4月1日からシアタートラムにて開幕する『ブレイキング・ザ・コード』。第二次世界大戦中にコンピューターを発明し、ナチスの暗号「エニグマ」を解読したイギリスの数学者アラン・チューリングを描いた作品です。イギリスの英雄でありながら、同性愛が犯罪だった時代に同性愛者だった彼の孤独と苦悩に迫ります。

イギリスの英雄が抱えた2つの秘密

エニグマと呼ばれる複雑難解なドイツの暗号を打ち破り、情報戦でもあった第二次世界大戦に大きく貢献したイギリスの数学者アラン・チューリング。手動では計算が到底不可能な大量の組み合わせを暗号解読デバイスによって読み解き、当時のイギリス首相チャーチルは「人類の闘争の中で、これほど多くの人がこれほど少数の人によって救われたことはない」と語ったと言います。しかし彼の功績は、軍事機密として長らく公開されませんでした。

さらにもう1つ、彼には秘密が。同性愛が法律で禁じられていた当時、彼は同性愛者だったのです。ある日空き巣被害に遭った彼は通報しますが、犯人を手引きしたのは彼のボーイフレンド。そのため、チューリングは同性愛者であることが発覚、逮捕されることとなってしまいます。イギリスの英雄であった彼は、孤独と秘密を抱えながら、41歳の若さで悲運な死を遂げます。

チューリングの孤独と苦悩を描いた『ブレイキング・ザ・コード』は1986年にイギリスで初演、翌年にブロードウェイに進出。トニー賞3部門にノミネートされるなど高く評価されました。日本では1988年に劇団四季創立35周年記念として上演され、日本での上演は33年ぶりとなります。

第五十四回紀伊國屋演劇賞・個人賞受賞の亀田佳明が、チューリングに挑む

チューリングを演じるのは、『ガラスの動物園』『タージマハルの衛兵』で2019年度 第五十四回紀伊國屋演劇賞・個人賞を受賞した亀田佳明さん。『ヘンリー五世』や『リチャード二世』(新国立劇場)、『ライカムで待っとく』(KAAT)などに出演してきた実力派俳優が、孤独で数奇な人生に挑みます。

チューリングと関係を持つロン・ミラー役を務めるのは、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』『ダブル・トラブル』等に出演し、繊細な演技が光る水田航生さん。チューリングの同僚パット役には、舞台やドラマ・バラエティなど多方面で活躍する岡本玲さん。チューリングを暗号解読に引き抜いたノックス役を務めるのは、2018年まで劇団四季に在籍し振付や演出も手がけてきた加藤敬二さん。

チューリングの初恋相手、クリストファー役には田中亨さん。上層階級の官僚ジョン・スミス役を中村まことさん。チューリングの母、サラ・チューリングには保坂知寿さん。強盗事件の捜査に訪れる刑事ミック・ロス役は堀部圭亮さんが務めます。

『ブレイキング・ザ・コード』は4月1日からシアタートラムにて開幕、チケット一般前売は2月11日(土)から。チケットの詳細は公式HPをご確認ください。

Yurika

「コンピューターを発明した男が破った ナチスの暗号と禁じられた愛」というコピーに心奪われ、作品について調べていくと時代を救った天才の孤独が見えてきました。亀田さんがどのようにチューリングを演じるのか楽しみです。