「アメリカの歴代大統領の共通点とは、生徒会長を務めた経験があることなんです。」そんな台詞から始まるNetflix制作のドラマ『ザ・ポリティシャン』。幼い頃から大統領になることを心に決めてきた高校生のペイトン・ホバートは、生徒会長の座を巡り壮絶な政治ドラマを展開します。

「人気投票」の鍵を握るのは、政策かゴシップか

ペイトンは大富豪の御曹司であり、文武両道の超優等生。大統領選を見据える彼にとって、高校生活はすべて計算通りに進んでいました。

将来のファースト・レディに相応しい彼女に、頼れる友人で構成された選挙チーム。生徒会長の座は確約されたかのように思えましたが、人望溢れる対抗馬の出現、また副会長候補選びの難航により、徐々に歯車が狂い出します。シーズン1では生徒会選挙を、シーズン2ではニューヨーク州上院議員選挙を中心に据える本作。
血で血を洗うような熾烈な選挙活動を通じ、ペイトンは常に政治家の在り方を問われ続けます。選挙が「人気投票」と化した現代において、票を集めるために必要なのはゴシップでしょうか、それとも政策に向き合う真摯な姿勢でしょうか。

環境問題や銃規制問題、世代間・人種間での政治意識の差まで、リアルなアメリカの政治風景が垣間見えるドラマです。

強力タッグによる歌唱シーンも必見!

本作の制作指揮を務めたのは、ミュージカルドラマ『グリー』で知られるライアン・マーフィー。そして、主人公のペイトン役を演じるのはミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』で知られるベン・プラットです。
この二人のタッグとなると、歌唱シーンが入らないわけがありません。折に触れて物語に組み込まれるベン・プラットの類稀な歌唱力も筆者の一押しポイントです。ベン・プラットの公式YouTubeチャンネルで音源も公開されているので、ぜひチェックしてみてください。

Akane

現在シーズン2まで公開されている『ザ・ポリティシャン』。続編の有無は未発表ですが、11月に公開される映画版『ディア・エヴァン・ハンセン』を観つつ気長に待とうと思います。