直木賞作家の大島真寿美さんによる同名小説を舞台化した『ピエタ』がプロデューサー・小泉今日子さんによって、7月に下北沢・本多劇場にて上演されます。2020年に予定されていた本公演が、3年越しの上演を果たします。

プロデューサー 小泉今日子×脚本・演出 ペヤンヌマキ×音楽監督 向島ゆり子

直木賞作家の大島真寿美さんが史実を基に描いた小説『ピエタ』。18世紀のヴェネツィアを舞台に作曲家ヴィヴァルディを取り巻く女性達の姿を描き、儚くて切ない人間賛歌が話題を呼んだ作品。2012年本屋大賞第3位に選ばれたことでも話題となりました。

そんな『ピエタ』の舞台化を切望したのが、女優でプロデュース業も手がけている小泉今日子さん。
2020年に上演が予定されていましたが感染症拡大のため、リーディング公演として実施され、今回3年越しに念願の上演が叶います。

脚本・演出を担当するのはペヤンヌマキさん。
ドラマ『恋のツキ』 『来世ではちゃんとします』『有村架純の撮休』『恋の切れ目がおカネのはじまり?』『竹内涼真の撮休』など話題作で脚本を務めています。また、演劇ユニット「ブス会*」の主宰でもあり、現代日本に生きる女性のリアルをシニカルさと優しさが共存する視点で描いています。

そして音楽監督を務め、演奏者としても出演するのは、多彩な楽器を操る演奏家・アーティストの向島ゆり子さん。2020年の『ピエタリーディング』の際にも演奏者として出演しながら、音楽監督と作編曲を務めました。

名女優たちが集結!身分や立場を超えた女性同士の交流と絆を描く

『ピエタ』の舞台となるのは18世紀のヴェネツィア。『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児を養育するピエタ慈善院で合奏・合唱の娘たちを指導していました。時は流れ、かつての教え子エミーリアのもとに、ヴィヴァルディの訃報が届きます。一枚の楽譜の謎に、ヴィヴァルディに縁のある女性たちが導かれていき…。
運命に弄ばれながらも、ささやかな幸せを探し続ける女性たちの物語です。

主演を務めるのは2020年の『ピエタ』リーデイング公演にも参加していた小泉今日子さん、石田ひかりさん、峯村リエさんの3名。

舞台『阿修羅のごとく』では長女・綱子を好演した小泉今日子さん。本作ではプロデューサーも務めています。小泉さんが演じるのは、エミーリアというピエタ慈善院に捨てられた孤児。ヴィヴァルディの指導を受け、後にピエタの事務を司る聡明な女性です。

加藤拓也監督の映画『わたし達はおとな』や、舞台『聖なる怪物』、ドラマ『警視庁アウトサイダー』『キッチン革命』などに出演している石田ひかりさん。ピエタの後継者で富豪の気難しい貴族の末亡人で、エミーリアとアンナの幼事染・ヴェロニカを演じます。

舞台『ショウ・マスト・ゴー・オン』や『ザ・ウェルキン』に出演している峯村リエさん。ヴィヴァルディの友人でもあり、かつての恋人で、コルディジャーナ(高級娼婦)として働いているクラウディアを演じます。

映画『こんにちは、母さん』『前科者』『キネマの神様』などに出演している広岡由里子さんは、ジロー嬢の全てを支えている姉・パオリーナを演じます。


数々の作品で、印象的な役柄を好演している伊勢志摩さん。近年の出演作に、ドラマ『時効警察はじめました』『スローな武士にしてくれ』『リバーサルオーケストラ』、舞台『クランク・イン!』『世界は笑う』などがあります。伊勢さんは、ヴィヴァルディの妹・ザネータを演じます。

ソプラノ歌手・ピアニストとして活動しており、女性ボーカルグループ「Luminous(ルミナス)」ではリーダーを務めている橋本朗子さん。ヴィヴァルディの愛弟子の一人でヴェネツィアのプリマドンナのジロー嬢を演じます。


ペヤンヌマキさん主宰の劇団ブス会*の作品にも何度も出演しており、『The VOICE』でもその個性を放っている高野ゆらこさん。エミーリアと同じビエタの孤児で、薬草に詳しく後に薬屋になるジーナを演じます。

そして演奏者として会田桃子さんと江藤直子さんが出演。会田さんは、演奏者としてヴィヴァルディの愛弟子・アンナ・マリーナを演じます。

asatte produce『ピエタ』は7月27日(木)〜8月6日(日)東京・本多劇場にて上演。その後、8月9日(水)・8月10日(木)に愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT主ホール、8月19日(土)・8月20日(日)富山・オーバード・ホール、8月26日(土)に岐阜・ぎふ清流文化プラザ長良川ホールにて上演です。公式HPはこちら

ミワ

原作の『ピエタ』が出版されたのは2011年。月日が経ち、フェミニズムやシスターフッドという言葉をよく耳にするようになった今上演されるにふさわしい作品だと感じます。