5月15日(月)より、新作ミュージカル『ファインディング・ネバーランド』が上演されます。ジョニー・デップ主演の映画『ネバーランド』に着想を得て作られた本作は、過去にブロードウェイ版の来日公演がありましたが、日本版の上演は今回が初めて。主人公のジェームス・バリ役を山崎育三郎さん、美しき未亡人シルヴィア・デイヴィス役を濱田めぐみさんが演じ、ミュージカル界で目覚ましい活躍を見せる小山ゆうなさんが新演出を手掛ける注目作です。(映画『ネバーランド』については、こちらでも紹介しています)
『ピーターパン』を生んだ劇作家の優しくて切ない物語
劇作家のジェームズ・バリは、新しい戯曲が書けずスランプに陥っていました。そんなある日、公園で4人の子供を連れた未亡人のシルヴィアと出会います。ジョージ、ジャック、ピーター、マイケルの4人の子供たちとすっかり打ち解けたバリは、彼らと遊ぶうちに子供の持つ純粋さと素直さからインスピレーションを得ます。
ところが3男のピーターは、父を失ってから早く大人になるために子供らしい心を閉ざしていました。バリは彼に、子供の心を失うことで大人になれるわけではないと語ります。
そして誕生したのが、世界中の子供たち、そしてかつて子供だった大人たちを夢中にさせた『ピーターパン』です。名作の誕生を、バリとシルヴィア、子供たちの優しくて切ない交流から描きます。
演劇と遊びは「PLAY」から生まれる
バリが活躍していた19世紀後半のイギリスでは、演劇は上流階級の人々が楽しむ大人のエンターテイメントでした。しかしシルヴィアとその子供たちとの交流を通じて、バリは演劇と遊びは同じ「PLAY」という言葉から生まれることに気づきます。
バリのこの気づきは、お芝居の世界を自由に遊ぶ演劇の楽しさは子供も大人も一緒に味わえるのだと改めて実感させられるのではないでしょうか。
彼は劇場で子供たちが楽しめる演劇『ピーターパン』を上演しようと試みます。劇場主のフローマンと劇団員たちは、最初は大反対したものの、次第にバリが作り出す物語の世界に引き込まれ、『ピーターパン』の公演準備は着々と進んでいきました。
しかし開幕を控えた矢先、シルヴィアが病に倒れてしまいます。果たして、『ピーターパン』の幕は無事に開くのでしょうか…?
舞台初共演の山崎育三郎&濱田めぐみ、小山ゆうなの演出に期待が膨らむ
実力派コンビである山崎育三郎さんと濱田めぐみさんは、意外にも今作がミュージカル初共演となります。山崎さんは『エリザベート』のトート、濱田さんは『メリー・ポピンズ』のメリーというように、これまで印象的かつ世界的に有名なキャラクターを演じてきたお二人。日本初のバリ役、シルヴィア役として、国内の観客からも愛されるであろう新たな役に挑みます。
小山ゆうなさんといえば、劇団四季の『ロボット・イン・ザ・ガーデン』や『COLORS』などの演出でミュージカルファンからも注目を浴びている演出家です。今作の根幹となる美しく温かい言葉と音楽を小山さんが舞台上でどのように紡いでいくのか、期待が膨らみます。
ミュージカル『ファインディング・ネバーランド』は、5月15日(月)から東京・新国立劇場 中劇場にて開幕。6月5日(月)までの東京公演を終えた後は、7月1日(土)の大千秋楽まで大阪、福岡、富山、愛知を巡演します。公演スケジュールとチケットの詳細は公式HPをご確認ください。
イギリスのクラシックな衣装に身を包んだ俳優陣が写るポスターには、『ピーターパン』には必要不可欠な妖精ティンカー・ベルも居て童心に帰るようなワクワクを感じます!今年は7月から青山メインランドファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』も上演されるので、一足お先に今作を観てネバーランドの魔法に浸りたいものです。