『キングダム』舞台化が発表された8月21日。SNSでは「キングダム」がトレンド入り。チケット発売前にも関わらず、チケット戦争になりそう、とそんな声も聞こえてきます。原作漫画を踏まえ、アニメ化、映画化がいずれも大ヒット。万を辞しての舞台化ではどんなことが期待されているのでしょうか?(作品と注目キャストについてはこちら)
兵力と兵力のぶつかり合い 戦国時代をどう描く?
『キングダム』舞台化と聞いて、やはり一番気になるのは「あのスケールをどうやって舞台で表現するのか」。2019年に公開された実写版映画『キングダム』。今年の夏にも2作目が公開され、2作連続で話題作となりました。1作目は2019年の日本アカデミー賞でも同年最多の4部門を受賞。特に話題になり高く評価されたのは、『キングダム』原作の映像再現度の高さでした。
『キングダム』は中国の春秋戦国時代を生き、中華統一を目指し時代を駆け抜ける2人の少年の物語。それを再現するため、実際に中国でも20日にもわたり撮影を行い、王宮内部は巨大セットを組んで撮影。見どころは多々あれど、物語のクライマックスとなるのはやはり大掛かりで派手な戦闘シーン。今回舞台化される王都奪還編のクライマックスである、秦国の巨大な王宮内部での死闘は、一万人にも及ぶエキストラと、700人以上のスタッフを動員し、日本映画としては異例のスケールでした。
それを舞台で表現するのは、セットなのか、映像の活用なのか、それとも…?大掛かりな戦闘シーンを舞台に持ち込み、大成功を収めた作品は多くあるので、今回もどのように表現されるのか注目したいです。
一度しかないこの瞬間を生み出す舞台の魅力
一方で、舞台版の見せ場となる殺陣には期待が膨らみます。主人公、信役はクライマックスシーンでその剣術をもって無謀とも思える戦いに挑みます。信役を務める三浦宏規さんと高野洸さんはいずれも舞台『刀剣乱舞』へも出演されており、殺陣の経験者。お二人が主演を務めた「髭切膝丸 双騎出陣2019〜SOGA〜」でももちろん殺陣のシーンがあり、その迫力が話題になりました。
他にも、漂と贏政は瓜二つのキャラクターであることからもひとり二役で演じています。映画では漂と贏政が対面し会話するシーンや、信の視点から二人が重なって見えるシーンもあり、それをどう演出するのかもポイントですね。
舞台だからこそできることといえば、今目の前の戦場で、キャラクターたちが息づいて剣を振るっているのだという臨場感を観客に感じさせられることです。俳優たちの息遣いと生の熱量をもってして、一度しかない瞬間を作れるのは舞台しかない。春秋戦国時代を生きる彼らの、若さに満ちたエネルギーを描くには、舞台という形はうってつけなのかもしれません。
今回の舞台はバンドの生演奏もあるのだそう。今この瞬間にしか存在し得ない、舞台ならではの生のキングダムは一体どんなものになるのでしょうか。アニメ化、映画化に負けず劣らずの挑戦に乞うご期待!