伊藤英明さんが13年ぶりに舞台出演!挑むのは、『セールスマンの死』『るつぼ』などで知られるアメリカの劇作家アーサー・ミラーの社会派作品『橋からの眺め』。9月2日(土)〜24日(日)東京芸術劇場 プレイハウスにて、そのほか北九州・広島・京都での上演が決定しました。
違法移民を題材にした社会派作品。ジョー・ヒル=ギビンズが日本で初演出
パルコ・プロデュース×アーサー・ミラーと言えば、段田安則さん主演で上演された『セールスマンの死』(2022年)では大きな反響を呼びました。2023年にパルコ・プロデュースが手掛けるのは、アーサー・ミラーの社会派ドラマ『橋からの眺め』。違法移民の従兄弟家族を受け入れたことをきっかけに、一家に巻き起こる悲劇を描いた作品です。
舞台は、1950年代のニューヨーク・ブルックリン。イタリア系アメリカ人の港湾労働者エディは、妻のビアトリス、17歳になる最愛の姪キャサリンとの3人で暮らしています。キャサリンは両親を幼い頃に亡くし、孤児となったところをエディが引き取り育ててきました。
ある日、妻・ビアトリスの従兄弟マルコとロドルフォがシチリアから出稼ぎ目的で密入国。自身も移民であるエディは彼らを歓迎しましたが、キャサリンがロドルフォに惹かれていったことで一家の歯車は狂い始め…。愛する姪を奪われたエディがとった最後の手段とは?
『橋からの眺め』はピュリツァー賞をはじめ、数々の賞を受賞した名作。近年、ウエストエンドでリバイバル作品として上演されたマーク・ストロングさん主演/イヴォ・ヴァン・ホーヴェさん演出のバージョンでは、ローレンス・オリヴィエ賞、トニー賞の各賞を総なめにしました。
そして今回パルコ・プロデュースで演出を手掛けるのは、英国内外で活躍するジョー・ヒル=ギビンズさん。シェイクスピアなどの古典からオペラ作品まで手がけ、2019年には演出した『リチャード二世』がナショナル・シアター・ライブでも上映されました。
日本での演出は本作が初。演劇・オペラ舞台美術家兼衣裳デザイナーのアレックス・ラウドさんと、ムーブメント・ディレクターのジェニー・オギルビーさんとチームを組み、「現代的な演出を用いて、今日の観客に語りかける作品にしたい」と意気込みを語っています。
伊藤英明が一家を抑圧する家長・エディに
本作の主演を務めるのは、13年ぶりの舞台出演となる伊藤英明さん。「意識していたわけではなかった」と語りつつも、「舞台に出演した際はセリフをちゃんと言う事しか考えられず、家に帰ると反省の毎日で……そういったことを避けていたかもしれません。舞台はやってみたいけど、追及もしてみたいけど、自分には何もできないからと思って」と舞台への葛藤があったのだそう。
しかし本作の出演オファーについては「作品も演出家も、こんなに自分にとって素晴らしいチャンスはない、ここで俳優として何かを捉えたい、どこまでいけるかわからないけどいい挑戦ができたらなと思っています」と、熱い思いをコメント。
『海猿』や『悪の教典』で圧巻の存在感を放ってきた伊藤さんが、舞台上でどんなエネルギーを放出されるのか、楽しみでなりません。
『橋からの眺め』は9月2日(土)から24日(日)まで東京芸術劇場 プレイハウスにて、そのほか北九州・広島・京都にて上演。詳細は後日発表となります。公式HPはこちら。
ナショナル・シアターやロイヤルコート・シアターで演出を手がけてきたジョー・ヒル=ギビンズさんが日本に!アーサー・ミラー作品の演出も初めてということで、世界が注目する作品となりそうです。