日常を忘れさせる絢爛豪華なミュージカルもいいけれど、日常の物語に音楽がそっと寄り添ったような素朴な作品も魅力的。この夏は、しっとりした脚本に豊かな音楽が合わさった、大人の心に沁み入るミュージカルを味わってみませんか？ロンドンから来日したキャストで上質な作品世界を楽しめる、ブロードウェイミュージカル「『ONCE ダブリンの街角で』イン コンサート」をご紹介します。

アカデミー賞受賞「Falling Slowly」をはじめとする美しい楽曲が彩る、ミュージシャンの物語

『ONCE ダブリンの街角で』はトニー賞で8部門を受賞した大ヒットブロードウェイミュージカル。アイルランド・ダブリンの街角で出会った男女が、音楽を通して互いに惹かれていく姿を描いた物語です。

ダブリンに住むストリート・ミュージシャンの男と、チェコ移民でピアノを愛する女。音楽によって出会い、音楽を奏でる時間がふたりの心の距離を縮めていきます。男の仲間の奏者たちも加わり、ひとりでは作り出せない音の世界を味わう束の間の青春。けれど、女には淡い感情に素直には従えない事情があるのでした。

2007年公開の同名映画を基に、映画で主演を務めたグレン・ハンサードさんとマルケタ・イルグロヴァさんが音楽を担当し、ミュージカル化。アカデミー歌曲賞を受賞した「Falling Slowly（フォーリング・スローリー）」をはじめとする美しいミュージカルナンバーと、ピアノや弦楽器などを演奏しながら歌い踊るという出演者の圧倒的な技量を味わえる演出が話題を呼び、2012年にオフブロードウェイからブロードウェイへ進出。そして、トニー賞最優秀作品賞を含む8部門受賞という快挙を成し遂げました。イギリスでは2013年に物語の舞台となったダブリンで上演されたのちにロンドン・ウエストエンドに移り、2015年まで上演されました。

映画と舞台を通して、アカデミー賞、グラミー賞、オリヴィエ賞、トニー賞、全てで受賞実績があり、高い音楽性が魅力の作品です。

そんな上質な作品がスペシャルバージョンで2023年8月に来日。今年3月にイギリス、ロンドンで1日限定で開催されたコンサート版が初の日本公演を行います。コンパクトに作品の魅力が味わえる、ファン垂涎の特別な公演に、ハイレベルなキャスト陣が集いました。

ウエストエンドで実力を認められたスターの歌声で作品世界を堪能できる特別なコンサート

「『ONCE ダブリンの街角で』イン コンサート」にて主演を務めるのは、ウエストエンドで活躍し、実力は折り紙つきのふたり。女役にはミュージカル『ビューティフル』キャロル・キング役で、キャロル・キング本人より「私そのものだった！」と絶賛されたキャシディ・ジャンソンさん。近年は『&ジュリエット』のアン・ハサウェイ役でローレンス・オリヴィエ賞ミュージカル部門最優秀助演女優賞を受賞し、キャリア・技量とも最高峰のウェストエンド・スターです。

男役で出演するデイヴィッド・ハンターさんは『キンキーブーツ』チャーリー・プライス役、『ウェイトレス』ポマター医師役などで近年大活躍のウエストエンド・スター。『ONCE ダブリンの街角で』にはロンドン公演で出演経験があり、本作の男役を演じるのは2014年以来となります。

公演に先駆けて、「Falling Slowly」の歌唱動画が公開されているのですが、主演ふたりの力強く甘い歌声が溶け合い、美しいハーモニーを響かせています。本編には他キャストの楽器演奏に合わせて歌うソロナンバーなどもあり、劇場空間に響く生歌唱・生演奏の楽曲にはきっと惹き込まれてしまうでしょう。

彼らの脇を固めるのは、3月のコンサート版に出演したメンバーを中心とする、俳優兼ミュージシャンのキャストたち。歌で、演奏で、台詞で、『ONCE ダブリンの街角で』の淡くて熱い物語を表現するコンサート版を盛り上げます。

「『ONCE ダブリンの街角で』イン コンサート」は2023年8月4日（金）から8月13日（日）まで、東京・東急シアターオーブにて開催。13公演限定の上演です。

多彩な音楽と切ないラブストーリーで、さまざまな大人が楽しめる作品を、本場ウェストエンドから来日したキャストのパフォーマンスで堪能できる至福の公演です。最新の公演情報、スケジュールは公演オフィシャルサイトをご確認ください。