大人から子供まで、幅広い世代に愛されているディズニー映画。2023年6月9日には、不朽の名作である『リトル・マーメイド』の実写版が公開されます。数々の名曲はもちろん、実写版ならではの美しい映像とストーリー展開に期待が高まりますよね。そこで今回は、これまで実写化されたディズニーのミュージカル映画を3つ取り上げます。アニメ版と見比べながら、改めてディズニーの魅力に浸ってみませんか?
真実の愛を教えてくれる『美女と野獣』
恐ろしい野獣に姿を変えられてしまった王子と、心優しい少女の恋物語『美女と野獣』は1991年に製作され、2017年には実写版が公開されました。実写版では、野獣とベルの生い立ちに触れることで、それぞれの人物像がはっきり示されています。
そのため、最初は恐怖や戸惑いを感じていた2人の間に恋が芽生えていく様子にも、より一層共感できるんです。見た目に惑わされず、お互いの本質を知って認め合う…本当に愛し愛されることの素晴らしさが、物語をハッピーエンドに導いてくれます。
また、野獣とベルの心があたたかく通い合うダンスシーンは必見。ベルの黄色いドレスがふわりと舞い広がり、野獣の青い衣装とのコントラストも美しく、思わずうっとりしてしまいます。「Beauty and the Beast」の旋律とともに、いつまでも眺めていたくなるほどです。
さらに、日本語吹き替え版で野獣を演じたのは、実力派ミュージカル俳優として人気の山崎育三郎さん。名作ミュージカルで活躍している昆夏美さんが、ベル役を務めました。このほかにも多数のミュージカル俳優が声優を担当し、歌声にも聞き惚れる贅沢なキャスティングとなっています。(関連記事:恋はどうやって生まれる?『美女と野獣』の愛のかたちをアニメ・実写・舞台から探る)
愛と友情が人を強くする『アラジン』
1992年公開のアニメ映画『アラジン』は、劇団四季によるミュージカル版も人気ですよね。2019年に公開された実写版では、アラジン、ジャスミン、ジーニーというおなじみのキャラクターたちが人間味たっぷりに描かれています。
特に、ジャスミンというプリンセスの掘り下げ方に注目。自由を求める好奇心旺盛な性格はそのままに、国の未来を思う一面を強調しています。実写版で追加された楽曲「Speechless」には、女性だからという理由で屈したりはしないジャスミンの強さが表れていて、筆者の大好きな曲となりました。近年のディズニー作品らしい、困難に立ち向かうプリンセス像が、名作に新たな魅力を与えています。
さらに、ジャファーもアニメ版より若く、野心に溢れたヴィランとして登場。最後まで権力に執着するジャファーと、本当に大切なのは愛と友情だと学んだアラジン、2人の対比も見どころですよ。(関連記事:男性優位の社会に立ち向かうプリンセス・ジャスミン!実写版映画『アラジン』が描く新しい女性像とは?)
ヴィランズ好きにおすすめしたい『クルエラ』
最後に、ヴィランの誕生秘話に迫る実写映画『クルエラ』をご紹介します。クルエラ・ド・ヴィルは、1961年公開のアニメ映画『101匹わんちゃん』に登場するディズニー・ヴィランズのひとり。ダルメシアンの子犬を毛皮のコートに仕立てようとする、残忍なキャラクターです。
ディズニーファンにとって、アニメ版のクルエラは、目的のためには手段を選ばないというイメージが強いのではないでしょうか。もし、彼女がヴィランになった理由が過去にあるとしたら…実写版ではそんな想像を膨らませ、少女が悪女へと変貌する道のりをドラマチックに語っています。ヴィランの誕生によって物語が終わるので、「めでたしめでたし」といかないところがかえってダークな魅力に。第94回アカデミー賞にて衣装デザイン賞を受賞した、劇中のファッションも見逃せません。
キャスティングでも話題になった実写版『リトルマーメイド』、筆者としてはぜひ映画館で見たいところ。また、今回取り上げた作品以外にも、『ピノキオ』『ライオンキング』『ダンボ』などディズニーの実写版映画をどんどん見てみたいと思います。