8月19日(土)に国立劇場小劇場にて幕を開ける中村京蔵 爽涼の會『フェードル』。海外での歌舞伎の普及活動に力を入れていた中村京蔵さん。自主公演も多く上演してきましたが、今回が最後の自主公演となります。演出には蜷川幸雄さんの元で演出助手をつとめた大河内直子さんを迎えます。

蜷川幸雄の演出に感銘を受け、和様式での上演を確信

これまで34ヶ国60都市を訪れ、海外での歌舞伎の普及啓蒙活動に尽力してきた歌舞伎俳優の中村京蔵さん。最後の自主公演“爽涼の會”において選んだ作品はジャン・ラシーヌ作のフランス古典悲劇の傑作『フェードル』。

中村京蔵さんは、蜷川幸雄さん演出で1980年に上演された『マクベス』が和様式の演出で、日本人の美意識で演出されていながら、全く違和感がないことに衝撃を受けたそう。そして、自身が、2015年に『NINAGAWA・マクベス』の再演で魔女役として出演した経験から元々興味があった『フェードル』を歌舞伎をベースとした和様式で上演ができると確信し、今回実現しました。

本作は、1677年にブルゴーニュ座で初演された、17世紀フランス古典文学の最後を飾る金字塔的な作品です。かつて三島由紀夫さんによって歌舞伎に翻案され、1955年11月に歌舞伎座で、6世中村歌右衛門さんの主演で上演されました。


2017年には、大竹しのぶさん主演、栗山民也さん演出で上演され、大竹さんはこの上演で第52回紀伊國屋演劇賞で個人賞を受賞しています。

クリエイティブ・俳優ともに実力派が揃い踏み

世界各国で繰り返し上演され続けている『フェードル』。ギリシャ神話の『ヒッポリュトス』の世界を舞台に、アテナイ王妃フェードルの義理の息子イポリットへの邪恋を描いた悲劇です。

演出を担当するのは、蜷川幸雄氏の薫陶を受けた演出家の大河内直子さん。
1994年に日本人で初めて英国王立演劇学校を卒業。演出家・蜷川幸雄さんの元で2016年まで演出助手を務め、『夏の夜の夢』『身毒丸』『コースト・オブ・ユートピア』『ムサシ (ロンドン・NY バージョン)』『マクベス』『尺には尺を』『海辺のカフカ』などに参加しました。

俳優陣には「21 世紀の裕次郎を探せ!」オーディションをきっかけに芸能界入り、映画『Fukushima ‘50』に加え、舞台作品では、近年『ヘンリー6世』や『墓場なき死者』『BETRAYAL背信』などに出演。プロの画家としても個展を開催するなど活躍が目覚ましい池田努さん。


2002年『仮面ライダー龍騎』で主演、2022年には大河内さん演出の『薔薇と海賊』に出演、昨年上演した舞台『若き日の親鸞』では悪役を演じ、活躍の場を広げている須賀貴匡さん。

劇団花組芝居で女形として活躍する植本純米さん。『ジョン王』や『リチャード三世』などのシェイクスピア作品への出演、そして、こまつ座や劇団☆新感線などで類いまれな才能とキャラクターで様々な役柄を演じる実力派俳優です。


『NINAGAWA マクベス』や『海辺のカフカ』など、多くの蜷川作品に参加してきている景山仁美さん。

蜷川幸雄さん演出の『血の婚礼』や大河内さん演出の『冬の時代』、昨年はミュージカル『ファンタスティックス』などに出演する超実力派舞台俳優の青山達三さん。

国内外の舞台に参加し、日本舞踊坂東流の師範名取でもある小林亜紀子さん。

そして歌舞伎界からは、歌舞伎女方で“折目正しい”舞台姿に定評がある中村梅乃さん、松竹子ども歌舞伎スクール寺子屋第一期生として成長が目覚ましい醍醐晴さんが出演します。

中村京蔵 爽涼の會『フェードル』は、8月19日(土)18:00〜、8月20日(日)12:00〜/17:00〜に東京・国立劇場小劇場にて上演です。詳しくは公式HPをご覧ください。

ミワ

とてもドラマティックで、人間らしい登場人物たちが魅力的なことが人気の本作。古典作品としての魅力と、日本の和様式ならではの魅力が合致すると、どのような化学反応が起きるのでしょうか。