2020年の全公演中止の雪辱を果たした『ミス・サイゴン』『ジャージー・ボーイズ』、宝塚とLDHがコラボした『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』などの挑戦的な作品も見られた2022年。新年明けて2023年にもたくさんの注目作品が目白押しです。今回は人気漫画の初の舞台化作品や、世界各国で愛される小説のミュージカル作品などをご紹介します。
ミュージカル『アルジャーノンに花束を』 同作で演劇賞を受賞した浦井健治9年ぶりの出演
ダニエル・キイスの大ヒット小説『アルジャーノンに花束を』。同作は世界各国で映画化されており、日本でもドラマ化、舞台化されています。
主人公のチャーリィは、成人しているが知能が6歳並みにしかない知的障害者。チャーリィはある日、通っている学習クラスの担任・アリスに勧められ、「頭がよくなるための手術」を受けることになります。手術は無事成功し、みるみる「かしこく」なるチャーリィ。しかし、そこには思わぬ弊害が待ち受けていたのです…。
主演は、ミュージカル版初演の2006年、2014年版以来9年ぶりにチャーリィを演じる浦井健治さん。浦井さんは同作で菊田一夫演劇賞(2006年)、読売演劇大賞最優秀男優賞(2014年)を受賞。代表作の1つとなっています。
ミュージカル『SPY×FAMILY』 人気スパイ漫画が初の舞台化
『SPY×FAMILY』は、2019年3月から『少年ジャンプ+』で連載中のスパイを題材にしたホームコメディ。同作に登場する幼い少女、アーニャの独特な言い回しが「アーニャ語」として流行し、社会現象になっています。
すご腕スパイの黄昏(たそがれ)は、任務遂行のためにあらゆる場所から集めた「家族」を作成。「夫」のロイド・フォージャーに扮します。しかし「妻」のヨル・ブライヤは殺し屋、「娘」のアーニャは超能力者とそれぞれが「夫」「父」にも言えない秘密を抱えていました。3人は互いに素性を伏せながらも、次第に打ち解けあい、苦難を共にしていくことになります。
ロイドを演じるのは、森崎ウィンさん、鈴木拡樹さん。ヨルを演じるのは、唯月ふうかさん、佐々木美玲さん(日向坂46)です。
そして最も注目度が高いアーニャ役は、増田梨沙さん、池村碧彩さん、井澤美遥さん、福地美晴さんのクワトロキャストで組まれています。(関連記事:ミュージカル『SPY×FAMILY』、育成型ロングオーディションを経て選ばれたアーニャ役がついに発表!)
ミュージカル『チェーザレ 破壊の指導者』 2020年の上演中止を経て2023年満を持して上演
2005年から『モーニング』で不定期に連載されている『チェーザレ 破壊の指導者』。実在の政治家、チェーザレ・ボルジアを中心に描かれた歴史漫画です。2020年4月に初の舞台化が予定されていましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になっています。
16歳のチェーザレ・ボルジアは、自身が率いるスペイン出身団と、メディチ家のジョヴァンニが率いるフィオレンティーナ出身団とで学内勢力を日々競い合っていました。
一方、ヴァチカンでは現教皇の崩御がせまり、次期教皇の座を狙った派閥争いが勃発。チェーザレは学業のかたわら、枢機卿である父ロドリーゴを教皇の座につかせるため、熾烈な頭脳戦に身を投じていくことになります。
主演をつとめるのは中川晃教さん。赤澤遼太郎さん、山崎大輝さんらの若手勢、そして別所哲也さん、岡幸二郎さんらベテランミュージカル俳優勢が脇をかためます。
ミュージカル『MEAN GIRLS』 アフリカ育ちの女の子が「壮絶な女子のバトル」に巻き込まれる!?
『MEAN GIRLS』は2004年にアメリカでコメディ映画として製作され、2018年にはブロードウェイでミュージカル化された作品。同年にはトニー賞で多部門にノミネートされています。
アフリカ育ちのケイティは、16歳の時、アメリカへ引っ越すことに。
初めての学校生活を迎えたケイティは、ジャニスとダミアンというクラスメイトと仲良くなり、「プラスティックス」という学内アイドルグループには特に気を付けるようにと教わります。
その後、ひょんなことからケイティは「プラスティックス」のトップ、レジーナに仲間に誘われ、壮絶な女子たちのバトルに巻き込まれていきます。
主演のケイティを演じるのは、生田絵梨花さん。一癖も二癖もある女子たちは田村芽実さん、石田ニコルさんらが演じます。
他にも、人気クラシック漫画『のだめカンタービレ』の舞台化が秋に予定されていたり、『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』の日本初上演が予定されていたりするなど、2023年も楽しみな作品が盛りだくさん。お正月にこれからの観劇予定を立ててみてもいいかもしれませんね!