2019年に初演を迎えた、ふぉ〜ゆ〜(福田悠太さん・辰巳雄大さん・越岡裕貴さん・松崎祐介さん)主演舞台『SHOW BOY』。ウォーリー木下さんが原案・演出を手がけた本作は、豪華客船を舞台に歌やダンス、マジックなどふぉ〜ゆ〜ならではのエンターテイメント性の高さが話題に。2021年に再演され、2023年7月に3演目上演が決まりました。本作のゲネプロ&取材会の様子をお届けします。

夢を諦めたくなる日常に寄り添う、温かい物語

東京湾に浮かぶ大型カジノ豪華客船を舞台にした『SHOW BOY』。煌びやかなオープニングで一気に夢の世界へと連れて行ってくれます。

撮影:山本春花

福田悠太さん演じるキャバレーの裏方と、高田翔さん演じる主演ダンサーは、中川翔子さん演じる支配人の指示のもと、急遽ショーに出られなくなったディーバの代わりを探すべく豪華客船の中を奔走。

撮影:山本春花

越岡裕貴さん演じる全財産を失ったギャンブラーは、多額のチップを抱えた少女(大廣アンナさん、森田みなもさんのWキャスト)に遭遇。船倉では松崎祐介さん演じる中国人マフィアが取引中。辰巳雄大さん演じるマジシャン見習いは、いつも失敗ばかりでついにクビに。

撮影:山本春花

4人のキャラクターたちは豪華客船を駆け回るうち、だんだんと物語が重なり合っていきます。4人の魅力であるダンスや歌はもちろんのこと、タップにピアノ、中国語、マジックなどあらゆるエンターテイメントが詰まった本作。ウォーリー木下さんらしい映像演出や音の演出も楽しい見どころです。

撮影:山本春花

華やかで楽しい雰囲気の中でも、キャラクターたちにはみな上手くいかない現実に悪戦苦闘中。「チャンスってどうやって手に入れるの?」「完璧な人はいない。深呼吸して、手を叩いてリセット」「やるしかないね」など、日常の私たちの悩みに寄り添ってくれるセリフ・歌詞の詰まった温かい作品です。

撮影:山本春花

“深化”した『SHOW BOY』に注目!

ゲネプロの直後に開催された取材会では、ふぉ〜ゆ〜が本作の楽曲を歌いながら登場するサービスっぷり!「撮ってほしいポーズがあれば何なりと言ってくださいね」「次こちらのカメラ見ますね」とメンバーご自身から取材陣に声をかけてくれ、和やかに取材会が進んでいきます。

撮影:山本春花

『SHOW BOY』はふぉ〜ゆ〜に向けてウォーリー木下さんが書き下ろした作品ということで、2023年版は今のふぉ〜ゆ〜に合わせて様々な部分が書き換えられました。

辰巳さんは「仕事内容や関係性も変わり、年齢も重ねた今、“夢をあきらめない”という新たなメッセージ性を込めてウォーリー木下さんが色々なセリフやシーン、歌の新しいパートを追加してくれました。新たに、今の僕らの『SHOW BOY』に生まれ変わったなと思っています」とコメント。また、ウォーリー木下さんからのリクエストがあり、「覗き見している気分になるようなリアルなお芝居」にこだわりがあるのだと言います。

撮影:山本春花

福田さんは「5年前の僕たちと比べると、自分で言うのもあれなんですけど…事実なので言わせていただくと、あの頃よりちょっと売れてるんで…」とユーモアを交えつつも、「5年間で僕らが経験してきた演劇体験や、ショービジネスへの想い、役者・タレントとしての成長によって、『SHOW BOY』が“深化”したと思います。それによって物語にお客様がより入り込める作品になっている」と語りました。

2019年初演では事務所の先輩である堂本光一さんが観劇し、「面白いぞ。これはふぉ〜ゆ〜、ずっとやっていくべきだ」という言葉をかけられたそう。越岡さんが「光一くんには今年も連絡して観に来てもらいたい」と発言すると、福田さんは「井ノ原くんは絶対に来るって言ってました!書いておいてください!」と井ノ原快彦さんの観劇を楽しみにしている様子。

キャバレーの支配人役を務める中川翔子さんは「私、大好きですこの作品。音楽に歌にダンスに、そして人生にと、あらゆるものが交差して。人生って嬉しいことだけじゃなくて悲しいこともある、そういう全てが詰まっていて、この作品なファンな上に、支配人として運動神経の悪い私がふぉ〜ゆ〜に囲まれてセンターで踊るなんて。まさに本編にたくさん出てくる“やるしかないね”という言葉にたくさん励まされて日々演じさせていただいています。たんこぶ作りながらバタバタ走り回っているけど、全ての瞬間が愛おしくて、この夏は全て『SHOW BOY』にかけると決めています」と熱い想いを語りました。

撮影:山本春花

ふぉ〜ゆ〜4名が個性的なキャラクターを演じるのも本作の魅力の1つ。松崎さんは中国人マフィア役ということで、全編中国語のセリフ。稽古場でも中国語の先生と会話しているため、メンバーが日本語で呼びかけても気づかないこともあるのだとか。辰巳さんは失敗ばかりのマジシャン見習いを演じるため、「種をバラさずに失敗する」というのが難しく、プロのマジシャンと悩みながら作り上げているそうです。

福田さんは元ダンサーでキャバレーで働く裏方役。劇中で何度もタップダンスを披露しています。「元々やってたんですけど『SHOW BOY』をきっかけに本格的にタップダンスを始めて、やっていくうちにタップの先生が“ジャニーズで1番タップダンスが上手い”って言ってくれたんですよ。僕は言ってないですよ?!ジャニーズでタップを踊る方は坂本くんとか東山さんとかいますけど僕が1番上手いって…(辰巳さん「大丈夫?!笑」)。他の現場でもタップ踏んでるとメンバーにウザがられたりしてるんですけど、ライフワークになりつつあるので、そこは注目して欲しいところです」。

越岡さんは本作で初めて挑戦したピアノを弾くシーンが見どころの1つ。少女との連弾もあり、美しい音色が魅力となっています。

中川さんは「初演と前回はビシバシ行く支配人だったのが、今回はリアルな私に近くて、不器用でどんくさいことを気にしている役になっています。でも歌やダンスではビシッと決めているし、アドリブも毎回変えていて、お客さんの雰囲気を見て辰巳くんに相談しながらやっています。辰巳くんには今度お歳暮送ろうと思います」と語り、辰巳さんから時事ネタを聞いたり、TikTokやSNSで情報収集をしたりしながら挑んでいるというアドリブシーンにも注目です。

最後に、ふぉ〜ゆ〜と中川さんから本作への想いが語られました。
中川さん「この夏1番熱い舞台が始まろうとしています。皆さんに後悔はさせません。時間というものは寿命を使うんですけど、こんなに良い寿命の使い方はないぞ!というくらいマジで面白いです。今1番キテいるふぉ〜ゆ〜が本当にキレキレで凄いんです。私も命をかけて挑まさせていただきます!」

越岡さん「ふぉ〜ゆ〜の取扱説明書といっても過言ではない『SHOW BOY』。世界で一番熱い場所になっていると思います。ぜひ皆さん劇場で楽しんでください。待ってます!」

福田さん「東京公演は21日まで、その後大阪・名古屋とあります。とても感動できる作品となっています。ぜひ一緒に感動しましょう」

辰巳さん「オフ・ブロードウェイでは観客が自由に歩き回って物語に入り込める『スリープ・ノー・モア』という作品があるのですが、『SHOW BOY』でもいつか本当の豪華客船で、自由にお客さんが役者に付いて行って、1人1人の登場人物の人生を見届けられるようにしたいという目標があります。マツ(松崎さん)はこの作品を一生やり続けたいと言っていますし、“SHOW ジジイ”まで頑張りたいと思います」

松崎さん「2023年『SHOW BOY』を一言で言わせていただきます。ショボいとは言わせねーぞ!シアタークリエに来てクリエ!」

撮影:山本春花

『SHOW BOY』は7月1日から21日までシアタークリエにて上演中。公演スケジュールの詳細は公式HPをご確認ください。

Yurika

中川さんはふぉ〜ゆ〜について「裏で一緒に歌ったりとか、イチャイチャしてるんですよ!」と仲の良さを実感されているそう。「1番会いに行けるアイドル、1番推せるアイドルがふぉ〜ゆ〜だと思いますので、皆さんこの夏絶対にこの伝説をお見逃しなく!」とアピール。取材会でも「みんな、ここ楽屋じゃないのよ!」と辰巳さんに突っ込まれながら、すぐにワイワイと話が盛り上がる和やかな4人の姿が印象的でした。