「生きてて、よかった。そう思える瞬間が、演劇にはある。」をコンセプトに掲げる演劇専門のwebメディアAudienceが、観客の投票制で行う<Audience Award 2023>。2023年の1年間で上演された演劇・ミュージカルの中で、印象に残った作品や演出、出演俳優についてアンケートを行い、1,848票の投票をいただきました。今回はミュージカル作品部門・演劇作品部門・小劇場作品部門の結果を発表します!

ミュージカル作品部門
大賞:『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』

「豪華絢爛の言葉がこれほど似合うミュージカル。耳馴染みが良く高揚する音楽に、目を奪われる振付とミザンス、華やかな衣装、荘厳な舞台美術。それらを持て余すことなく体現する実力の高いキャスト陣。とても贅沢な時間でした」(あーさん)

「あの世界観を日本でも上演できた上に、オーディションで選ばれたキャスト全員のクオリティの高さに唸らされっぱなしでした。何度でも通いつめたいと思う程素晴らしい世界でした」(Morinoriさん)

「最高峰の総合芸術を見せつけられたあの衝撃は忘れられません」(しおむすびさん)

「日本でもここまでレベルの高いミュージカルの舞台が観られるようになったのか!と鳥肌が立つくらい感動しました。 話題になった劇場内の装飾から作品への没入感が凄かったし、何より舞台上の全ての演者が隅から隅まで本当に素晴らしくて、まさしくプロフェッショナルな総合芸術を堪能させて貰いました」(たっくまんさん)

「芝居、歌、ダンスという、総合エンターテイメントとしてのミュージカルの楽しさを再認識できました。現実を忘れて華やかなショーの世界に溶け込めました!他のミュージカルと比べて、圧倒的に「非現実」でした」(さなさん)

第2位:ミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』

「BW、WE版を上回るアイディア、カラフルな世界観、ダークファンタジーが多幸感溢れる日本オリジナルの作品となりました。今年公開の映画とリンクする部分が多々有り、ハッピーな気持ちで劇場を出ることができる貴重な作品です。また、子役が大人顔負けの役者として輝いていたことも、これまでのミュージカルとは一線を画していると感じます。素晴らしく融合した作品でした!」(あくあさん)

「どのキャストもハマり役でした。また、演出が素晴らしく物語が始まるその瞬間から驚きで溢れていました。隅々まで見ていて楽しく、五感で味わう舞台でした」(Faiさん)

第3位:ミュージカル『シェルブールの雨傘』

「ミシェル・ルグランの美しく切ない音楽と歌とセリフの融和したお芝居とが絡み合ってとても素敵な舞台でした。2回の観劇でも異なる思いを抱き、戦争や女性の権利等、いろいろ考えるきっかけにもなりました」(うめさん)

「元々映画のシェルブールの雨傘が好きで、今年ミュージカルがあると知り観劇に行ったら映画の世界観がそのままでキャストのみなさんやアンサンブルの方たちの表現力に脱帽しました。生オケも素敵で今年のミュージカルで一番印象に残りました」(まこさん)

その他、『ビートルジュース』、『ジキル&ハイド』、『アナスタシア』、『ダーウィン・ヤング 悪の起源』、『ラグタイム』、『マチルダ』などに投票をいただきました!

演劇作品部門
大賞:『巌流島』

「舞台の端から端まで縦横無尽に駆け回る殺陣が素晴らしかった。その上、武蔵と小次郎の繊細な心の機微も表現し、いつまでも心に残る作品でした」(mayuさん)

「躍動感と熱量が物凄く、世界観もモノトーンの美しさが際立って、舞台とはこんなに素晴らしく感動の世界なのだと体感した舞台でした。見応え有りました」(ちぃさん)

「静と動のメリハリ、殺陣が素晴らしかった。アコースティックギターを使った音楽もとてもマッチしていて今でも耳に残っています」(MYさん)

「待ちに待った横浜流星さんの舞台をやっと観ることができて、生でお芝居を観られる事の有難さを痛感。舞台でこんなに速い殺陣を見るのは初めて、一つ一つの動きがとても美しく、剣を交えるその音も、劇場に効果的に響いていた。キャスト、アンサンブルの方の熱量が感じられるとても迫力のある舞台。武蔵と小次郎の関係性や演出も心を躍らされ中村隼人さんが小次郎で本当に良かったと思いました」(オリビアさん)

「マキノノゾミ氏の新解釈は、美しいブロマンスの物語で驚いた。主役横浜氏は武蔵には線が細いのではと思っていたが、発声も佇まいも十分。小次郎役も申し分なく、壮絶な殺陣を成立させたアンサンブルも素晴らしかった。デジタル化されたシンプルな舞台背景も効果的だった」(RRR子さん)

第2位:『OUT OF ORDER』

「名作を天才・マギーが大人な笑いにしっかりと調理。達者なキャストが織り成す2時間はただただ笑えるという最高の時間。ずっとこんな芝居を見ていたい」(あるていどさん)

「初めて、演劇で「客の笑いで劇場が揺れる」という体験をしました。笑ってほっこりして。幸せな気持ちになる舞台でした」(misaxさん)

第3位:音楽劇『浅草キッド』

「観劇後の気持ちよさがすごかった。一幕最後の曲の盛り上がりっぷり、俳優のスター性。二幕の人生のままならなさから感じる焦燥と、観客が知る登場人物の未来の輝かしさのコントラスト。しんみりとしたクライマックスと光を感じるラストが観劇後の爽快感を盛り上げていて、とても良い気持ちで帰ることが出来た。曲も芝居もパフォーマンスもよかった」(こもりさん)

「脚本、役者、音楽、すべてが素晴らしかった。面白さ、せつなさ、やるせなさ、苦しさ、色んな感情で胸がいっぱいになった舞台も、自然と体が動いてしまうくらい心躍る舞台もこれ以外にない」(チェリコさん)

その他、『ジャンヌ・ダルク』、『キングダム』、『兎、波をはしる』、『サンソン-ルイ16世の首を刎ねた男-』などに投票をいただきました!

小劇場作品部門
大賞:『ケンジトシ』

「絵本を開いて読んでるような不思議な心地良さのある幻想的な舞台で、シンプルな美術にビオラの演奏とカラカラと回る幻灯の音が効果的でした。まるで宮沢賢治本人の夢想を見てるようでした。妹を慕うケンジが哀しく美しく、涙が自然と流れてました。シアタートラムというムードある小劇場との融合性も高いと感じました」(ゆきさん)

「正直、難しくて1度見ただけでは理解できなかった。理解するよりも、肌で感じる内容だったように思う。冬の寒さ、大切な人をなくした悲しみ、日々の幸せがしんしんと積もるような舞台だった」(りんさん)

「完成度が高く…静かに息を止めるようにして一瞬も見逃すまいと引き込まれて観た素晴らしい舞台でした。初めて戯曲本を先に読んで、観劇後も読んだ。簡単にはわからないのが逆に面白くて、もっとわかりたくて…色々調べたり… 舞台観劇だけでなく、そういう前後も含めた奥行きの深さがこの作品なように思います。それをさせる深さと奥行きのある内容であり、知りたくなる魅力のある作品でした」(teaさん)

「宮沢賢治の歩んだであろう人生、その苦悩、気づき、探究心、幸せ、哀しみがコンパクトに凝縮され、賢治ファンの私にはとても意味のある作品でありました」(カスミンさん)

「中村倫也さんと黒木華さんの演技が実に素晴らしく、静寂のなかの美しいお芝居から、賢治と妹の人生に思いを馳せる事ができた。劇場の雰囲気もよく、引き込まれる作品だった」(ゆずさん)

第2位:『信長の野暮』

「佐藤慎哉さんの面白い脚本と演出!1階と2階に分けられた部屋ごとに起きていた物語が、最終的に1つの結末に向かって行くのはお見事!」(あきおさん)

「緻密な脚本を力量のある役者達がテンポ良く進めて爆発的な笑いを産み出していた。爽やかな後味で元気をもらえる作品」(しょうなさん)

第3位:ミュージカル『スリル・ミー』

「今期1番心を奪われました。何度も上演されている作品でしたが自身は初めて観た作品でした。100分の中に痛ましい史実と壮絶な人生とそれぞれの思いとが織り混ざって、色んな感情が入り乱れました。初めての体感でした」(いくひささん)

「観てるこちらが息をするのも躊躇うぐらいの緊張感が最初から最後までただよう舞台だった」(ゆきさん)

その他、『ソウル・ザ・ペアレンツ』、『星の数ほど夜を数えて』『桜姫東文章』などに投票をいただきました!