舞台鑑賞の楽しみ方は人それぞれですが、手の込んだ衣装や華やかなドレスに目を奪われた経験がある方は多いのではないでしょうか?今回は衣装デザインが好きな方の心をくすぐるロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館をご紹介。常設展示はもちろん、おうちで楽しめるWebコンテンツの魅力もお伝えします。
01 世界的ミュージカルの衣装を至近距離&無料で楽しめるのはココだけ!
ヴィクトリア&アルバート博物館(以下、V&A)はロンドンの閑静なエリアにあるデザインと芸術の博物館。絵画・彫刻や家具、ジュエリーなど多岐にわたるコレクションの中に「シアター&パフォーマンス」部門があり、ミュージカルをはじめ、過去100年以上の多様なパフォーマンスに関する資料を所蔵しています。
「シアター&パフォーマンス」の展示室では、『ライオンキング』のスカーとサラビの衣装が来場者をお出迎え。衣装の質感や縫い付けられた貝殻など、ディテールを観察することができます。隣には『WICKED』2幕の黒いドレスを纏ったエルファバが。帽子と靴は初代エルファバ役のイディナ・メンゼルさんが身につけていたという超プレミア品です。
他にも、100年以上前のバレエ衣装や人気ポップグループABBAのビョルンさんがコンサートで着たスカジャンなど、あらゆるパフォーマンスの衣装やデザイン画などが並び、デザインや素材の進化、生地の擦れなどをじっくり鑑賞できます。様々な時代・ジャンルの衣装を手が届きそうな距離で楽しめるうえ、入場料無料なところもV&Aを「推せる」理由です。
02 オンライン博物館へようこそ!資料映像やASMRで新時代の展示体験を
感染対策のため現在休館中のV&Aですが、公式ホームページで収蔵品を公開中。普段は展示されない衣装やデザインもスマホひとつで鑑賞することができます。名俳優フレッド・アステアが映画で着用した燕尾服や『オペラ座の怪人』衣装デザインなど、膨大なコレクションから好きな作品に関わる資料を検索してみてはいかがでしょうか。
公式YouTubeチャンネルには、展示の域を超え、舞台製作の裏側の様子が分かる資料映像もあります。 独創的な取り組みとしてご紹介したいのが、補修作業の音で楽しむ「ASMR」動画。「チャーリー・チャップリンの帽子」や「19世紀の演劇で使った悪魔の衣装」など、一級の収蔵品を解説しながらキュレーターがその質感を音で伝えてくれます。動画はこちら
衣装が最も輝きを放つのは舞台上で照明が当たる時ではありますが、V&Aのコレクションは時代を反映していたり、舞台美術史に残るものばかり。観劇でつい衣装に目が行ってしまう、という方はきっと感性に響く作品が見つかりますよ。