映画・ドラマでの活躍はもちろん、NODA・MAPや劇団☆新感線など舞台作品も数多く出演し続ける天海祐希さんと、『雨に唄えば』にて日本にも来日したアダム・クーパーさんが、マクベス夫人とマクベスに。イギリスの気鋭女性作家ジュード ・ クリスチャンさんがシェイクスピアの『マクベス』をマクベス夫人の視点から大胆に解釈。オリヴィエ賞受賞演出家ウィル・タケットさん演出の元、新作『レイディマクベス』世界初演が実現します。

「夫と共に国を治める」夢を持った新・レイディマクベス

『ハムレット』や『オセロー』『リア王』の妻には名前が与えられているのに、なぜ『マクベス』で重要な鍵を握るマクベス夫人には名前が与えられなかったのか。彼女は本当に「国を滅ぼした女」であり「悪女」なのか?マクベス夫人を新たに捉え直した新作舞台、『レイディマクベス』。

レイディマクベスを演じるのは、数々の映画・ドラマ・舞台で美しくも芯のある女性を演じてきた天海祐希さん。かつて軍人であり、「夫と共に国を治める」ことを夢見た女性という新たな解釈のレイディマクベスを演じます。マクベスと結婚・出産後に戦場に戻れない体となり、現状に満足できない最中で、統治者ダンカンが血縁者以外から後継者を選ぶと宣言。夫婦の夢が叶うチャンスが訪れた時、彼女が選んだ道とは…?

そしてレイディの夫マクベスを演じるのは、ロイヤル・バレエ団で活躍後、『雨に唄えば』『スワンレイク』で世界中を魅了したアダム・クーパーさん。なんと新作のストレートプレイに俳優として出演するのは初めてだそう。マクベスは戦場で多くの勝利を収めながらも人を殺す任務にトラウマを抱える男として描かれます。

統治者ダンカンと血縁関係がありながら、ダンカンの決断により自分の「特権」が消滅する危機に晒されるマクダフを演じるのは、舞台『セールスマンの死』での好演が記憶に新しい鈴木保奈美さん。

レイディの幼馴染であり野心家のバンクォーを要潤さん、レイディの戦友でマクベスと共に出世するレノックスを宮下今日子さん、マクベスとレイディの1人娘を吉川愛さん、ダンカンを栗原英雄さんが演じます。

作ジュード・クリスチャン×演出ウィル・タケットの新作が日本で世界初演

大胆な視点で新作を描くのは、脚本家としても、演出家としても活躍するイギリスの気鋭女性作家ジュード・クリスチャンさん。グローブ座やロイヤル・コート劇場での上演経験も多く、2022-23シーズンのグローブ座ではオール女性キャストの『タイタス・アンドロニカス』を演出。独自の視点で描く新たな『レイディマクベス』は、女性として、人として、生きる意味を問いかけてくる作品になりそうです。

演出を手がけるのは、アダム・クーパーさんと約35年の付き合いだというウィル・タケットさん。日本では『良い子はみんなご褒美がもらえる』『ピサロ』『カスパー』を演出。4月には新国立劇場にて新作バレエ『マクベス』を手掛けました。

本当に現実なのかと疑いたくなるほど、豪華な布陣で実現する新作『レイディマクベス』。数年前から企画され、コロナ禍での断念を経て、念願の世界初演が実現します。上演は2023年10月1日から11月12日までよみうり大手町ホール、11月16日から11月27日まで京都劇場にて。公式HPはこちら

チケットぴあ
Yurika

『マクベス』と言えば「綺麗は汚い、汚いは綺麗」と唱える3人の魔女が有名ですが…本作の出演者は7名ということで、全く登場しないのでしょうか。野望、欲、そして後悔や葛藤。人間を深く描き出す『マクベス』にどんな新しい色が加えられるのか、期待が高まります。