2026年の夏も記録的な猛暑が続きそうですね。そんなときは涼しくした部屋にこもって、暑さや疲れを吹き飛ばしてくれるようなミュージカル映画を楽しむのもおすすめです。歌って踊って、夏を乗り切るためのパワーを一緒にチャージしませんか?

『ダンスウィズミー』(2019年)ミュージカル嫌いの主人公が、所かまわず歌い踊り出すカラダになってしまった!?

映画『ダンスウィズミー』は、『ウォーターボーイズ』(2001年)や『スウィングガールズ』(2004年)、『ハッピーフライト』(2008年)などで知られる矢口史靖さんの監督作品です。一生懸命さと笑っちゃうほどの人間らしさを掬い取り、日本中にハッピーと笑いを届けてきた彼が、16年の構想を経て、ミュージカル映画を生み出しました。

子どもの頃から何よりミュージカルが嫌いな静香。催眠術のせいで突然、音楽が聞こえるたびに歌い踊り出すカラダになってしまいます。催眠術を解くために日本中を奔走しますが、なんだか裏がありそうなクセ者たちと、さらなるトラブルが起こり……。仕事も恋も失った静香を、どんな運命が待ち受けているのでしょうか?そして彼女は元のカラダに戻れるのでしょうか?

「ミュージカルになんとなく抵抗感がある」という方は少なくないと思います。実は監督の矢口さんもそうでした。しかし映画『ラ・ラ・ランド』(2016年)に触発されて、「ミュージカルが苦手な人にこそ観てもらいたい」と、なぜ急に歌い始め、踊り出すのかという疑問に答える映画を手がけたそうです。

本作には1970〜2000年代の楽曲が使われています。「Happy birthday to you」「夢の中へ」「年下の男の子」など、若い世代も思わず口ずさみたくなってしまうはずです。家族みんなで観ると「この曲なつかしいな」「聴いたことある曲だ!」なんて会話が弾むかもしれません。

歌とダンスの技術を高めるため、静香役の三吉彩花さんは、クランクイン前から約250時間のトレーニングを積み、すべてのミュージカルシーンを吹き替えなしで演じました。彼女の努力の結晶でもある『ダンスウィズミー』を、ぜひこの夏お楽しみください!

『グリース』(1978年)元祖・学園ミュージカル映画!夏休みの避暑地で出会った高校生たちの青春を描く

『グリース』は、ジム・ジェイコブスとウォーレン・ケイシーの同名ミュージカルを原作とする学園ミュージカル映画です。第51回アカデミー賞 主題歌賞、第36回ゴールデングローブ賞 最優秀作品賞など5部門を受賞しました。ハイスクール・ミュージカルのパイオニアとしても人気のある作品です。

高校生のダニー(ジョン・トラボルタ)とサンディ(オリビア・ニュートン=ジョン)は、夏休みの避暑地で出会い、ひと夏の恋をします。その後、ダニーの通う高校にサンディが転校してきますが、お互いを忘れられないのに素直になれないまま……。そんな恋の行方が歌とダンスで瑞々しく描かれています。

『グリース』といえば劇中歌が名曲揃いなんです……!特に「愛すれど悲し」(Hopelessly Devoted To You)は、1950年代風のラブ・バラードに1970年代のモダンな音が加わった1曲。恋に浮き足立ちながら、どこか物悲しいというヒロインの想いが、歌声と表情から伝わってきます。

オリビア・ニュートン=ジョンは「ビルボードの選ぶ歴史上最も偉大なHot 100女性アーティスト」(2024年)で7位を獲得するなど、今もなお愛され続けている世界的歌手です。

1970年代の作品と聞くと「ちゃんと楽しめるかな?」と不安に感じてしまうかもしれません。でも、時代を超えて愛される映画には、現代の作品とは一味違う美しさや名セリフ、色褪せないストーリーテリングなどの魅力が詰まっています。きっと新鮮な感動を届けてくれるはずです。

『イン・ザ・ハイツ』(2021年)都会の片隅に取り残された街で、若者たちは苦悩しながら夢を追う

『イン・ザ・ハイツ』は、リン=マニュエル・ミランダのデビュー作で、2005年初演の同名ミュージカルを映画化した作品です。監督は、映画版『ウィキッド』などのヒット作を手がけたジョン・M・チュウ。第79回ゴールデングローブ賞で主演のアンソニー・ラモスさんが最優秀主演男優賞を受賞しました。

ニューヨークの片隅に取り残された街・ワシントンハイツ地区。移民が多く暮らし、いつも歌とダンスであふれています。そこで育ったウスナビ・デ・ラ・ヴェガ(アンソニー・ラモス)、ヴァネッサ・モラレス(メリッサ・バレラ)、ニーナ・ロザリオ(レスリー・グレイス)、ベニー(コーリー・ホーキンズ)は、それぞれの事情を抱えながら夢を追いかけていました。しかし真夏の夜に大停電が起き、4人の運命は大きく動き出します。

『イン・ザ・ハイツ』ではアップテンポなラテン音楽とともに、コミュニティの関係性や生まれた場所への深い愛情、「道が険しくても夢に向かって突き進みたい」という想いが描かれています。彼らのエネルギッシュさに感化され、思わず元気が湧き上がってくるはずです。

悩んだり疲れたりしているときって、どうしても視野が狭くなってしまうと思います。そこで、多様な人種や国旗にあふれた『イン・ザ・ハイツ』を観ると、ふと視線を上げて、広い世界へ目を向けたくなるかもしれません。ウスナビたちが「おれたちも現実に直面して悩むけど、歌って踊って、一緒にやっていこうよ」とダンスの輪に迎え入れてくれるような感覚になれることでしょう。

さよ

猛暑が続くと心身ともにバテてしまいますよね......。ミュージカル映画を観たり、その音楽に合わせて踊ったりすると、パワーチャージに役立つかもしれません。鑑賞中は水分補給もお忘れなく!