ミヒャエル・クンツェとシルヴェスター・リーヴァイ。2人の生み出す楽曲は、世界中のミュージカルファンを魅了してきました。日本でも人気の『エリザベート』や『モーツァルト!』などは、どれも耳に残るナンバーばかり。そんなゴールデンコンビの最新作『ベートーヴェン』が、2023年12月に日本での初演を迎えます。幕開け前に、ミヒャエル・クンツェとシルヴェスター・リーヴァイの軌跡を追ってみましょう。
ミヒャエル・クンツェとシルヴェスター・リーヴァイについて
作詞・作曲家のミヒャエル・クンツェは、1943年にチェコのプラハで生まれました。ドイツのミュンヘンで暮らし、60年代から作詞活動をスタート。80年代にアンドリュー・ロイド=ウェバーやスティーブン・ソンドハイムなどの作品をドイツ語版化し、90年代以降はリーヴァイとのコンビでドイツ発のミュージカル作品を製作しています。なかでも1992年にウィーンで初演された『エリザベート』は、クンツェ初のオリジナルミュージカルです。リーヴァイが音楽を担当して大ヒットした本作は、日本を含め、世界各地で何度も上演されています。また、脚本と歌詞を手がけた『ダンス オブ ヴァンパイア』では、ブロードウェイにも進出しました。
シルヴェスター・リーヴァイは、作曲家・編曲家・ピアニスト・指揮者と多彩な肩書きの持ち主。1945年にセルビアのスボティツァで生まれ、60年代にはヨーロッパ各地でオーケストラと共演してきました。また、エルトン・ジョンなど世界的アーティストへの楽曲提供やプロデュース、スティーブン・スピルバーグらの映画音楽を担当するなど、幅広いジャンルで活躍しています。
日本でも馴染み深いゴールデンコンビ
クンツェとリーヴァイが作詞家・作曲家コンビとして活動し始めたのは、1970年代。1975年には2人がプロデュースした曲がグラミー賞を受賞していて、音楽業界での評価も高いんです。
そして90年代から、『エリザベート』をはじめとして数々のミュージカル作品を世に送り出してきました。1999年初演の『モーツァルト!』は、あの有名な音楽家・モーツァルトの「天才であるが故の孤独」を鮮烈に描いています。また、『レベッカ』ではイギリスのミステリー小説を舞台化しました。
2人は、日本のミュージカル界とも深く関わっています。クンツェ&リーヴァイのコンビに、演出家として小池修一郎さんが加わった『レディ・ベス』は、2014年の日本公演が世界初演に。遠藤周作さんの小説を原作とする『マリー・アントワネット』も、日本発のオリジナル作品です。
さらに日本では、クンツェとリーヴァイの楽曲を披露するコンサートも開催されています。2010年、2012年に続き、2023年9月に第3弾が上演。豪華な出演者たちが名曲を歌い上げるステージは、まさに夢のコラボレーションです。こうした軌跡をみると、クンツェ&リーヴァイのコンビが、ミュージカル俳優とファンの双方から愛されていることが伝わってきます。
2023年12月には『ベートーヴェン』が開幕!
ミヒャエル・クンツェが脚本と歌詞を、そしてシルヴェスター・リーヴァイが音楽と編曲を担当した最新作『ベートーヴェン』。2023年1月に韓国で世界初演の幕が開き、好評を博しました。そんな話題の作品が、2023年12月、ついに日本にやってきます。
『ベートーヴェン』は、クンツェとリーヴァイが10年以上も構想に費やしたという意欲作です。「運命」や「第九」など、ベートーヴェンが残した膨大な楽曲をベースにし、2人ならではのミュージカルナンバーを作り上げています。
また、ベートーヴェン役の井上芳雄さんをはじめ、花總まりさんや海宝直人さん、木下晴香さんといった実力派のキャスト陣も見逃せません。架空の人物〈ゴースト〉も登場して描かれる、ベートーヴェンの人生とは?そのストーリーに、期待が高まります。
ミュージカル『ベートーヴェン』は2023年12月9日(土)から29日(金)まで日生劇場にて上演されます。その後2024年より、福岡、愛知、大阪を巡回予定。チケットやスケジュールの詳細は、公式HPをご確認ください。(関連記事:構想10年!M.クンツェ&S.リーヴァイが手がける新作ミュージカル『ベートーヴェン』、ミュージカル『ベートーヴェン』が 井上芳雄主演で日本初演!56歳で人生を終えた天才音楽家ベートーヴェンの苦悩)
『エリザベート』に『モーツァルト!』『マリー・アントワネット』…筆者の大好きな作品に、クンツェ&リーヴァイのコンビあり。『ベートーヴェン』も、前情報だけでドキドキとワクワクが止まりません!