2021年に世界初演ミュージカルとして上演を予定されたものの、コロナ禍によってコンサートバージョンでの上演となっていたミュージカル『イリュージョニスト』。海宝直人さん、成河さん、愛希れいかさん、栗原英雄さん、濱田めぐみさんと2021年時のキャストが再び集結し、遂にフルバージョンでの上演が開幕します。

「この世は芝居、全て幻」

ピューリッツァー賞を受賞した作家、スティーヴン・ミルハウザーによる短編小説 『Eisenheim the Illusionist(幻影師、アイゼンハイム)』を原作にした世界初演、新作オリジナルミュージカル『イリュージョニスト』。

2021年1月に開幕を予定していた本作はコロナ禍の影響を受け、演出内容を変更してのコンサートバージョンでの上演となりました。そして4年の歳月を経て、遂にフルバージョンの上演が実現。

幻影師(イリュージョニスト)アイゼンハイム役に海宝直人さん、皇太子レオポルド役に成河さん、公爵令嬢ソフィ役に愛希れいかさん、ウール警部役に栗原英雄さん、そして興行主ジーガ役を濱田めぐみさんと、 2021年のコンサートバージョンと同じキャストが顔を揃えます。

脚本にピーター・ドゥシャンさん、 音楽は若手作曲家マイケル・ブルースさん、 そして演出には、ミュージカル 『タイタニック』等で知られるトム・ サザーランドさん。天才幻影師と公爵令嬢の禁断の愛を、19世紀ウィーンの退廃的な香りを漂わせる魅惑的な音楽、舞台上で巻き起こるイリュージョン、息もつけない物語展開で描きます。

興行主ジーガ(濱田めぐみさん)と共に世界中を巡業していたイリュージョニスト・アイゼンハイム(海宝直人さん)。客席を巻き込み、幻想的なイリュージョンが展開していきます。

ウィーンでの公演中にアイゼンハイムが出会ったのは、身分違いながら幼い頃恋心を寄せ合った公爵令嬢のソフィ (愛希れいかさん)。彼女はオーストリア皇太子レオポルド(成河さん)の婚約者となっていました。

ひそかに逢瀬を重ね、変わらぬ愛を確かめ合うアイゼンハイムとソフィ。皇太子は二人の間柄を疑い、ウール警部(栗原英雄さん)に偵察させます。二人の密会を知った皇太子は、怒りのあまり剣を手にソフィの後を追い…。

濱田めぐみさんは圧巻の歌声とオーラで興行主ジーガとして“嘘の世界”に観客をいざない、海宝直人さんは天才イリュージョニストとしてのスターの佇まいと、ソフィに向ける少年の頃のままのピュアな眼差しが印象的です。

愛希れいかさんは運命に翻弄されながらも心に強い意志を持つソフィを魅力的に演じ、成河さんは野心や支配心溢れるレオポルドでソフィとアイゼンハイムを追い詰めます。

スピーディに展開する物語と、実際に目の前で起こるイリュージョンの数々。ジーガは艶やかな表情で「この世は芝居、全て幻」と歌います。アイゼンハイムがショーで本当に見せたかったものとは何なのか。徐々に広がる疑念と共に惹き込まれる、不思議な引力を持った作品です。

海宝直人さんは開幕にあたり、「前回公演は感染症による制約の中、カンパニー一丸となり、創造力を駆使して作品を作り上げました。そして今回は待望のフルバージョン。ドラマチックで美しい音楽はそのままに、より刺激的で想像力豊かな舞台に生まれ変わりました。ある時は色鮮やかに、ある時は魅惑的に、またある時は幻想的に。多彩な表情を見せながら、この作品が問いかけるのはまさに現代そのもの。ぜひ皆さま劇場でご体感ください」とコメント。

成河さんは「ついにフルバージョンを皆様にお披露目できることを嬉しく思います。トム・サザーランドによる唯一無二の空間演出は全て、アナログを駆使した人海戦術です。今のデジタル優位の世界で、イリュージョンも含めた、このアナログの持つ「脳みそを使った最高峰の遊び」をご堪能下さい。そして、この作品が最後に突きつけてくる問いは非常に今日的なものです。劇場でこの問いが美しい音楽と共に皆様に届く瞬間を楽しみにしています」

愛希れいかさんは「初日の幕が開くギリギリまで、皆んなで試行錯誤を繰り返し、妥協することなくチャレンジし続けています。私自身も初日にどうなっているのか正直分かりませんが、きっと緻密で美しく、かつ大胆な舞台になるのではないかなと思っています。 千秋楽までソフィとして精一杯生きたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いいたします。 スリル満点の『イリュージョニスト』の世界を最後までお楽しみください!!」

栗原英雄さんは「いよいよ開幕の時を迎えます。この作品が皆様の元へお届け出来る事に喜びを感じております。2016年プロジェクトの立ち上がりから本日まで多くの人が関わって来ました。様々なことが有りました。これまで全てのスタッフキャスト関係者の仲間と創られた作品です。この作品が皆様の目にどう映り、どう心に響き、どう思考されるのか、、貴方の真実とは、、ミュージカル『イリュージョニスト』の幕が上がります」

濱田めぐみさんは「今回のフルバージョンになって圧倒的な世界観に包み込まれます。セットやライト、衣裳、メイクが揃って漸く完成した舞台『イリュージョニスト』になるのだと。 幻想的で独創的な魅力溢れる世界。前回よりも立体的により深くこの物語が迫って来ます。是非劇場にてこの物語に包まれて下さい」とコメントを寄せました。

撮影:山本春花

ミュージカル『イリュージョニスト』は2025年3月11日(火)から3月29日(土)まで日生劇場、4月8日(火)から4月20日(日)まで梅田芸術劇場メインホールにて上演されます。公式HPはこちら

Yurika

人は本当に「真実」を見極めることが出来るのか。アイゼンハイムが現代の私たちに問いかけているように感じました。