「幸せになる」のキャッチコピーで、2001年に公開された映画『アメリ』。その後、2017年にはブロードウェイミュージカルに生まれ変わり、翌年2018年には日本版初演が上演されました。時を経ても尚、特に女性たちを魅了し続けている作品です。
名女優たちが演じてきたチャーミングな少女・アメリ
2001年に公開された、フランス映画の代表的作品の『アメリ』。妄想の世界が大好きな少女・アメリの日常と恋を、色鮮やかな映像とレトロな雰囲気で描いています。公開されると、「観るとみんなが幸せになる」映画として日本でも話題になりました。
ストーリーや映像、美術にお洒落で愛らしさが溢れる一方、ジャン=ピエール・ジュネ監督らしくブラック・ユーモア満載で描き、コミュニケーション不全の問題についての喚起もされています。
またアメリは、世界中の名女優が演じてきたことでも知られています。映画を元にしたミュージカル『アメリ』 は、2015年9月11日〜10月4日までアメリカ・カリフォルニア州のバークレー・レパートリー・シアターで上演。アメリ役は映画『レ・ミゼラブル』でエポニーヌ役を演じたサマンサ・バークスさんが務めました。
その後、2017年には、ブロードウェイに進出。アメリ役は、ミュージカル『ハミルトン』イライザ・ハミルトンを演じたフィリッパ・スーさんが演じました。
日本版は、2018年に元AKB48の渡辺麻友さん主演で上演。ミュージカル『手紙』、『呪術廻戦』やミュージカル『ダブル・トラブル -2022夏 Season C-』に出演している太田基裕さんがアメリが恋に落ちる青年・ニノを演じました。演出は元宝塚歌劇団の演出家で、現在は2.5次元の舞台を多く手がける児玉明子さんでした。
妄想の世界に生きるチャーミングなアメリの日常と純粋で愛らしい恋模様を描いたロマンティック・コメディ
物語の舞台は、パリ・モンマルトル。
想像力は豊かだが、周囲とコミュニケーションを取ることが苦手な少女・アメリ。しかし、幼い頃から想像力を働かせ、独自の「妄想の世界」を持ち、毎日ハッピーに生きています。22歳になり、モンマルトルのカフェで働いている今でも、周りの人々を観察し、妄想の世界の中で他人を幸せへと導くことに喜びを見い出しています。あることをきっかけに、現実の世界でも、彼女なりの方法で他人を幸せにしていくアメリでしたが、自分の幸せにはまったくの無頓着。
そんなある日、スピード写真のボックスに残された他人の証明写真を収集している不思議な青年ニノに出会ったアメリは、恋に落ちてしまいます…!しかし、恋に不器用なために奇想天外な行動ばかりを起こしてしまい…。アメリの純粋でかわいらしい恋の行方に注目です。
現実とアメリの妄想が入り混じるので、舞台での表現は難しいと思うのですが、ブロードウェイ版の映像を見ると舞台セットを動かすこと等でちゃんと世界が表現されているようで感動しました。日本で再演があることを願っています。