大ヒット映画『天使にラブソングを…』の第1作目を原作とした、ミュージカル『天使にラブソングを〜シスターアクト〜』(以下シスアク)。2014年の日本初演以来、瀬奈じゅんさん、石川禅さん、屋比久知奈さんらさまざまなミュージカル俳優たちが出演してきました。2022年11月から12月にかけて上演される2022年版では、吉野圭吾さん、真彩希帆さんら新キャストが参加。新たな魅力が期待される作品についてご紹介します。
ギャングに追われたクラブシンガーをかくまったのは…お堅い修道院!
クラブシンガーのデロリス・ヴァン・カルティエ(以下デロリス)は、恋人でギャングのボスであるカーティスが、裏切り者を始末している場面に遭遇してしまいます。必死の思いで警察署に飛び込んだデロリスは、警部になった学生時代の友人、エディと再会します。
エディの勧めで身を隠すこととなったデロリスが連れられた先は「修道院」。素性を隠すため、そこでは「シスター・メアリー・クラレンス」を名乗ることになるのですが、修道院長は、さらに修道女同様の生活をすることを命じます。それまで自由に生きてきたデロリスは、厳格なルールにうんざりした毎日をすごすことに。
そんな中、「聖歌隊」の練習に参加したデロリスは、耳を塞ぎたくなるようなひどい有様を目にします。修道院長の勧めもあって、デロリスは彼女らの歌い方を1から指導。すると聖歌隊はみるみるうちに上達していき、ある日のミサで大胆なアレンジを加えた聖歌を披露し大好評を博します。
次第にデロリスと修道女たちとの絆が生まれていくのですが、評判を聞きつけたカーティスが聖歌隊の中にデロリスを発見。じわじわと修道院に魔の手が迫ってきます。
原作映画はウーピー・ゴールドバーグの代表作
原作となった『天使にラブソングを…』は1992年に上演された映画作品。アメリカでは6ヶ月ものロングラン上演がされた作品で、主演のウーピー・ゴールドバーグの代表作にもなりました。翌1993年には、ある学校の不良少年・少女たちがデロリスや修道女たちとの出会いをきっかけに、それぞれの希望や夢を見つけていく続編『天使にラブソングを…2』も制作されています。
2009年の『シスアク』ロンドン初演、2011年のブロードウェイ公演ではウーピー・ゴールドバーグがプロデューサーを務め、話題になりました。『シスアク』の楽曲は映画とは異なる完全書き下ろしですが、作曲を担当したのは『アラジン』『美女と野獣』などディズニーの名曲の数々を手がけているアラン・メンケン。聞いているだけで心が躍りだすような珠玉のミュージカルナンバーが満載です。
主役を務めるのはもちろんあの2人
主役のデロリスはWキャスト。演じるのは、2014年の日本初演から圧倒的なパワフルボイスを劇場に轟かせている森公美子さん、2019年から出演している朝夏まなとさん。警部としてデロリスの救世主となり、ひそかに彼女に思いを寄せているエディは石井一孝さんが続投します。
ギャングのボス、カーティスは大澄賢也さんが続投、Wキャストとして吉野圭吾さんが今作から参加します。『シンデレラストーリー』の王様や『マリーゴールド』のヘンルーダなど硬軟さまざまな役柄を演じる印象のある吉野さんがカーティスをどのように演じるのか注目です。
修道女たちの中で、もっともデロリスに信頼を置くことになるシスター・メアリー・ロバートも新キャスト。元宝塚歌劇団雪組トップ娘役の真彩希帆さんが演じます。2021年に退団後は、『ドン・ジュアン』『笑う男 The Eternal Love-永遠の愛-』に出演。高い歌唱力が評価されている真彩さんが、デロリスの力によってたぐいまれな歌唱力を開花させるシスター・メアリー・ロバートをどのように演じるのか非常に楽しみです。
ほかにも2022年版キャストとして、厳粛な修道院においても元気はつらつとしているシスター・メアリー・パトリックを谷口ゆうなさん、カーティスの手下のパブロを木内健人さん、修道院周辺の教区を取りまとめているオハラ神父を太川陽介さんが演じます。
ミュージカル『天使にラブソングを〜シスターアクト〜』は、11月13日〜12月4日まで東急シアターオーブにて上演予定。その後、大阪、広島、愛知、福岡、長野の全国5ヵ所でツアー公演が決定しています。チケットの詳細はこちら。
見るだけで元気になるといっても過言ではない作品『天使にラブソングを~シスターアクト~』。何となく気分がふさぎ込みがちになる季節、気ぜわしい季節に気分を変えてスカッと楽しめるエンターテインメント作品としておすすめの1作です。