅力は、演劇をベストシートで観ている感覚で楽しめるように、カメラ位置が作品ごとに慎重に決められていること。緊張感あふれる劇場の空気をしっかりと捉えています。また、どの作品も現地で観劇する一般のお客様と一緒に公演中に収録されているため、生に近い雰囲気を劇場で感じることが出来ます。

2022年下半期注目作品『プライマ・フェイシィ』

(C) NTLive 2022 「プライマ・フェイシィ」

2022年下半期のNTLive上演作品は、『プライマ・フェイシティ』、『ヘンリー五世』、『ストレイト・ライン・クレイジー』、『レオポルトシュタット』の4作品。今回編集部が注目したのは、8月5日(金)に公開する『プライマ・フェイシティ』です。

本作で主演を務めるジョディ・カマーは、イギリスの人気ドラマ『キリング・イヴ』でエミー賞ドラマシリーズ部門主演女優賞と英国アカデミー賞テレビ部門主演女優賞を受賞。また、放送権が争奪戦になるほどの人気小説「Big Swiss」のドラマ化で主演が決定したり、ベネディクト・カンバーバッチの制作会社が参加する映画『The End We Start From』にも主演が決まっていたりと、注目度が上がっている俳優です。

『プライマ・フェイシティ』は、男優位の社会で作り上げられた法律の問題点に切り込む一人舞台です。主人公テッサは、若く優秀な法廷弁護士で、労働者階級から、ひたすら戦い続けてトップクラスの弁護士に。しかし予期せぬ出来事で、彼女は家父長的な法の力や、モラルの境界線などの、法律と社会が抱える矛盾に直面することになります。レイプ犯の弁護を専門とする弁護士テッサは、自らも性的暴行の被害者になってしまうのでした…。

(C) Helen Murray

『プライマ・フェイシティ』は、8月5日(金)から、TOHOシネマズ 日本橋(東京)、大阪ステーションシティシネマ(大阪)、中洲大洋劇場(福岡)で、 8月19日(金)からアップリンク京都(京都)、 8月26日(金)からシネ・リーブル神戸(兵庫)で上演されます。上映時間は約2時間10分を予定しています。詳しくはこちらから。

ミワ

NTLiveは上演期間が限られているので、上演期間を要チェックです。上演時間が長い作品が多いですが、観られる貴重な機会にぜひ劇場に足を運んでください!