8月31日(水)に開幕するミュージカル座の『BUNNY GIRL〜十人兎色〜』。高級バーを舞台に繰り広げられる「上品なお色気コメディ」とは一体…!?本作の注目ポイントを見ていきましょう。

自堕落な“ヒモ”生活から一転、自立した“バニーガール”へ

『BUNNY GIRL〜十人兎色〜』の企画をしているのは、ミュージカル座。ミュージカル座は、新しい国産ミュージカルの創造と普及を目的に、1995年に脚本・演出家ハマナカトオルさんが創立したミュージカル劇団です。ミュージカル座代表であるハマナカトオルさんの脚本・作詞・演出による『ひめゆり』など、本格的なオリジナル・ミュージカルを上演し続け、日本を代表する創作ミュージカル劇団のひとつとして活動をしています。

物語の舞台は、 夜の街・金座6丁目にある高級バー。出迎えるのはバニーガールたち。どんぶり勘定のウサ美ママが仕切る連日大繁盛のお店に、顔は良いが性根が腐っている主人公・松岡麗(まつおかうらら)が入店し、「一流の女」への道を歩んでいきます。しかし、ライバル店からの刺客や女同士のいざこざなど、アクシデントが後を絶ちません。お店で巻き起こる、男女の駆け引きと悲喜こもごも。ドタバタコメディは、思いもよらない展開に進んでいきます。

本作は、主人公の松岡麗が交際相手のヒモとして自堕落に暮らしていたところから、他者と触れ合い、己の無知を知ることで、ひとりの人間として研鑽を積み、自立していく過程を描いています。
麗だけでなく従業員であるバニーガールたちも夢や目的があり、それぞれ成就したり、儚く散ってしまったり。「お金を稼ぐとは何か、大切なものは何か」というテーマについても描かれています。

松岡麗は、沙月愛奈さんと麻央侑希さんのWキャストで演じられます。沙月さんは2021年11月に19年間在籍した宝塚歌劇団を退団。在団中は実力派上級生娘役として、雪組をまとめてきました。麻央侑希さんは、2019年に宝塚歌劇団を卒業。麻央さんは初配属されてから11年間星組で男役として活躍してきました。二人とも高いダンススキルを持っているので、ダンスシーンは特に楽しみですね。

笑いと色気が緻密に計算された「上品なお色気コメディ」

本作で振り付けを手掛けるのは、suzuyakaさん。都内や地方でのshowや舞台出演や、インストラクター、振付師として活動しています。出演作品に嵐 MV『未完』、『Turning up』や、屋良朝幸さんLIVE TOUR 『THE YOUNG LOVE DISCOTHEQUE 2019』、草彅剛さん主演『アルトゥロ・ウイの興隆』。振付したアーティストは、青山テルマさん、JYさん 、コブクロ 、EXILE、 9nine など。LIVE、MV、TVなどで振付を担当しています。suzuyakaさんのレッスンでの振り付けなどを見ると、ヒールでのセクシーな振りが魅力です。その魅力が存分に発揮される舞台になるのではないでしょうか。

脚本・作詞・演出を手掛けるのは、万葉さん。“女たるもの”をテーマにしたバーレスクショー『Mayolesque』の主宰を務める他、女性ならではのシニカルな感性を持ち味に、楽曲への歌詞提供や音楽劇の作・演出も行なっています。

そんな万葉さんが今回手掛けるのは「上質なお色気コメディ」。万葉さんは、人を惹きつける大きな要素として、笑わせてくれること、色気があることの2つを挙げています。舞台にそのふたつの要素を同時に盛り込むのはとてもバランスが難しいのですが、真っ向から挑戦するという本作。

女性作家の視点で、妙齢の女性たちのリアルを魅力的に生き生きと描くためには、「上質なお色気コメディ」を成立させなくてはいけません。バニーガールの美しく華やかな絵面に、男女の思惑と人間ドラマをユーモアたっぷりに描きます。お色気とコメディ、どちらの良さも持ち合わせた、緻密な計算とバランス感覚の新しい作品が誕生する予感です。

ミュージカル座『BUNNY GIRL〜十人兎色〜』は、8月31日(水)〜9月4日(日)六行会ホールにて上演予定。公式HPはこちら

ミワ

華やかな舞台になること間違いなしのこの舞台。個人的にはsuzuyakaさんの振り付けでのダンスナンバーが楽しみです。