児童文学作品でありながら、学生のみならず大人にもファンの多い森絵都さんのベストセラー小説『カラフル』。1998年の初版から25年近く愛されてきた今作が、2023年7月22日から新作ミュージカルとして世田谷パブリックシアターにて上演されます。子役時代から目まぐるしく活躍する鈴木福さんを「ぼく」役に迎えた注目作品。今回はミュージカル『カラフル』の魅力について紹介します。

人生の再挑戦をすることになった主人公。実写・アニメ化された世代を超えて愛される名作

原作となる小説『カラフル』は、1998年に出版され翌年の1999年に第46回産経児童出版文化賞を受賞した作品。輪廻転生がテーマになった深いストーリーですが、コミカルさやファンタジー感があり気負わずに読めるのが魅力です。

主人公のぼくは、生前に大きな過ちを犯し天上界でガイド役の天使・プラプラに出会います。抽選に当たり、乗り気でないまま人生に再挑戦するチャンスを与えられることになったぼく。下界でのホームステイ先の体は、自殺を図った小林真という中学生でした。過去に自分が犯した過ちを思い出せたら、ホームステイは終了。最初は全くやる気のなかったぼくも、小林真として家族や友人と向き合ううちに世界がカラフルだったことに気付きます。

今作は2000年と2022年に実写映画化、2010年にはアニメ映画化されました。人気は日本に留まらず、タイでも2018年に実写映画化されています。一番記憶に新しい2022年の実写映画は、Amazonプライムビデオにて独占配信された『HOMESTAY(ホームステイ)』。主人公を演じたなにわ男子の長尾謙杜さんの演技が自然でありながら心に響き、人生や生き方について考えさせられます。観劇前に映像でストーリーを把握したい方におすすめです。

鈴木福×川平慈英が約7年ぶりの共演!小林香が手がける新作ミュージカル

『カラフル』がミュージカル化されると知り、作品ファンの方々がまず気になったのはキャストではないでしょうか。主人公のぼく役を演じるのは、幼少期にデビューし現在はラジオや映画の吹替などにも活動の場を広げる鈴木福さん。プラプラ役にはミュージカルや舞台に多数出演し、読売演劇大賞男優賞や菊田一夫演劇賞も受賞経験のある川平慈英さんが抜擢されました。

ぼくの兄やクラスメイト役には、舞台・ミュージカル界を中心に注目される加藤梨里香さん、百名ヒロキさん、石橋陽彩さん、菊池和澄さん!今大注目のキャスト陣が揃いました。

また今作は、世田谷パブリックシアターで初となるオリジナルミュージカル。脚本・作詞・演出を担当するのは、海外ミュージカルの演出やオリジナルミュージカルの創作などで活躍する演出家・劇作家の小林香さんです。小林さんは東宝株式会社で演劇プロデューサーとして活躍した後、独立して舞台演出家となった経歴があり、2020年には東宝ミュージカルの歴史を辿ったコンサート『THE MUSICAL CONCERT ㏌ IMPERIAL THEATER』の構成と演出を手がけました。

ミュージカル『モダン・ミリー』『マドモアゼル・モーツァルト』『MEAN GIRLS』など数々のミュージカル作品に携わってきた小林さんが、『カラフル』をどのようにミュージカル化するのか。原作ファンのみならずミュージカルファンも期待が膨らむ作品です。

ミュージカル『カラフル』は2023年7月22日~8月6日まで世田谷パブリックシアターにて上演。チケットの一般発売は5月21日から開始しています。詳細は公式HPをご覧ください。

チケットぴあ
かずちぃ

世田谷パブリックシアターが2014年から夏休み期間に開催している『せたがやこどもプロジェクト』。そのステージ編として上演される演劇のひとつがミュージカル『カラフル』です。高校生以下の方が証明書を提示すると、S席・A席共に1,000円でチケットの購入が可能!お子さんを誘ってミュージカルを観劇してみるのも夏の思い出になるのではないでしょうか。