ミュージカルファンの読者の方が多いAudience。小劇場演劇を観たことがない方や、たくさん上演しているものがあり、どれを観たらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。今回は、Audience編集部が独断と偏見で6月に上演している作品の中からおすすめ作品を3本セレクトしてみました!

孤独を踏ん張る女性の物語。ゴツプロ!×福田ユミプロデュースPresents『朝、私は寝るよ』

東京マハロ所属で自身のプロデュース公演を多数手掛ける福田ユミさんと、ゴツプロ!所属で東京マハロの公演に何度も出演経験のある泉知束さんがタッグを組み、男女の複雑な関係をリアルに描いた二人芝居『朝、私は寝るよ』。

福田さんは、ドラマ『逃げるが恥だが役に立つ』『凪のお暇』『救命病棟24時』『相棒』『王様に捧ぐ薬指』など話題作に多数出演しています。

脚本を手掛けるのは、或る、かぎり』、“グッドディスタンス“シリーズで知られ、2021年に上演した『グッドディスタンス─風吹く街の短篇集 第五章─』が好評を博した深井邦彦さん。日常を鋭くも温かい眼差しを持って描くことに定評があります。

『朝、私は寝るよ』は、平和に男女の関係性を保つには「男が待つ」方が圧倒的に良いとわかっていながら、「男を待つ」を選択してしまい孤独を踏ん張る女性の話となっています。

ゴツプロ!×福田ユミプロデュースPresents『朝、私は寝るよ』は6月30日(金)〜7月6日(木)に下北沢OFF・OFFシアターにて上演です。公式HPはこちら

シベリア少女鉄道の新作は狂気と混沌の会話劇!? vol.36『当然の結末』

NETFLIX 『トークサバイバー!』やSnow Man主演『映画おそ松さん』など数々の話題作の脚本を手掛ける土屋亮一さんが作・演出を務めるシベリア少女鉄道。トリッキーで緻密な劇構造と、クスッと笑える作風が各方面で話題を呼び、人気の劇団です。

最新作となる『当然の結末』は、出演者に、芸人から初の参加となるラブレターズの塚本直毅さんと佐久間宣行さんがプロデュースを手掛けるアイドル ラフ×ラフの齋藤有紗さんを迎えます。

土屋亮一さんは「笑いを主にやってる劇団として、初めて芸人さんをお迎えするのはとても緊張しますし、若いアイドルの女の子がいると、ちょっと格好付けてまともな演出家ぶろうとしてフォームを崩しがちなのも心配です。お笑いにも演劇にも居場所のない悲しいモンスターであることをきちんと自覚して、自分のやれることだけを精一杯やれという声が頭の中で響いています。そうします」とコメントしています。

シベリア少女鉄道vol.36『当然の結末』は、6月17日(土)〜6月25日(日)に六本木俳優座劇場にて上演です。公式HPはこちら

特撮の制作現場を描く。劇団チョコレートケーキ『ブラウン管より愛をこめて -宇宙人と異邦人-』

昨年上演した『生き残った子孫たちへ 戦争六篇』の公演で第30回読売演劇大賞の最優秀作品賞を受賞した劇団チョコレートケーキ。2010年に上演した『起て、飢えたる者よ』は、あさま山荘事件の内側を独自の物語で切り込んだ作品で、それ以降、大逆事件やナチスなど社会的な事象をモチーフにした作品を発表しています。


緻密な調査に基づき描かれる古川健さんの戯曲と、舞台『M.バタフライ』やミュージカル『蜘蛛女のキス』などの演出を手がけており、日澤雄介さんの演出で、生々しいドラマを展開します。

『ブラウン管より愛をこめて -宇宙人と異邦人-』の舞台は1990年、バブル景気に沸く日本。特撮ヒーローものを制作する会社の企画室では、20代、30代の若手クリエイターを中心に番組の脚本会議が行われています。

自分たちの仕事が過去の名作の焼き直しに過ぎないということに諦めを感じながら、本来は大人向けの番組を作りたいという屈折した思いを持っているのでした。そんな中、一人の脚本家があるシリーズで放送された異色エピソードを話題にして…。

東京公演の一部公演の終演後には“アフターアクト”として、物語の登場人物にスポットを当てた劇団員によるセルフプロデュースの一人芝居が、1作品5分から10分で行われる予定です。

劇団チョコレートケーキ『ブラウン管より愛をこめて -宇宙人と異邦人-』は、6月29日(木)~7月16日(日)に東京・シアタートラムにて、その後、7月29日(土)・30日(日)に愛知・メニコン シアターAoi、8月5日(土)に長野・まつもと市民芸術館・小ホールにて上演です。公式HPはこちら

ミワ

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