1週間のうち、明日のことを気にせず羽目を外したくなる土曜日の夜。そんな開放的な一夜に起こる若者たちの恋愛模様をロックナンバーで綴るミュージカル『スライス・オブ・サタデーナイト』が、11月21日より上演されます。大人世代には懐かしさを、若い世代には新鮮さを感じさせる注目作です。
スウィンギング・ロンドンの青春ミュージカル、約30年ぶりに再演!
ミュージカル『スライス・オブ・サタデーナイト』は、1960年代のロンドンを舞台にクラブに集まるティーンエイジャー達の青春と葛藤を描いた群像劇。30曲以上のロックナンバーが、土曜の夜に巻き起こる恋模様を彩ります。
1989年に誕生した本作は、イギリスの諸劇場で人気を博し、93年にはウエストエンドに進出しました。ニューヨークでは、『Café a Go Go』の名で親しまれたオフブロードウェイ作品です。
9か国以上の言語で翻訳され、これまでの上演回数は300回以上。日本では1992年、93年に上演され、今回は約30年ぶりの再演となります。
とある土曜の夜、地元で人気の『CLUB A Go-Go』に集まる若者たち。リックとシャロンは、お互いのことが好きなのにシャイな性格から告白できずにいます。
無邪気なリックが憧れるのは、自信家でイケメンのゲリー。ゲリーはスーと付き合っているにもかかわらず、ペニーをはじめ、クラブにいる女の子にちょっかいを出しています。
女子のハートを射止めようと躍起になっている男子達は、粋がるチンピラのエディに、クールなマドンナのブリジットを口説いてみろと挑発しますが……。クラブのオーナーであるエリックがからかいつつも見守るなか、あちこちでティーンエイジャー達の恋の駆け引きが始まります。
時代背景になっている1960年代は、「スウィンギング・ ロンドン」と呼ばれた英国発祥の若者文化が世界を席巻した時代。ビートルズのロックンロール、ツィギーのミニスカートなど、ロンドンから発信されたカルチャーが日本にも浸透したのは言うまでもありません。
そんなスウィンギング・ロンドンの火付け役であった若者たちの青春を描いた今作では、音楽とダンス、ファッションから当時のトレンドを肌で感じられることでしょう。
世代の壁を越えて魅了する多彩なスタッフ&キャストに注目!
大人世代には懐かしさを感じさせる『スライス・オブ・サタデーナイト』。今を時めく多彩なスタッフ・キャストが集まり、若者世代にも愛されるミュージカルとして新たに誕生します。
演出を務めるのは、2.5次元からストレートプレイ、ブロードウェイ・ミュージカルまで幅広い舞台作品を手掛ける元吉庸泰さんです。作品愛にあふれた演出・脚本で多くの舞台ファンを沼らせ、2024年上演のミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』では、脚本を担当する元吉さん。10代のキラキラとした感情と昔懐かしい英国カルチャーをどのように描くのか、期待が高まります。
キャスト陣は、ベテランから若手まで個性的な顔ぶれです。主人公のリックを演じるのは、関西ジュニア・AmBitiousのメンバーである河下楽さん。2022年に音楽劇『星の王子さま』で舞台初主演を務め、本作で念願のミュージカル初主演に挑みます。関西ジュニアきってのボーカリストと称される河下さんが歌い踊るロックナンバーは、本作の聴きどころの一つです。
自信家なのに実は臆病なゲイリー役は、『グリース』や『キングダム』など多様な舞台作品で存在感を発揮する神里優希さん。どこか憎めないエディ役は、舞台作品のみならず、10月公開の『ゆとりですがなにか インターナショナル』といった映像作品にも多数出演する一色洋平さんです。
内気なスーは、アニメ作品の声優としても活躍する女優の黒沢ともよさんと、『スクール・オブ・ロック』にも出演していたダンドイ舞莉花さんのWキャスト。
恥ずかしがり屋のシャロンは、『レ・ミゼラブル』でコゼット役を歴代最年少で務めた熊谷彩春さんが演じます。女子のリーダーブリジット役は、ドラマやバラエティ番組で活躍し、今回がミュージカル初挑戦となる高田夏帆さん。
セクシーなペニーを演じるのは、元AKB48のメンバーで『きみはいいひと チャーリー・ブラウン』や『ピーター・パン』など多くの舞台作品に出演する田野優花さんです。
さらに『マリー・キュリー』、『DEVIL』といった話題のミュージカルにも多数出演する石川新太さん、日本のタップダンス界の第一人者であるHideboHさんが、クラブの夜を盛り上げます。
そしてオーナーのエリックを演じるのは、初演時も本作に出演していた川平慈英さんです。
『スライス・オブ・サタデーナイト』は、11月3日から19日まで東京・有楽町よみうりホールにて上演。11月21日から23日までは大阪・松下IMPホール、11月28日から29日には仙台・電力ホールにて上演予定です。公演情報の詳細は、公式サイトからご確認いただけます。
60sを彷彿とさせるミニスカやチェック柄を取り入れたアイビールックは、現代ファッションにおいても再注目されています。観劇の際は、自身も『CLUB A Go-Go』に行くような気分でおしゃれするのも良いですね!