宝塚歌劇団では、男性役も女性団員が演じています。一般的な劇やミュージカルを見慣れている方にとって、「男役や娘役って、どんな雰囲気なんだろう?」と気になるところではないでしょうか?一人ひとりの劇団員が男役・娘役の誇りを背負うことで、長く愛されてきた宝塚歌劇団。その舞台の世界観に詳しく迫っていきましょう。
宝塚歌劇団の男役って?
男役は、宝塚歌劇団の大きな特徴のひとつだといえるでしょう。男役となった団員は、普段から短髪のヘアスタイルにパンツルックのファッション。涼やかで中性的なビジュアルに惚れ込むファンも多いようです。
では、実際に男役・娘役の担当はどうやって決めているのでしょうか?もちろん、本人の希望が大切なポイント。宝塚音楽学校の在籍時からレッスン内容が役によって分かれるため、入学までに意思を固めている方がほとんどでしょう。
一方で、希望通りにならないケースもあります。低音域での歌唱力だけでなく、高い身長も求められるのが男役。この条件に当てはまることも重要なんですね。さらに身体条件をクリアしていても、男性らしい所作とはなかなか身につきにくいもの。「男役10年」という宝塚用語からは、男役を演じることの難しさがひしひしと伝わってきます。
娘役はどういう存在?
劇中で女性を演じる娘役は、一見「性別通り」の役回りに思えるかもしれません。確かに、男役はあえて化粧の色合いを暗くしたり、ヒールのある靴を履いたりと、見た目から男性らしく仕上げる必要があります。意識して低い声を出し、大ぶりな動作をするといった工夫も欠かせません。
しかし、娘役は時に男役とのラブロマンスを繰り広げるからこそ、徹底的に“女性らしさ”を意識しています。綺麗なロングヘアに長いまつ毛、指先まで洗練された動きは、まさにお姫様のよう。一度は娘役の扮装をしてみたい、と願うファンが多いのも納得です。娘役は、正統派のヒロイン像を演じ切ることによって男役の魅力も引き出しています。宝塚歌劇団、そして男役にとって、なくてはならない存在だといえます。
独特の世界観に注目!
宝塚歌劇団の男役・娘役は、団員本人の希望と身体的な条件を考慮した上で決まります。「女性も一目惚れする」男役と、「女性が憧れる」娘役。どちらを演じるにしても、そこに並々ならぬ努力が隠れていることは間違いありません。
また、男役は単なる男装ではなく、ひとつの演劇表現として成り立っています。娘役も男役に応え、宝塚歌劇団の世界観を守りながら進化させてきました。男役と娘役の相乗効果が、これからも宝塚歌劇団を支えていくことでしょう。
筆者の初めての宝塚観劇は小学生の頃だったこともあり「メイクのすごい女の人たちばっかり」と衝撃的だった記憶があります。そのインパクトが、現在の宝塚に対する興味を生み出してくれたのかもしれません。