複合型エンタテイメント施設「TOKYO DREAM PARK」内にオープンした、新劇場EXシアター有明のこけら落とし公演として上演される『AmberS-アンバース-』。4月25日の開幕に先立ち、囲み取材と公開ゲネプロが行われました。
「夜が明けるようなエンターテイメントを」

ゲネプロ前に行われた囲み取材には、本作のクリエイティブプロデューサー・原作・脚本を務める加藤シゲアキさん、演出の河原雅彦さんと、本作に出演する大橋和也さん、寺西拓人さん、猪狩蒼弥さん、嶋﨑斗亜さん、川﨑皇輝さん、松尾龍さん、山﨑玲奈さん、渡部豪太さん、真風涼帆さん、市川右團次さんが登壇しました。

約3年前から構想が練られていたという本作について加藤シゲアキさんは、「その頃はまだコロナ禍の名残りが強く残っていて、そんな中で新設の劇場を作るというお話を聞きました。2020年代前半はエンタメ業界が虐げられた時代でもあったと思うんですけれど、そこからいつか希望に溢れた時代がやってくると信じて、またこの土地が有明というのはすごく縁起の良い名前−実際に有明というのはそういう名前の由来だそうで、夜が明けるようなエンターテイメントを作りたいという思いでした。特に若い世代の方々にとって演劇というのは敷居が高くなっているかもしれませんけれど、気兼ねなく来て楽しんでいただいて、観る側も、演じる側も楽しい舞台を作りたいというのがそもそもの気持ちでした。その思いのまま3年走ってきて、本当にたくさんの方の協力があってどうにかこの日を迎えられて、思いが形になったと信じておりますし、非常に喜びを感じております」と作品にかける深い思いを明かしました。

演出を手がける河原雅彦さんはEXシアター有明について「演出卓にいても音が良いですし、2階席・3階席も近くて、すごく良い劇場だなと。どの演出家より僕が実感できているので嬉しいですね」と語り、「僕は劇場が喜ぶような芝居を作りたいと毎回思っていて、今回はこけら落としに相応しい、ケレン味もいっぱいあるし、仕掛けもいっぱいあるし、みんなが熱演されているので、劇場が大喜びするような一歩を踏めるんじゃないか」と意気込みます。

大橋和也さんは「こけら落とし公演というのは初めてで、言葉の意味を調べたらすごいことやなと感じたので…今しかないこけら落とし、そして『AmberS-アンバース-』の今を皆さんにお届けできたら」とコメント。
寺西拓人さんは、「こけら落とし公演に携わることができるなんて、人生でもなかなかないと思うので、その機会を楽しみつつも、加藤くんの原案・脚本のオリジナル作品をたくさんの方に観ていただけるということが今はとにかく楽しみ」と初日公演に思いを馳せます。

猪狩蒼弥さんは先輩である大橋さん・寺西さんとの共演について、「経験豊富なお二人の背中を見ながら日々成長を感じるんですけれども、なんでしょうね…主演で同じ重量が肩にのしかかっているんでしょうけれど、キャストの信頼は圧倒的にこっち(寺西さん)に乗っていて…(笑)。前日が最終通し稽古だったんですけど、大橋くんはテンパると関西弁が出てきちゃうんです(笑)」とタレコミが。
これには大橋さんが「加藤くんは知らんから!」と焦り、加藤さんも「ちょっと!違う俳優呼ぶ?道枝呼ぶ?(笑)」と突っ込みます。

嶋﨑斗亜さんは「大橋くんとは兄弟という役柄で、関西ジュニアで一緒に活動させていただいていた時も本当にお兄ちゃんのような存在でした。関係性がすごく自然に皆さんに見てもらえるのかなと思うので楽しみ」とコメント。

川﨑皇輝さんは「なかなかお二人とお仕事をする機会がなかったので、こうやってご一緒できて嬉しいです。大橋くんは稽古場で初めて全員が集まって、全スタッフが参加して、他のマネージャーさんもたくさんいらっしゃる場でも“お尻プリンプリン”が始まって(笑)、空気を柔らかくしていただいて。座長の雰囲気でカンパニーが変わるというのは本当なんだなと、後輩の立場としてもカンパニーの立場としても感じさせていただいて、勉強させていただいています」と語ります。
松尾龍さんは「寺西くんと『Endless SHOCK』いう作品でご一緒させていただいたことがあるんですけど、寺西くんは全てにおいて覚えるのが早すぎて。お忙しいはずなのに、誰よりも完璧に入れてくるんです。僕たち後輩はヒヤヒヤして、手に汗握りながら必死に覚えたんですけれど…大橋くんはいつまで経っても台詞が入らない(笑)」とまたしても大橋さんの一面が明かされ、「入ってますから!!!(笑)本番では(台詞を)飛ばしたことないです!!」と懸命に弁明する大橋さんでした。

山﨑玲奈さんは歌声を披露するシーンも多くあり、「今までミュージカルで歌わせていただいた楽曲とは全く違ったジャンルを歌わせていただいています。色々なジャンルの歌を歌えるし、色々な方とお芝居できて楽しいです。カンパニーの中で唯一の10代ということで、千穐楽まで皆さんの100倍くらい元気に駆け抜けていきたいと思っています」とコメント。大橋さんも「玲奈ちゃんの元気の良さにいっぱい助けてもらっています。太陽のような存在」と信頼を寄せました。
渡部豪太さんはAIロボットという役柄について「シゲアキさんが書かれた台詞はとても細かく、情が込められた台詞なんですけれども、“ため息”と書いてあって、AIロボットのため息ってなんだろうなとすごく考えて、3日寝られず…」と語ると、加藤さんは「今のAIは本当にため息をついたり、呼吸音をわざわざ入れたりするんですよね。人間を安心させるために。なので、好きにため息をついてもらって大丈夫です」とアドバイスが送られました。

真風涼帆さんは「カンパニーの皆様と大切に作ってきたこの作品が、いよいよ皆様の元に届くかと思うと、とてもワクワクしております。千穐楽までヒルダとして精一杯生き続けたい」と意気込みを。

市川右團次さんは「最も笑顔の似合わない、どう見てもヒール役です(笑)。根はすごく良い人なので、皆様にどう映るのか楽しみです。まずもって、EXシアター有明さんのこけら落とし公演に出演できることを大変嬉しく思っております」とコメントしました。
壮大なセットに、立ち回りなど豪華な演出も盛りだくさんの本作。加藤さんからは「人間じゃないものも出てきますので…!ポスターをよく見てもらったら分かります」とヒントが。猪狩さんが「実際に見てマジでびっくりしました」とコメントすると、加藤さんは「俺もそういうのがめっちゃある。書いたけど、これどうやるんだろう?って思いながら」と語ります。これには河原さんが「一流演出家ですから!自由に書いてもらったものを、僕を始め、優秀なスタッフのみんなの力を借りながら、意地でも形にしてやるというところがいっぱいあります。だから自ずと見どころいっぱいの舞台になりました」と胸を張ります。ただ会見最後には「一流演出家とか言っちゃって…そんな大したもんじゃない…」と反省されるチャーミングな河原さんでした。

最後に寺西さんから「新劇場のこけら落とし公演、完全オリジナル作品ということで、ここから新しい歴史が始まると思います。誕生の瞬間を見届けていただけたら」、大橋さんから「皆さんに“今”の大切さを知ってもらえるように、感情を揺さぶれるような公演にしたいと思っています」と語られ、会見が締め括られました。

伝説の琥珀の秘薬「AmberS」の行方を追う人々を描く
永遠の若さを手に入れられる伝説の琥珀の秘薬、「AmberS」をめぐる戦いが描かれる舞台『AmberS-アンバース-』。

巨大国家パジャーリの地方都市ミトキオシティは過去の戦争により土壌を汚染されていたところを、ヴィンガス(市川右團次さん)率いるロメロタンク社が土地の浄化作業を請け負い、都市が発展していました。ヴィンガスはパジャーリ国家に反旗を翻し、独立を宣言します。その裏には「AmberS」の存在が。

パジャーリの軍最高司令官を務めるヒルダ(真風涼帆さん)は右腕の兵士ウォルフ(松尾龍さん)と共に、ヴィンガスを訪ねます。

一方、反政府活動グループ「ユラリリス」のリーダー・オルッカ(猪狩蒼弥さん)、メンバーのエンリケ(川﨑皇輝さん)も「AmberS」の行方を探っていて−。

町のはずれで暮らすイヴル(大橋和也さん)と車椅子の弟のルイ(嶋﨑斗亜さん)は酒場を営んで生計を立てており、「ユラリリス」のメンバーや令嬢ノア(山﨑玲奈さん)、AI執事のケン(渡部豪太さん)も訪れています。

流しのピアニスト・アラン(寺西拓人さん)がピアノを演奏する中、ルイが車椅子から崩れ落ち…。

「虎が鳴いた。…クラッシュが起こる…」。クラッシュと呼ばれる暴風と雷を予知したルイと、クラッシュが通り過ぎたのちに店を出ていくイヴル。イヴルもまた、足の不自由なルイのために、貧しい生活から抜け出すために「AmberS」を探し求めていました。

ファンタジックに見える琥珀の秘薬「AmberS」ですが、“永遠”を手に入れようとする人間の野望や、科学への探究心、そこから生まれる戦争…と人間の普遍性と現代社会を同時に感じるテーマです。不平等な社会はどうしたら変えられるのか?“大量生産”によって平等に機会が与えられれば人間は幸せになれるのか?戦争を前に音楽には何ができるのかー。作家として様々な話題作を生み出してきた加藤シゲアキさんの社会に対する眼差しがふんだんに盛り込まれています。

そして会見でも語られた通り、EXシアター有明の様々な機構を用いた演出が盛りだくさん。盆(廻り舞台)によって次々に場面が展開され、観客を惹きつけ続けます。地響きが鳴り響く雷鳴など、音響にこだわった本劇場ならではの体験も。

大橋和也さん演じるイヴルは明るく純粋なキャラクターで、寺西拓人さん演じるアランは謎めいた部分も多い存在。お2人の持ち味が活かされた役柄で、光と影のように対照的に作品を映し出します。

可愛げがありながらもリーダーシップが光るオルッカを演じる猪狩蒼弥さん、エンジニアとしての高いスキルでチームを下支えするエンリケを演じる川﨑皇輝さん、軽々とした身のこなしで兵士ウォルフを演じる松尾龍さん、愛らしさと不思議なオーラを纏ったルイを演じる嶋﨑斗亜さん…と、先輩である加藤さんならではの各人に合わせたキャラクター性も魅力です。

山﨑玲奈さんの透き通った歌声とエネルギッシュな芝居は、『AmberS-アンバース-』の世界観を彩る重要な要素に。ノアに振り回され続ける、渡部豪太さん演じるAI執事のケンはとってもチャーミングです。

真風涼帆さんは軽やかな立ち回りや明瞭な台詞によって作品を支え、市川右團次さんは強敵としてどっしりとキャラクターたちに対峙します。

果たして、「AmberS」を最後に手に入れるのは誰なのか。「AmberS」に隠された秘密とは?その行方は、EXシアター有明で見届けてください。
EX THEATER ARIAKE OPENING LINEUP『AmberS-アンバース-』は2026年4月25日(土)から5月24日(日)までEX THEATER ARIAKE(東京ドリームパーク内)にて上演されます。公式HPはこちら

劇場でこんな演出もできるんだ?!というド派手な演出も多く、EXシアター有明だからこそ生まれるエンターテイメントに心躍りました。様々な魅力的なキャラクターが登場するので、それぞれの過去や物語を経て起こる心境の変化についてもより知りたくなります。



















