岩松了さんが作・演出を務める『カモメよ、そこから銀座は見えるか?』が6月3日(土)に本多劇場で開幕します。年の瀬の銀座を舞台に2人の兄妹が、ある日、かつて自分たちの家庭をバラバラにした女性と出会ってからのドラマを描きます。
岩松了の新作は“赦し”の物語
人気の『鎌塚氏』シリーズを2011年から上演しているM&Oplaysの演劇公演。岩松了さんが作・演出を務めた作品は、2005年の『隣の男』をはじめとして、昨年上演の『クランク・イン』など現在までに16作品あります。
『カモメよ、そこから銀座は見えるか?』は、早くに両親を亡くし、二人で寄り添うように生きてきたアキオとイズミの物語。現在、銀座の広告代理店で働いているアキオは、ある日、銀座で、父親の愛人だった葉子と出会います。かつて、自分達の家庭を崩壊させた葉子でしたが、アキオはだんだんと惹かれていき…。
当時は赦せなかったことが年を重ねることに徐々に打ち解けていく過程を描いた作品です。
黒島結菜ら若手俳優が松雪泰子・岩松了と共演
作・演出を務める岩松了さんも出演する本作。
イズミ役を務めるのは、黒島結菜さん。NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』でヒロインの暢子を演じたことで、名を馳せました。黒島さんは、2017年に岩松さんが演出のM&Oplaysプロデュース『少女ミウ』に出演しており、6年ぶりのタッグとなります。
「私にとって舞台は、役と自分自身と素直に向き合うことができる場所だと思っています。今回は赦しの物語です。みなさんに感動を与えられるよう精一杯頑張りますのでよろしくお願い致します」とコメントしました。
アキオ役を務めるのは、今1番勢いのある若手俳優・井之脇海さん。昨年PARCO劇場で上演された3人芝居『エレファント・ソング』では主演のマイケル役を務めました。
井之脇さんが初めて岩松さんの作品を観たのは12歳の時だったそう。岩松さんの作品を「わからないことが多いのに感じることや伝わるものがたくさんあって、不思議な魅力のある世界」と形容します。
「今回、そんな岩松さんの世界に存在できることが楽しみで仕方ありません。“わからない”からこそ、真っさらな状態で役にぶつかっていきたいと思います」とコメントしています。
葉子役を務めるのは、松雪泰子さん。映画やドラマへの出演だけでなく、劇団☆新感線の作品や、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん、松尾スズキさんの作品に出演し、舞台作品もライフワークとしています。
2012年『シダの群れ 純情巡礼編』や、2020年のM&Oplaysプロデュース『そして春になった』で岩松作品に出演している松雪さん。
「岩松了さんの台詞の響きの中にまた存在出来る事に幸せを感じております。今回また新たな世界に身を置ける喜び。岩松さんの美しい台詞を演じる喜びに溢れています。静かな中にある熱を、丁寧につみあげる。そんなあり方で臨みたいと思います。楽しみです」とコメントしました。そして「とみ」と「のぼる」という若い二人の浮浪者を演じるのは、青木柚さんと櫻井健人さん。爪切男さんによる2018年のエッセイ作品を原作としたドラマ『死にたい夜にかぎって』でも共演している、若手で注目されている俳優の2人です。
M&Oplaysプロデュース『カモメよ、そこから銀座は見えるか?』は、6月3日(土)〜6月25日(日)まで東京・本多劇場にて上演。その後、富山、大阪、新潟での上演を予定しています。公式HPはこちら。
家族をバラバラにした相手と時を経て出会ったら、どのように思い、接するのでしょうか。若い浮浪者2人も現れ、絡まり合うドラマの行方が気になります!