2026年6月の東京では、初夏を彩る魅力的な演劇やミュージカル作品が目白押しです。世界的な名作の再演から、待望の日本初演となる話題のミュージカル、豪華キャストが集結する劇団の周年記念興行まで、多様なラインナップが揃っています。劇場の濃密な空間で繰り広げられる、今しか観られない極上のエンターテインメントをぜひ体感してくださいね。

舞台『罠』新婚妻の行方不明事件がさらなる謎を呼び、最後まで犯人と結末が読めないサスペンス劇

『罠』は、「演劇界のヒッチコック」と称されるフランスの劇作家、ロベール・トマの名作です。パリの初演で大ヒットを記録して以降、世界各国で上演されています。近年の日本では、2024年に「読売新聞創刊150周年記念舞台」として大好評を集めました。今回は待望の再演です!

山荘にバカンスで訪れていた新婚カップル。しかし妻・エリザベートが行方不明になってしまいます。そして、警察に捜索を依頼した夫・ダニエルのもとへ、神父に付き添われて女性が現れますが、なんと全くの別人だったのです。

ダニエルが「妻ではない」と主張するのに対し、状況証拠は女性が本物の妻であることを示します。騒動は大きくなり、ついに殺人事件が発生してしまい……。そんな中、想定外の事態によって意外な真実が明らかになるのでした。

本作は、本音と嘘、安心と恐怖、信頼と疑惑が交錯し、ラストまで犯人が分からない緊迫の推理劇となっています。上川隆也さん、藤原紀香さん、渡辺大さん、財木琢磨さん、須藤理彩さん、藤本隆宏さんという、舞台経験と華やかさを兼ね備えたキャストが揃いました。重厚な演技で、観客を謎の渦へと引き込んでくれるはずです。

舞台『罠』は、2026年6月6日(土)~26日(金)に、よみうり大手町ホールで開催されます。詳しい情報はぜひ公式サイトをご覧ください。

ミュージカル『神経衰弱ぎりぎりの女たち』どんどん押し寄せる悩みで、ぎりぎりの状況に陥っていく女性たちのドタバタコメディ

ヴェネツィア国際映画祭で脚本賞を受賞した映画『神経衰弱ぎりぎりの女たち』が、ミュージカルとして日本で初演されます。

次々と押し寄せる恋や人生の悩みに翻弄され、文字通り「ぎりぎり」の状況に追い込まれていく女性たちを、ユーモラスに描いたドタバタコメディです。あらゆるトラブルが複雑に絡み合い、息つく暇もないほどスピーディーでエネルギッシュな展開が繰り広げられることでしょう。

主演を務めるのは、元宝塚歌劇団トップスターの望海風斗さん。さらに秋山菜津子さん、和希そらさん、長井短さんなどが出演し、個性豊かな女性たちの奮闘を華やかに演じ上げます。

ミュージカル『神経衰弱ぎりぎりの女たち』は、2026年6月7日(日)〜21日(日)まで日本青年館ホールにて上演されます。6月9日(火)と11日(木)の夜公演では、終演後にスペシャルトークイベントが開催されるとのこと……!さらに、福岡・大阪・愛知での地方ツアーも実施されます。詳細が気になった方は、ぜひ公式サイトからチェックしてみてください。

PARCO PRODUCE 2026『カッコーの巣の上で』型破りなアウトローは、自由と権利を求め、人間の尊厳を取り戻そうと奮闘する

原作小説『カッコーの巣の上で』(ケン・キージー作、1962年発表)は、1960年代の精神病院を舞台に、人間の尊厳と社会の不条理を描きました。1975年にジャック・ニコルソン主演で映画化、1963年にブロードウェイで舞台化され、映画史・演劇史にその名前が刻まれています。日本では1978年、パルコ・劇団四季提携公演として初演された後、繰り返し上演されてきました。

オレゴン州立精神病院で、絶対権力によって管理体制を敷く看護婦長ラチェッド。そこに型破りなアウトローの主人公、ランドル・P・マクマーフィーが入院します。彼がラチェッドに反発するうちに、それまで無気力だった入院患者たちは生きる気力を回復させていきますが……。

抑圧された環境下、マクマーフィーは周囲の患者たちを巻き込み、失われかけた自由と権利を求め、人間の尊厳を取り戻すために立ち向かっていきます。失われたアイデンティティを取り戻し、心から救われていくような作品になるのが楽しみです。

演出を手がけるのは松尾スズキさん。マクマーフィー役は間宮祥太朗さん、ラチェッド役は江口のりこさんが演じます。また、気弱な青年患者ビリー役を坂東龍汰さん、優柔不断な医師スパイビィ役を皆川猿時さん、看護婦長ラチェッド役を江口のりこさんが演じるなど、実力ある多彩なキャスト陣が集結しました。

PARCO PRODUCE 2026『カッコーの巣の上で』は、2026年6月7日(日)~29日(月)までPARCO劇場で上演されます。その後、愛媛・大阪・北九州・仙台での地方公演もおこなわれます。詳しい情報は公式サイトをご覧ください。

舞台『レディエント・バーミン Radiant Vermin』「家」の残酷な秘密に魅了された若夫婦は、翻弄され、どこへ向かうのか

『レディエント・バーミン Radiant Vermin』は、イギリスの劇作家、フィリップ・リドリーの作品です。2015年にイギリス初演、翌年に日本初演されました。10年ぶりの再演として注目されています。

マイホームを探している若夫婦のもとに、ミス・ディーという人物から「夢の家を差し上げます」という手紙が届きます。そして「生まれてくる赤ちゃんのために理想のマイホームが欲しい」と願い、彼らは怪しい物件を契約することに。

しかし引っ越しの翌日、ふたりは偶然、夢の家の残酷な秘密を知ってしまいます。最初は戸惑っていたものの、たちまち秘密に魅了され、不思議な「光」とともに家を豪華にリフォームしていきます。

「光」とは何なのか。彼らは最後にどこへ行き着くのか。人間の欲と残酷さ、ブラックユーモアがあふれる作品となっています。出演は清原果耶さん、井之脇海さん、池津祥子さんです。

舞台『レディエント・バーミン Radiant Vermin』は、2026年6月8日(月)〜7月5日(日)にシアタートラムで開幕します。兵庫・宮崎・新潟・愛知での公演も予定されています。ぜひ公式サイトから詳細をご確認ください。

舞台『俺節』不格好でも人生を諦めなかった先で、主人公が辿り着く「自分だけの歌」とは

土田世紀さんの伝説的漫画『俺節』が9年ぶりに再演されます。2017年の初演舞台では、福原充則さんが脚本・演出、安田章大さん(SUPER EIGHT)が主演を務め、演歌の知識を問わず、観る者の心を熱く震わせました。

主人公のコージは、演歌歌手になるという大きな夢を抱き、地方から上京してきます。都会の厳しさや過酷な現実に打ちのめされ、泥臭く格好悪い姿を晒しながらも、彼は決して人生を諦めようとはしません。苦難の先で、自らの生き様をぶつけるようにして辿り着く「自分だけの歌」を紡ぐ物語になっています。

コージ役を演じるのは松田元太さん(Travis Japan)です。待望の舞台単独初主演ということで、彼の全てをぶつけたコージ像に期待が高まります!ほかにも稲葉友さん、キム・チャンミさん、益岡徹さん、六角精児さんなどが出演し、『俺節』の世界観をより深めてくれることでしょう。

舞台『俺節』は、2026年6月10日(水)〜30日(火)まで東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)で上演。7月には福岡公演・大阪公演も実施されます。詳しい情報は公式サイトでご覧ください。

Bunkamura Production 2026『ウェンディ&ピーターパン』女性的役割に戸惑うウェンディが、自らの力で運命を切り開いていく

『ピーターパン』といえば、架空の国ネバーランドで、空飛ぶ少年・ピーターパンが妖精・ティンカーベルとともに冒険する物語ですよね。『ウェンディ&ピーターパン』は、彼に憧れる少女・ウェンディの視点から『ピーターパン』を大胆に再構築した、壮大な冒険譚となっています。

2013年、英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)の新作公演として開幕すると、瞬く間に大人気となり、国内で再演を重ねてきました。2025年にはロンドンでワールドツアー版が上演され、再び注目を集めています。日本では2021年にワールドツアー版が上演されており、今回が5年ぶりの再演です。

社会から求められる「女性的役割」や、大人になることへの戸惑いを抱えるウェンディ。ピーターパンたちとの出会いを通じて成長し、自らの力で運命を切り開いていく姿が瑞々しく描かれます。ウェンディ役を芳根京子さん、ピーターパン役を渡辺翔太さん(Snow Man)が務め、ファンタジックな世界観に新たな息を吹き込みます。

Bunkamura Production 2026/DISCOVER WORLD THEATRE vol.16『ウェンディ&ピーターパン』は、2026年6月12日(金)〜7月5日(日)までTHEATER MILANO-Zaにて上演されます。7月には大阪公演も実施予定です。詳細は公式サイトからチェックできます。

2026年劇団☆新感線46周年興行・夏公演 SHINKANSEN☆RSP 怪奇骨董 音楽劇『アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~』スチームパンクの世界観が爆発する、アクションありのドタバタ音楽活劇ミステリー

劇団☆新感線が46周年記念として贈る本作は、これまでの王道物とはひと味違うようです。大正浪漫が感じられる時代を舞台に、江戸川乱歩が描いたようなほの暗さが漂う、スチームパンクの世界が繰り広げられます。

大正12年、M県T市、海沿いの炭鉱の町。2人の探偵、アケチコ五郎と新田一耕助が出会います。その後、人気劇団「黒ダイヤ歌劇団」の新トップ・菊川民子が忽然と姿を消し、犯人と疑われたライバル・出雲坂めい子も行方不明になってしまい……。2人は怪事件に挑みますが、常軌を逸した愛と欲望の世界が待ち受けていました。

謎に満ちた事件の真相を追う奇想天外な物語が、音楽とともにテンポよく展開します。注目のキャストには、宮野真守さん、神山智洋さん(WEST.)、石田ニコルさんといった個性豊かな顔ぶれが揃い、ステージを熱く盛り上げてくれること間違いなしです!

2026年劇団☆新感線46周年興行・夏公演 SHINKANSEN☆RSP 怪奇骨董 音楽劇『アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~』は、2026年6月12日(金)〜7月12日(日)まで、EX THEATER ARIAKEにて開幕します。また、福岡・大阪での地方公演も実施されます。詳細は公式サイトにてご確認ください。

新国立劇場演劇『りんごが落ちる』生きづらさを感じている人々に贈る、ユーモアと愛情たっぷりのエール

小川絵梨子芸術監督の任期最後となるシリーズ企画「いま、ここに──」。そのラストを飾るのは、ノゾエ征爾さんの新作書き下ろし『りんごが落ちる』です。浜田学さん、山口森広さん、梅舟惟永さん、宮川安利さん、大西多摩恵さんが出演します。

舞台俳優・田端光太郎は、久しぶりの大舞台で主役を掴んだものの、初日の舞台上でセリフを忘れ、ラスト10分を沈黙劇にしてしまいました。その日、台所に立つ彼のもとへ、舞台関係者や隣人など、それぞれの事情を抱えた人々が訪ねてきます。ズレた思いやりと身勝手が入り混じる中、それぞれの人生で止まっているセリフたちは再び動き出すのでしょうか?

ふとした瞬間に孤独や息苦しさ、言葉にできない「生きづらさ」を感じているすべての人々に優しく寄り添う、温かな人間ドラマとなっています。深刻になりがちなテーマを、ノゾエさんの筆はユーモアと愛情たっぷりに描き出し、観る人の心をじんわりと解きほぐしてくれるはずです。

新国立劇場演劇『りんごが落ちる』は、2026年6月13日(土)~28日(日)まで、新国立劇場 小劇場にて上演されます。シアタートークや公演ガイドツアー付きの回もあるため、気になった方はぜひ公式サイトをチェックしてみてくださいね。

舞台『虹のかけら~もうひとりのジュディ』専属代役兼付き人の視点から、名女優の栄光と苦悩を浮かび上がらせる

『虹のかけら~もうひとりのジュディ』は、構成・演出を三谷幸喜さんが手掛け、戸田恵子さんが出演する一人舞台です。2018年、戸田恵子さんの生誕60周年記念として初演された後、再演を重ねてきました。

みなさんはハリウッドの大女優、ジュディ・ガーランドを知っていますか?子役時代に映画『オズの魔法使い』のドロシー役で評価され、歌唱力を活かしてハリウッド黄金時代を代表する存在になりました。ただ私生活はスキャンダルが絶えず、47歳という若さでこの世を去ってしまいます。

しかし、本作の主人公はジュディ・ガーランドではありません。彼女の専属代役兼付き人だったジュディ・シルバーマンです。シルバーマンがガーランドについて綴った日記を引用し、朗読する形で舞台は進んでいきます。

一番近くで支え続けたからこそ残せた、ガーランドの知られざる素顔。ガーランドの代表曲とともに、その栄光と苦悩が鮮やかに浮かび上がります。三谷幸喜さんの名演出と、戸田恵子さんの超一流の演技力で、観客を深い感動へと誘う贅沢なステージになることでしょう。

舞台『虹のかけら~もうひとりのジュディ』は、2026年6月19日(金)~7月5日(日)まで、銀座 博品館劇場で開催されます。さらに秋田・青森・宮城・神奈川・愛知・大阪・鳥取・岡山・兵庫・福岡・熊本・長崎・沖縄での全国ツアーも実施予定です。詳細は公式サイトからご確認ください。

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さよ

今回ご紹介した6月上演の作品は、客席を一気に引き込むエネルギーに満ちた傑作ばかりです。キャスト陣による熱演はもちろん、劇場ごとに異なる濃密な空気感や演出の妙を生で味わえるのは、舞台ならではの醍醐味だと思います。ぜひこの機会に劇場へ足を運び、日常を忘れさせてくれる素晴らしい演劇体験を楽しんでみてください!