作・演出・プロデュースを赤堀雅秋さんが務める新作書き下ろし『ボイラーマン』が本多劇場にて2024年3月から上演決定!主演は赤堀作品に欠かせない田中哲司さん。ヒロインを“最強の客演” 安達祐実さんが務めます。
「最強の客演・安達祐実」が赤堀ワールドに参戦!
劇作家・演出家・俳優であり、近年では映画監督としても高い評価を得ている赤堀雅秋さん。時に無様な、時に滑稽な様をみせる人間たちの機微を独自の観点から描き出し、ユーモアを交えながら、登場人物たちの日常を覗き見しているような不思議な空間へと誘う「赤堀ワールド」は演劇ファンから絶大な支持を得ており、昨年9月は初の一人芝居『日本対俺』も大きな話題を呼びました。
そんな赤堀さんの新作『ボイラーマン』は、「実在する職業名ながら発音すると妙にバカバカしく、ヒーローの名に連なるものにも思える」タイトルが降ってきたことから始まった作品だと言います。
素性を隠し慎ましやかに暮らす主人公、悪の組織に捕われてしまった悲劇のヒロイン、主人公の相棒は実は悪の組織から送り込まれたスパイ、主人公はヒロインの前でついに己の正体をさらすことに。その名は……という物語ではないことは確かだ。何しろボイラーマンだ。地獄のように何も起こらない現実の社会に生きる地獄のように何もない凡庸な中年の男。何もない世界に生きる市井の人々。それでも作者の私にとって彼ら彼女らはヒーローでヒロインだ。そう、その名は、ボイラーマン!!!
赤堀さんは「自分が書く以上、登場人物が特殊能力を持っていたり宇宙から来たりする訳なない。市井に生きる凡庸なブルーカラーの人々。けれど感染症以降、凡庸な日常の表面は変わらず淡々と過ぎながらも、その根底がひどくもろく、足元がいつ崩れ去ってもおかしくないことに僕らは気づいてしまった。そんな現実に向き合うほど、作家でもある自分は大きな虚無・虚脱を感じ、益々何を書き創ればいいものか悩み苦しむことになる。ですが自分にそれしかできない以上、なるべく正直に創り続けるしかありません。」と本作の創作にあたっての想いを語っています。
そして本作を主演するのは、赤堀さんと何度もタッグを組んできた田中哲司さん。NHK連続テレビ小説『らんまん』やドラマ『真犯人フラグ』『石子と羽男−そんなコトで訴えます?−』、舞台『住所まちがい-Three on the seesaw-』『エヴァンゲリオン ビヨンド』などに出演しています。
ヒロイン役を務めるのは、『大奥』『うちの弁護士は手がかかる』などのドラマ出演はもちろん、劇団た組『綿子はもつれる』出演で話題を呼んだ安達祐実さん。
『神の子』に次ぎ赤堀作品2度目の出演となるでんでんさん、ナイロン100℃や阿佐ヶ谷スパイダースでの活動、NODA・MAPなど数多くの舞台に出演する村岡希美さん、赤堀作品4度目の出演となる水澤紳吾さん。そして、今回赤堀作品初参加になる元乃木坂46の樋口日奈さん、薬丸翔さん。赤堀作品『蜘蛛巣城』に続き2度目の出演となる井上向日葵さんが出演します。
田中哲司さんはボイラーマンについて検索してみたと言い、「結果、水蒸気を噴出するようなボイラーの激しい様子と、それを管理する人のうら寂しい佇まいという真逆のイメージが浮かびました。今回はどんな台詞を吐き、どんな「人間」を演じさせてくれるのか。最強の客演・安達祐実さんを筆頭に仲間と共に今回もたっぷりと赤堀ワールドに浸りたいと思っています。」とコメント。
安達祐実さんは「演劇経験がまだ少ない私にとって、舞台に立つことには修行のような意味合いがあります。その意味でも、人間の心の深いところを暗部も含めて描き、作品へと昇華させる赤堀雅秋さんの舞台に参加させていただくことは、特別な修行になりそうな予感がしています。」「全てを委ね、作品の一員になれるよう思い切りよく赤堀ワールドへ飛び込んでいきたいと思っています。」と本作への覚悟を語りました。
『ボイラーマン』は3月7日(木)から20日(水・祝)まで本多劇場にて上演。一般発売は1月28日(日)10時から。チケットの詳細は公式HPをご確認ください。
物語の全貌は見えていませんが、今回も「赤堀ワールド」全開の作品となりそうです。