『俺たちに明日はない』で描かれた伝説のギャングカップルを題材に、フランク・ワイルドホーンが音楽を手掛けたミュージカル『ボニー&クライド』の上演が決定しました。2025年3・4月にシアタークリエにて、新演出版として上演されます。クライド・バロウ役は柿澤勇人さん・矢崎広さん、ボニー・パーカー役は桜井玲香さん・海乃美月さんです。

実在した伝説のギャングカップルを、音楽フランク・ワイルドホーンで描く

ミュージカル『ボニー&クライド』は、後のハリウッド映画に多大な影響を与えたアメリカン・ニューシネマの第1号として今も語り継がれる傑作『Bonnie and Clyde』(放題:「俺たちに明日はない」)で描かれた、伝説のギャングカップルを題材に、『ジキル&ハイド』『デスノートTHE MUSICAL』などの名匠、フランク・ワイルドホーンが音楽を手掛け、ブロードウェイのちにウエストエンドで上演された名作ミュージカルです。

1930年代、世界恐慌下のアメリカ中西部で銀行強盗や殺人を繰り返した実在の人物、クライド・バロウとボニー・パーカーの生き様を、ジャジーなサウンドとポップなリズムで新たに創造したミュージカル『ボニー&クライド』は、2011年12月にブロードウェイで上演。2012年には日本で初演されました。

その後、ブラッシュアップされた本作は2022年ロンドン・ウエストエンドで再演、2023年には日本で宝塚歌劇団雪組にて上演され話題に。そして2025年3・4月、シアタークリエで新演出版が上演されます。

上演台本・演出を務めるのは、2023年に音楽劇『スラムドッグ$ミリオネア』(上演台本・作詞・演出)『ザ・ビューティフル・ゲーム』(上演台本・演出)の成果により第48回菊田一夫演劇賞受賞した瀬戸山美咲さん。

瀬戸山さんは「90年前にアメリカで実際に起きた出来事が映画になり、舞台になり、いまも上演され続けている。ボニーとクライドの閉塞感は、格差が拡大した現代日本においてもリアリティを持っています。彼らは犯罪者ですが、全身全霊で「ここにいる自分たち」を表現しています。フランク・ワイルドホーンの楽曲が彼らの現実と夢のコントラストを鮮やかに描くこの作品を、エネルギーに満ち溢れた俳優のみなさんと一緒に旅するのがとても楽しみです」とコメントしています。

クライド役は、第31回読売演劇大賞優秀男優賞、第49回菊田一夫演劇賞を受賞し、今春には彩の国シェイクスピア・シリーズ2ndの第一弾『ハムレット』でタイトルロールを務めた柿澤勇人さん。柿澤さんはフランク・ワイルドホーンさんから「カキ、クライドをやらないか、ピッタリだよ!」と言われたことがあるのだそう。「『俺たちに明日はない』も勿論観させて頂いていますが、とにかく動物的な匂いと、論理ではない、言葉では言い表せない感覚的な何かを感じた覚えがあります。良い舞台になるようがんばります」と意気込みました。

更にクライド役をWキャストで務めるのは、ミュージカル『ダーウィン・ヤング 悪の起源』ほか、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』ロン・ウィーズリー役で出演中、TBSドラマ『9ボーダー』も記憶に新しい矢崎広さん。「1930年代世界恐慌下のアメリカは個人的にとても興味深い時代です。様々な事が変わり人々が混沌としていく中で、アンチヒーローと語り継がれる2人の刹那的な人生。挑んでみないと分からない事も多々ありますが、W キャストの柿澤君、演出の瀬戸山さんをはじめ、心強いキャスト・スタッフの皆様と共に、自由を求めて駆け抜けた彼らに負けないようなミュージカルをお届けできれば」と語りました。

ボニー役は、乃木坂46で活躍後、現在は映画・ドラマ、ミュージカル『ジキル&ハイド』『この世界の片隅に』などに出演する桜井玲香さんと、宝塚歌劇団月組『グレート・ギャツビー』のデイジー役などでトップ娘役を約3年つとめ、今年7月に『Eternal Voice 消え残る想い』『Grande TAKARAZUKA 110!』で退団、本作が退団後第1作となる海乃美月さんです。

桜井さんは「多くの支持を得たアンチ・ヒーロー。響きから既にかっこいい…。そんな2人の片割れを演じられることが今からとても楽しみです。ボニーの理想や現実との葛藤や、恋人を信じる気持ちなど、大胆さの中にある揺れる思いなども大切に演じられたらと思っています」とコメント。

海乃さんは「彼女は愛と夢を求め、強い意志を持った魅力的な女性です。彼女の内面の葛藤や情熱を表現できたらと思います。ワイルドホーンさんの素晴らしい楽曲に触れながら、W キャストでご一緒する桜井玲香さんをはじめ、尊敬する皆さまと共に素敵な作品を作り上げていきたいです。宝塚歌劇団退団後初めての舞台となりますが、新たな一面をお見せ出来ますよう全力で挑戦させていただきます!」と意気込みを語っています。

また、クライドの兄バックには舞台『キングダム』や『LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』などで抜群の存在感を見せる小西遼生さん、その妻ブランチには、宝塚歌劇団元星組娘役スターで在団中は『1789 -バスティーユの恋人たち-』 でマリー・アントワネット役を演じ、退団後は『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』など出演の有沙瞳さん。

ボニーに想いを寄せる幼馴染の保安官テッド役は、『ロミオ&ジュリエット』『RENT』などに出演し、現在は『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』出演中の吉田広大さんと、ミュージカル『伝説のリトルバスケットボール団』や TX ドラマ「夫の家庭を壊すまで」などに出演した太田将熙さんが W キャストで演じます。

そしてボニーの母エマは、宝塚歌劇団元月組トップスターで退団後は『マチルダ』『ニュージーズ』などのミュージカルのみならず、チェーホフや井上ひさしの作品でも観客を魅了した霧矢大夢さん。クライドとボニーを追う保安官でテッドの上官であるシュミット保安官には、映画・テレビドラマ・演劇と長年に渡り精力的に出演し、『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』ではビリーの父を演じている鶴見辰吾さんです。

ミュージカル『ボニー&クライド』は2025年3月10日(月)~4月17日(木)までシアタークリエにて上演。その後、大阪・福岡・愛知公演を予定しています。公式HPはこちら