日本初演から30年以上に渡って愛され続けている朗読劇『ラヴ・レターズ』が、『ラヴ・レターズ~2024 New Year Special~』として2024年1月に上演されます。伝説とうたわれるコンビの再演から異色の組み合わせまで、2024年1月版に出演する4通りのコンビをご紹介します。
2人の「50年の物語」
メリッサとアンディーは幼なじみ。メリッサは自由奔放ですが、アンディーはいつも何か書き物をしているタイプで全く性格が異なっています。そんな2人も年頃にもなると、お互いを意識し始めます。しかし、互いに一線を越えられず、別々の道を歩むことになります。
大学を卒業後、それぞれ別の人と結婚するのですが、2人は相変わらず手紙でのやり取りを続けます。アンディーは、海軍を経て上院議員となり順調な人生を送っているのですが、一方のメリッサはアートの道に進むも行き詰ってしまい、精神に異常をきたし始めます。
それからしばらくして、2人は再会することとなり、たわいもない話に花を咲かせます。そして、その後も2人は手紙のやり取りを続けるのですが…。
1公演ごとに変わる多種多様な組み合わせ
『ラヴ・レターズ』は、1990年8月に日本初演を迎えたニューヨーク初の朗読劇。およそ30年以上にわたり、東京・PARCO劇場を中心に上演されています。初演から翻訳・演出として携わっていた青井陽治さんが2017年に亡くなって以降は、『ジャージーボーイズ』『ラビット・ホール』『ラグタイム』などの演出を手がける藤田俊太郎さんが演出を担当しています。
1つの組み合わせにつき上演は1日のみ、公演ごとに全く異なる人たちがキャスティングされている(一部再演もあり)のが『ラヴ・レターズ』の特徴。組み合わせそのものにおいても、全く経歴が異なる人たちがキャスティングされることもあります。例えば、2016年6月には俳優の柳下大さんとお笑い芸人のイモトアヤコさん、2022年11月には俳優の竜星涼さんと「女王蜂」のボーカル・アヴちゃんなど多種多様な組み合わせが誕生しています。
伝説のコンビが10年ぶりの再演
2024年1月版に登場するコンビは全4組。うち1組のみ再演となります。例年のように日付をあけて上演され、日程は1/19・1/24(2回公演)・1/29の4日間です。
1/19に出演するのは、『新世紀エヴァンゲリオン』などさまざまな大作に出演する声優の石田彰さんと、『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公を演じたほか、アニメ作品に加えて、朗読劇にも多数出演している声優の緒方恵美さん。こちらのコンビは2014年以来10年ぶりの再演で、初演時はチケットが即完売。長年再演が待ち望まれていた「伝説」の呼び声が高いコンビです。
1/24に出演するのは、27年ぶりに『ラヴ・レターズ』に出演する俳優の古田新太さんと「デビュー50周年」を迎えた歌手の石川さゆりさん。ともに演劇界と演歌界の重鎮とも言える2人はどんな化学反応を見せてくれるのでしょうか。
もう1組は、ミュージカル『刀剣乱舞』など2.5次元作品に数多く出演する俳優の阪本奨悟さんと、元HKT48・IZ*ONE所属で、現在は俳優としても活躍している矢吹奈子さんのフレッシュな組み合わせです。
最後の1/29に出演するのは、NYへの演劇留学を経て、NHKドラマ『大奥 Season 2』、ミュージカル『チョコレートドーナツ』など舞台・ドラマで活躍している岡本圭人さんと、『科捜研の女』などドラマ・舞台で幅広く活動している若村麻由美さんです。こちらは共演経験の多いコンビとなり、『ラヴ・レターズ』ではどんな姿を見せてくれるのか気になるところです。
『ラヴ・レターズ~2024 New Year Special~』は、2024年1月19日・1月24日・1月29日(1月24日のみ2回公演)に、東京・PARCO劇場にて上演予定。チケットの詳細はこちら。
『ラヴ・レターズ』は1度観劇すると、今回はどんな組み合わせになるんだろう…と公演の度に出演者が気になってしまう作品です。筆者も10年ほど前に観劇したことがあるのですが、演じる人によって全く違う「メリッサ」と「アンディー」がいるのがこの作品の魅力だと思っています。初めて見る方はもちろん、以前別の組み合わせで見たことがある方にもおすすめの1作です。