厳しい階級制度の歌舞伎界で、「努力と才覚と不屈の精神」で下剋上を果たした実在の歌舞伎役者・中村仲蔵の波乱万丈な人生を描く舞台『中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~』。藤原竜也さん主演で2024年2月に幕を開けます。
伝説の歌舞伎役者の「陰」を描く
江戸時代中期、歌舞伎界に彗星の如く現われた初代・中村仲蔵(なかむらなかぞう)。歌舞伎一家の血筋ではないにも関わらず、四代目・市川團十郎に見出されて異例の出世を遂げ、一代で「名人仲蔵」と言われるまでの大スターになりました。
彼の波乱万丈の人生は、今でも落語や講談でも語り継がれる人気演目に。2021年には、NHK BSプレミアムで『忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段』としてドラマ化されました。歌舞伎俳優・中村勘九郎さんが中村仲蔵を演じ、第59回ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞、第38回ATP賞テレビグランプリ優秀賞を受賞。
ドラマで脚本・演出を務めた源孝志さんが、今回新たな視点でオリジナルの舞台戯曲を書き下ろします。源さんは「中村勘九郎がドラマで演じた仲蔵が「陽」なら、藤原竜也が舞台で演じる仲蔵は「陰」」とコメントしており、ドラマとはまた異なる仲蔵の姿が描かれそうです。
演出は、『首切り王子と愚かな女』『広島ジャンゴ2022』などを手掛け、2017年には赤坂大歌舞伎にて新作歌舞伎の作・演出も務めた蓬莱竜太さんです。
時は江戸時代中期、舞台は歌舞伎の黄金期を迎えようとする芝居街・日本橋堺町。江戸三座と称される劇場や芝居茶屋がひしめくこの芸能の町に、一人の孤児が運命的に流れ着きます。
中村座で唄方をつとめる男と、振り付けを教える女の夫婦に養子に貰われた孤児こそ、歌舞伎史上不世出の天才役者と呼ばれるようになる初代中村仲蔵でした。養母の厳しい稽古で踊りの才能を開花させた仲蔵は、役者として舞台に立つ夢を膨らませますが、血筋がものをいう歌舞伎界の高い壁が立ちはだかります。
芝居に取り憑かれた仲蔵は、無謀にも最下層の大部屋役者から成り上がる下剋上の道を選びます。歌舞伎界の頂点を巡って裏切りや策謀が渦巻く舞台裏の抗争に巻き込まれつつも、ひたすら芸の道を疾走する仲蔵。しかし彼を待っていたのは苛烈な“楽屋なぶり”でした…。
熱量あふれる芝居で魅せる俳優陣が集結
本作で中村仲蔵役を務めるのは、藤原竜也さん。中村屋の協力を得て歌舞伎を学び、日本舞踊も一から稽古し、歌舞伎界の異端児に挑みます。ショートインタビュー動画で藤原さんは「背負うものは大きい」とプレッシャーを感じつつも、「日本版シェイクスピアのような壮大なストーリー」であることを明かしています。藤原さんはドラマ『忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段』にも謎の侍役として出演しています。
そして、初代市川八百蔵/酒井新左衛門役を市原隼人さん、中村伝蔵役を浅香航大さん、志賀山お俊役を尾上 紫さん、中村伝九郎役を廣田高志さん、七代目中村勘三郎/中村任三郎役を植本純米さん、瀬川錦次役を古河耕史さん、蕎麦屋の万蔵役ほかを斉藤莉生さん、金井三笑役を今井朋彦さん。
仲蔵のピンチを救う謎の男・コン太夫役を池田成志さん、市川團十郎役を髙嶋政宏さんが演じます。
舞台『中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~』は2024年2月6日(火)から25日(日)まで東京建物Brillia HALLにて上演。その後、広島・名古屋・宮城・福岡・大阪で全国ツアーが行われます。チケットの詳細はこちら
斉藤莉生さんは舞台『ハリーポッターと呪いの子』でスコーピウス役を務められていました。初舞台ながら圧倒的な存在感が話題となった斉藤さんが、ハリポタカンパニーである藤原竜也さんと再び共演されるのもとても楽しみです!