2025年4月から新国立劇場 中劇場にて、記念すべき40年目となる丸美屋食品ミュージカル『アニー』が上演されます。厳しいオーディションを勝ち抜きアニー役に抜擢された丸山果里菜さん、小野希子さんとキャスト陣が製作発表会見に臨みました。

「前を向いて明日を信じていく力を届けたい」

ミュージカル『アニー』は1977年にブロードウェイで上演され、トニー賞で作品賞をはじめとする7部門を受賞。1983年までの6年間で2,377回に及ぶロングラン公演を記録し、日本公演は1986年に日本テレビ主催による公演が⻘山劇場でスタートしました。

日本での総上演回数は2,044回となり、約196万人もの人たちに心温まる深い感動を与え続けている国民的ミュージカルに。2017年から演出を『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』『ヘアスプレー』などで活躍する演出家・山田和也さんが担当しています。

製作発表には、アニー役を務める丸山果里菜(まるやまかりな)さん、小野希子(おのきこ)さんと、ウォーバックス役:藤本隆宏さん、ハニガン役:須藤理彩さん、グレース役:愛原実花さん、ルースター役:赤名竜乃介さん、リリー役:浜崎香帆さんが登壇しました。

ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』に出演中で、本作には今年で8年目の出演となる藤本隆宏さんは新キャストを迎え、「新たな気持ちで、初心を忘れずに。40年だけでなく、50年、そして100年と続く作品になるように」と意気込みます。

40年目を迎える本作は、かつて子どもの頃に観劇し、親として再び観劇するようになる人も多い作品。藤本さんは「2017年から山田さんが演出を務めるようになって、それまではある程度子ども向けの作品にしていたんですけれど、1977年のブロードウェイ版の内容に戻したんです。子どもでは理解できなかったことが大人になってわかるという要素もたくさん散りばめられているので、何歳になっても楽しんでいただければ」と語りました。

2023年にはミュージカル『ピーター・パン』にも出演、昨年に引き続きハニガンを演じる須藤理彩さんは「役者にとって、同じ役を任されるというのは一番のご褒美」と喜びを語ります。

18歳の娘さんは本作を小学生の頃にも観劇しており、「昨年観た時に、小学生の低学年で観た時とはまるで違う作品だったと言っていて、10年くらいでも自分の立場の変化によって見え方が変わる魅力的な作品なんだなと改めて感じました」と語ります。

宝塚で雪組トップ娘役を務め、『スクルージ~クリスマス・キャロル~』などに出演、グレース役として本作初出演となる愛原実花さんは「ミュージカル『アニー』は小さい頃から青山劇場に毎年のように観に行っていて、ベッドの上でアニーごっこをしていた憧れの作品」だと言います。

本作が世界大恐慌直後の1933年のニューヨークが舞台であることに触れ、「現代に置き換えても、先の見えない変化の時代というところで重なるところがあると思う。どんな境遇であっても、前を向いて、明日を信じていく力を、今の子どもたちにも観て感じて頂きたい」と語りました。

『ハイキュー!!』シリーズで活躍し、昨年は舞台『罠』に出演、ルースター役を務める赤名竜乃介さんは、「今回出演するにあたって、親戚の方などで“子どもを連れて行きたい”と言ってくれる方が凄く多かったです。ウォーバックスさんとアニーとの出会いや縁の大事さは、自分が今観ても感じたので、『アニー』の魅力を幅広い層の方に届けられたら」とコメント。

ミュージカル『町田くんの世界』などに出演、今回新たにリリー役を務める浜崎香帆さんは「個人的には悪役は初めての挑戦になるので、秘めていたいたずら心を出す時が来たなとわくわくしております。悪役と言っても、芯のある強い女性であると思うので、そういう部分も出せていけたら」と意気込みます。

アニーを演じる丸山果里菜さんは「前向きで明るさ100%のアニーを演じたい」と笑顔で意気込みを。アニー役が決まった時は「自然に涙が出て来ちゃいました」と語った小野希子さんは、「面白さや、ずる賢さもある可愛いアニーになりたい」と意気込みました。

そしてアニー役のお二人は製作発表にて、練習を重ねて来たという「Tomorrow」を歌唱。堂々とした佇まいで強く明るい歌声を響かせます。愛原実花さんは「こんな特等席で見させて頂いて目頭が熱くなってしまいました」と目を潤ませ、赤名竜乃介さんは「ここに向けてすごく練習してきたんだろうなというのを凄く感じて、なんだかお父さんみたいな気分」と微笑ましくお二人を見守りました。

撮影:山本春花

丸美屋食品ミュージカル『アニー』は2025年4月19日(土)から5月7日(水)まで新国立劇場 中劇場にて上演。4月24日、27日には「舞台手話通訳付き公演」が実施されます。公式HPはこちら

Yurika

現在ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』で11代目ピーター・パンを務めている山﨑玲奈さんや、『SHOGUN 将軍』でエミー賞 主演女優賞を獲得したアンナ・サワイさんもかつてアニーを演じられています。40年目の『アニー』は、日本に明るい光を差しこんでくれそうです。