脚本にサイモン・スティーヴンスさん、演出にショーン・ホームズさん、主演に堺雅人さんを迎えて贈るPARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』。上演決定にあたり、製作発表会見が行われ、ワークショップの様子や作品の紹介が行われました。
サイモン・スティーヴンス×ショーン・ホームズのタッグで贈る新作戯曲
2026年10月からPARCO劇場、11〜12月には全国ツアー公演(大阪、福岡、愛知、岡山、宮崎)が行われるPARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』。イギリス気鋭の劇作家サイモン・スティーヴンスさんがPARCO劇場に書き下ろす新作戯曲です。

サイモン・スティーヴンスさんと言えば、2025年2月にシアタートラムで『ポルノグラフィ PORNOGRAPHY/レイジ RAGE』、2025年12月に新国立劇場で『スリー・キングダムス Three Kingdoms』が上演され、その独自の世界観が日本でも注目を集めています。
ファウスト伝説を現代のロンドンに置き換えて描いた『FORTUNE』世界初演(2020年)の際にPARCO劇場から依頼を受け、6年の月日を経て書き下ろすのが『スリーゴースト』。コロナ禍のオンラインミーティング、2023年の来日ミーティング、2024年ロンドンでの英語台本のワークショップ、2025年東京での日本語台本のワークショップ、2026年2月東京でのワークショップと、長い期間を経て本作の製作が進められています。

そして演出を手がけるのは、サイモンさんと『FORTUNE』でもタッグを組み、PARCO劇場では『セールスマンの死』『桜の園』『リア王』と、名作を現代的解釈で演出したショーン・ホームズさん。
今回『スリーゴースト』で主演を務める堺雅人さんは『セールスマンの死』『桜の園』を観劇し、「稽古場が楽しかっただろうな、良いなぁ、混ぜて欲しいなぁ」と思っていたそう。念願叶って本作でクリエイションに加わり、2月にはワークショップにも参加。

回る舞台装置を使い、小道具を置いたり、映像装置を入れたりといった試みが行われたそうで、「とても贅沢な時間でした。色々な実験をやりながら、ここをちょっと変えてみようとか、この動きをちょっと変えたらどうだろうということをずっとやっていらっしゃって。大学時代、早稲田大学演劇研究会でアトリエにこもって一日中ああでもないこうでもないと仲間たちと試行錯誤をしていたのですが、それをさらに面白くしたものをお2人がやっていたので、もっと早くから参加したかったなと。壮大な実験が始まるんだという気がします。楽しい新しい遊びに混ぜていただく子どものような気持ちでワクワクしております」と目を輝かせて語ります。
まだ製作段階のため、内容の詳細は明らかになっていませんが、サイモンさんは「10年をかけて日本、東京という街が大好きになりました。劇作家として戯曲を書く時、どんな作品でも自分の愛するものというのが根っこにあるように思います。この作品はタイトル通りゴーストストーリーで、人間の心や考えのダークな部分を描きながらも、ラブストーリーでもあると考えております。ただ日本について書いた戯曲では決してなく、私の愛する、どこか不思議で、美しくて、亡霊が迷っているような場所を舞台に。日本という国から感じたこと、そこに呼応するような形で書いた戯曲です」と語ります。

戯曲のタイトルについては「どんな人間にも3人のゴーストがいるということを込めました。1人目は、その人物に警告を与える。2人目は、その人を慰める。3人目は、そろそろあなたの番ですよ、終わりが来ていますよと伝えるゴーストです」とコメント。

演出のショーンさんは「これまでたくさんの仕事をしてきた我々でも経験したことのないような、特別な、またとないプロジェクト」だと明かし、「この作品は、ロンドンでもない、東京でもない、我々の現実と少し違う世界に漂っているような、そんな作品だというふうに思っております。素晴らしい戯曲を、素晴らしい俳優の皆さんと、“OK”と言っていただけるくらいの私の演出で、美しく描いていければ。ステージのデザインも今探求しているところです」と語ります。
堺雅人さんはなんと本作が17年ぶりの舞台出演。「前回の舞台が劇団☆新感線で、すごく立ち回りがいっぱいあって、早乙女太一さんより強いというめちゃくちゃな役だったんですけれども(笑)。それ以来17年ぶりの舞台だと聞いて、ただその間に何か変わったわけではないんです。元々高校の演劇部から始めてそこまでモチベーションが変わらずに今までずっとやってきましたし、やり方が変わるようなこともありません。早稲田大学で200人くらいの小さな劇場から出発しているので、目の前のお客様に育てていただいた、演劇・舞台の上で育ててもらったという感覚があります」と原点に演劇があることを語りました。

また「映像は1人で準備をして、その答え合わせをするスリリングさと楽しさがあるのですが、舞台が素晴らしいなと思うのはみんなで一緒に時間をかけて準備をするということ。この時間は何にも変え難い。良い歳をした(笑)人たち、名のある人たちが今でもああでもない、こうでもないと言い合う時間を過ごせるのは豊かで希望でもあります」とコメント。
これにはショーンさんも「一緒に楽しんで作ったものをお客様と共有するということが演劇の喜びであると思います。そしてきっとお客様もそれを感じることができるんだと思います。演出家が俳優を押し込めてがんじがらめにしてしまっている場合と、そうではなくて、演出家が俳優を解放して、一緒に楽しんで作った成果というのをお客様も感じられるんじゃないかなと思います」と語りました。
堺さんの印象についてサイモンさんは「ワールドクラスの名優と呼ばれる方々と仕事をして気づいたことが2つあります。1つは、本当に強靭な思いで、全身全霊で仕事に向き合ってくださるということ。誰よりも早く稽古場に来て、誰よりも遅く稽古場を出る。そしてよく考え、止まることなく取り組み続ける。想いの強さや全身全霊で取り組む姿というのを雅人さんからも感じております。そして2つ目というのが、戯曲と向き合うに想像力を持って、そして遊び心を持って、取り組んでくださるということ。ワークショップに雅人さんがお越しくださった時、最初は我々に会いに来てくださるという風に聞いていましたが、実際にはワークショップに参加してくださり、一緒に“play”してくださった。そしてそうすると途端にそこに命が宿り、やはりワールドクラスの俳優さんだなと感銘を受けました」と絶賛。
これには「絶対に遅刻ができないことがよくわかりました」と照れ笑いする堺さんでした。

『スリーゴースト』は堺さんの他、キャストに倉科カナさん、伊勢佳世さん、迫田孝也さん、saraさん、小日向星一さん、高畑淳子さん、段田安則さんと超豪華実力派キャストが集結。ゴーストをテーマに、どのような物語が展開するのでしょうか。
PARCO PRODUCE 2026『スリーゴースト』は2026年10月からPARCO劇場、11〜12月には全国ツアー公演(大阪、福岡、愛知、岡山、宮崎)が行われます。公演日程の詳細は2026年6月発表予定とのこと。公式HPはこちら

サイモンさんの戯曲と言えば、実在する都市を舞台に描かれた作品が印象的です。本作も、日本が舞台ではないとのことですが、サイモンさんから見た日本の印象というのが存分に盛り込まれているような気がします。



















